[5月4日11:59.天候:晴 宮城県塩竃市海岸通 JR本塩釜駅→マリンゲート塩釜]
〔「まもなく本塩釜、本塩釜です。お出口は、左側です」〕
電車は高架線を走行している。
本塩釜駅は塩竃市の中心駅であり、市役所の最寄り駅にもなっている。
東北本線にも塩釜駅はあるが、こちらは山側にあり、市街地からは離れている。
2面2線の対向式ホームに電車は入線した。
ホームの佇まいは、何となく武蔵野線のそれに似てなくもない。
しかし、仙石線には貨物列車は通っていない。
仙台近郊の町の中心駅なので、けして寂しいわけではないのだが、静かな駅ではある。
立ち番の駅員はいないし、発車ベルが流れるわけでもない。
勇太:「父さん、大丈夫なの?」
宗一郎:「何とかな……」
電車を降りて、改札口に向かう。
ホームが短いこと(6両編成分ある?)以外は、まるで首都圏にある駅のようである。
自動改札機も、首都圏にあるものと全く同じである。
そこをSuicaで通過する。
マリンゲート口から駅の外に出て、遊覧船が発着しているマリンゲート塩釜に向かう。
途中にイオンタウンがあるので、その前の歩道を通って行くのがポイント。
宗一郎:「何だか腹が減ってきたな……」
勇太:「ちょうどお昼時だからね」
佳子:「それに、朝はロクに食べなかったでしょう?」
宗一郎:「そうだな。遊覧船に乗る前に、お昼でも食べよう」
マリンゲート塩釜に到着する。
ただ単に遊覧船の発着場だけではなく、飲食店もあるし、何とハローワークもあったりする。
勇太:「何を食べるの?」
宗一郎:「いきなり重い物を食べるのはアレだから、蕎麦くらいにしておくか」
勇太:「確かに軽いね」
建物の中に入ると、大漁旗やマグロのオブジェが観光客を出迎えてくれる。
先に遊覧船の窓口に行って、乗船券を購入する。
宗一郎:「次の出航時間は13時?それじゃ、その便で。グリーン大人4名で」
窓口の上には電光掲示の時刻表がある。
まるで、駅の発車標だ。
時刻と運航される船名、そして何バースから出るのかの案内。
乗船券を購入すると、宗一郎は元気になったのか、
宗一郎:「じゃあ、次は腹ごしらえしておこう」
と、同じ建物内の飲食店に向かった。
フードコート形式の蕎麦店である。
マリア:「とり天うどん……とり南ばんうどん……?」
勇太:「天ぷらのことだね。鶏肉の天ぷらのこと」
マリア:「天ぷらか!」
宗一郎:「私は蕎麦にしよう」
勇太:「竈○炭○郎みたいに、山かけうどんは……無いか」
マリア:「こら」
勇太:「とり天そばで」
マリア:「じゃあ、私も」
佳子:「マグロワンタンそば頂くわ」
宗一郎:「私もそれにしよう。まあ、昼は軽く蕎麦だけど、松島に着いたら、もっと色々な物が食べれるよ。笹かまぼことかね」
勇太:「あ、そうか。作り立ての熱いかまぼこが食べれるんだった」
宗一郎:「そういうこと」
[同日13:00.天候:晴 同市内 塩釜マリンゲート→丸文松島汽船“第三芭蕉丸”船内]
出航時間になり、勇太達は船上にいた。
遊覧船の中では定員300人の大型船で、三層構造になっている。
1階は2等室、2階はグリーン室、3階が1等室になっていた。
上に行くほど眺望に優れているからだろう。
しかし、海面を進む迫力が良いというのであれば、1階席で良いだろう。
宗一郎は2階席を購入したようである。
名称は恐らくJRのグリーン車から取ったものだろう。
座席自体は特に豪華というわけでもないのだが、1階席より空いているのは確かだ。
せっかくなので、最前部の展望席に行ってみる。
勇太:「これだけ見ると、名鉄のパノラマスーパーみたい」
マリア:「冥鉄?」
勇太:「いや、冥界鉄道公社の冥鉄じゃなく、名古屋鉄道の名鉄」
マリア:「日本語は難しいね」
勇太:「そ、そうだね」
