報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「藤野での一夜」 2

2023-06-03 16:04:24 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月25日20時30分 天候:曇 神奈川県相模原市緑区某所 国家公務員特別研修センターA棟]

 いつもの通り、守衛所で入構受付を行う。
 守衛達は24時間泊まり込みで警備をしており、こんな時間でも入構受付に応じてくれた。
 というより、前からそのような話をしていたからだが。
 入る時に持ち込み禁止品が無いかどうかの荷物のチェックも行われる。
 私はハンドガンとショットガンを持っているが、これは許可されたものである。
 その後、本館であるA棟の受付に行く。
 そこでカードキーを受け取った。
 どうやら、今回はこのA棟に泊まれるらしい。

 愛原「ん?一室だけ?」

 カードキーは人数分用意されたが、部屋は1つだけだった。
 いや、部屋自体は4人部屋と6人部屋があるのだが、私用のはないのか?
 私が疑問に思って、善場主任にLINEすると……。

 善場「愛原所長には動向監視をお願いしておりますし、また、1人だと安全が確保できかねる恐れがあります。同室でお願いします」

 という返信が返ってきた。

 リサ「おー!先生と同じ部屋ー!」

 リサは大喜びだったが……。

 絵恋「そ、そんな……!リサさんと2人きりじゃないだなんて……ッ!」

 絵恋はがっかりしていたし、早苗は無表情で何かを考える仕草であった。

 愛原「とにかく部屋に行こう。ああ、あと、自販機コーナーは下にあるから」
 リサ「そうだった。自販機でお菓子が買えるんだった」
 絵恋「後で買いに行きましょう」

 先に荷物を置きに行く為、客室上階に向かう。
 大きな荷物があったので、エレベーターを使わせてもらった。
 このエレベーターでも、地下の研究施設に行ける。
 但し、それ専用のカードキーが無いと地下には行けないシステムだった。
 上階であれば、カードキーが無くても使用できる。
 絵恋と早苗は、ゴロゴロとキャリーバッグを引いていた。

 愛原「この部屋だな」
 リサ「211号……」

 私のカードキーで部屋のドアを開ける。
 中に入ると、畳敷きの部屋になっており、両側に木製の2段ベッドが設置されていた。
 つまり、4人部屋である。
 ベッドにはカーテンが付いているので、それを閉めればカプセルホテルのような感じになるか。
 既にベッドメイクはされており、あとは寝るだけ。
 浴衣もあるが、アメニティは自分で用意しなければならない。

 リサ「先生、先生」
 愛原「何だ?」

 リサは荷物の中から、体操服の上を取り出した。

 リサ「ここでは寝る時、体操服とブルマにしておくね」
 愛原「えっ?」
 絵恋「ちょっと、リサさん!?それ、家用じゃなかったの!?」
 リサ「先生と一緒の時は着るって言ったでしょ?なあ、サナエ」
 早苗「そ、そうですね」
 愛原「気持ちは嬉しいけど、この時季にそれは寒くないかい?」
 リサ「わたしは大丈夫」

 リサは大きく頷いた。
 そりゃ、鬼型BOWなら体温は高いだろう。
 そういうことじゃなくて、私は普通の人間である絵恋を心配しているのだ。

 リサ「この部屋、暖房効いてるから寒くないでしょ?」

 リサは私の心を読んだかのように、絵恋に聞いた。

 絵恋「こ、この部屋は寒くないですけど……」
 愛原「そうだな。廊下とかは暖房が無いから寒いな」
 リサ「分かった。じゃあ、上だけジャージ着ていい」
 愛原「下は許さんのかいw」
 リサ「それじゃ、ブルマの意味が無い」
 愛原「そ、そうか……」
 絵恋「ほ、他にも泊まっている人に見られたら恥ずかしいし……」
 愛原「あー、それはいないみたいだよ。さすがに、年末押し迫る時期に泊まる人は……」
 リサ「そういうこと。とにかく、着替えてお風呂に入ろう」
 愛原「あ、ちょっと待った」
 リサ「先生は気にしなくていいよ。わたし達の着替え、見てて」
 絵恋「ええーっ!?」
 愛原「いや、だからオマエは良くても、絵恋さんがダメなんだって」
 リサ「エレン。先生の命令は絶対」
 愛原「勝手に俺の命令にすんなし!……って、早苗さん!?」

 早苗はしれっと着替えを始めた。
 既に制服のブラウスを脱いで、下は白いブラジャー姿になっている。
 