昔は航行しながらウミネコへの餌付け体験もあったそうだが、糞害がひどくなったので中止されてしまった。
尚、2階には船尾部分に甲板があり、そこに出て潮風を浴びながらクルーズを楽しむこともできる。
マリア:「この船は外洋に出たりしないよね?」
勇太:「しないよ。あくまで、塩釜湾から松島湾に向かうだけだから」
湾から湾を航行するだけであり、太平洋フェリーや商船三井フェリーのように外洋に出ることは無い。
勇太:「それがどうしたの?」
マリア:「いや、師匠が『日本国内から出るな』って話をふと思い出してね」
勇太:「バリバリ日本国内だから大丈夫でしょう」
広い意味では排他的経済水域内までOKのはずなのだが、狭い意味となると、さすがにギリギリ狙いはマズいだろうか。
国内航行のフェリーまでなら、ギリOKと思われる。
勇太:「竹島や尖閣諸島、北方領土も本来は日本の領土なんだけど?」
マリア:「“魔の者”がどこまで手が伸ばせるかだね。私は本州には手が出せないんじゃないかって思ってる」
勇太:「そうなの?」
マリア:「だって考えてもみてよ。いくら眷属とはいえ、“魔の者”の手先は北海道で暗躍したんだよ?」
勇太:「あっ、そうか!」
本物の“魔の者”は警戒して日本領土までは入って来れないが、しかし眷属ならOKということか。
そしてその眷属達ですら、本州には入れなかった。
揺さぶりを掛ける為、東日本大震災を起こしてみたり、コロナウィルスをばら撒いてみたが、全く動じることはなかった。
勇太:「本州には入ってこれないってどういうことなんだろう?」
マリア:「そりゃあ、師匠がそこに屋敷を構えたからだろう」
とマリアは言ったが、勇太は違うと思った。
勇太:(大石寺があるからじゃないのか?“魔の者”って、実は第六天魔王のことじゃ?)
もちろん、勇太の想像である。
マリア:「ちょっと、デッキに出て見ない?」
勇太:「行く」
2人は船尾甲板に出た。
〔「まもなく本塩釜、本塩釜です。お出口は、左側です」〕
電車は高架線を走行している。
本塩釜駅は塩竃市の中心駅であり、市役所の最寄り駅にもなっている。
東北本線にも塩釜駅はあるが、こちらは山側にあり、市街地からは離れている。
2面2線の対向式ホームに電車は入線した。
ホームの佇まいは、何となく武蔵野線のそれに似てなくもない。
しかし、仙石線には貨物列車は通っていない。
仙台近郊の町の中心駅なので、けして寂しいわけではないのだが、静かな駅ではある。
立ち番の駅員はいないし、発車ベルが流れるわけでもない。
勇太:「父さん、大丈夫なの?」
宗一郎:「何とかな……」
電車を降りて、改札口に向かう。
ホームが短いこと(6両編成分ある?)以外は、まるで首都圏にある駅のようである。
自動改札機も、首都圏にあるものと全く同じである。
そこをSuicaで通過する。
マリンゲート口から駅の外に出て、遊覧船が発着しているマリンゲート塩釜に向かう。
途中にイオンタウンがあるので、その前の歩道を通って行くのがポイント。
宗一郎:「何だか腹が減ってきたな……」
勇太:「ちょうどお昼時だからね」
佳子:「それに、朝はロクに食べなかったでしょう?」
宗一郎:「そうだな。遊覧船に乗る前に、お昼でも食べよう」
マリンゲート塩釜に到着する。
ただ単に遊覧船の発着場だけではなく、飲食店もあるし、何とハローワークもあったりする。
勇太:「何を食べるの?」
宗一郎:「いきなり重い物を食べるのはアレだから、蕎麦くらいにしておくか」
勇太:「確かに軽いね」
建物の中に入ると、大漁旗やマグロのオブジェが観光客を出迎えてくれる。
先に遊覧船の窓口に行って、乗船券を購入する。
宗一郎:「次の出航時間は13時?それじゃ、その便で。グリーン大人4名で」
窓口の上には電光掲示の時刻表がある。
まるで、駅の発車標だ。
時刻と運航される船名、そして何バースから出るのかの案内。
乗船券を購入すると、宗一郎は元気になったのか、
宗一郎:「じゃあ、次は腹ごしらえしておこう」
と、同じ建物内の飲食店に向かった。
フードコート形式の蕎麦店である。
マリア:「とり天うどん……とり南ばんうどん……?」
勇太:「天ぷらのことだね。鶏肉の天ぷらのこと」
マリア:「天ぷらか!」
宗一郎:「私は蕎麦にしよう」
勇太:「竈○炭○郎みたいに、山かけうどんは……無いか」
マリア:「こら」
勇太:「とり天そばで」
マリア:「じゃあ、私も」
佳子:「マグロワンタンそば頂くわ」
宗一郎:「私もそれにしよう。まあ、昼は軽く蕎麦だけど、松島に着いたら、もっと色々な物が食べれるよ。笹かまぼことかね」
勇太:「あ、そうか。作り立ての熱いかまぼこが食べれるんだった」
宗一郎:「そういうこと」
[同日13:00.天候:晴 同市内 塩釜マリンゲート→丸文松島汽船“第三芭蕉丸”船内]
出航時間になり、勇太達は船上にいた。
遊覧船の中では定員300人の大型船で、三層構造になっている。
1階は2等室、2階はグリーン室、3階が1等室になっていた。
上に行くほど眺望に優れているからだろう。
しかし、海面を進む迫力が良いというのであれば、1階席で良いだろう。
宗一郎は2階席を購入したようである。
名称は恐らくJRのグリーン車から取ったものだろう。
座席自体は特に豪華というわけでもないのだが、1階席より空いているのは確かだ。
せっかくなので、最前部の展望席に行ってみる。
勇太:「これだけ見ると、名鉄のパノラマスーパーみたい」
マリア:「冥鉄?」
勇太:「いや、冥界鉄道公社の冥鉄じゃなく、名古屋鉄道の名鉄」
マリア:「日本語は難しいね」
勇太:「そ、そうだね」
昔は航行しながらウミネコへの餌付け体験もあったそうだが、糞害がひどくなったので中止されてしまった。
尚、2階には船尾部分に甲板があり、そこに出て潮風を浴びながらクルーズを楽しむこともできる。
マリア:「この船は外洋に出たりしないよね?」
勇太:「しないよ。あくまで、塩釜湾から松島湾に向かうだけだから」
湾から湾を航行するだけであり、太平洋フェリーや商船三井フェリーのように外洋に出ることは無い。
勇太:「それがどうしたの?」
マリア:「いや、師匠が『日本国内から出るな』って話をふと思い出してね」
勇太:「バリバリ日本国内だから大丈夫でしょう」
広い意味では排他的経済水域内までOKのはずなのだが、狭い意味となると、さすがにギリギリ狙いはマズいだろうか。
国内航行のフェリーまでなら、ギリOKと思われる。
勇太:「竹島や尖閣諸島、北方領土も本来は日本の領土なんだけど?」
マリア:「“魔の者”がどこまで手が伸ばせるかだね。私は本州には手が出せないんじゃないかって思ってる」
勇太:「そうなの?」
マリア:「だって考えてもみてよ。いくら眷属とはいえ、“魔の者”の手先は北海道で暗躍したんだよ?」
勇太:「あっ、そうか!」
本物の“魔の者”は警戒して日本領土までは入って来れないが、しかし眷属ならOKということか。
そしてその眷属達ですら、本州には入れなかった。
揺さぶりを掛ける為、東日本大震災を起こしてみたり、コロナウィルスをばら撒いてみたが、全く動じることはなかった。
勇太:「本州には入ってこれないってどういうことなんだろう?」
マリア:「そりゃあ、師匠がそこに屋敷を構えたからだろう」
とマリアは言ったが、勇太は違うと思った。
勇太:(大石寺があるからじゃないのか?“魔の者”って、実は第六天魔王のことじゃ?)
もちろん、勇太の想像である。
マリア:「ちょっと、デッキに出て見ない?」
勇太:「行く」
2人は船尾甲板に出た。
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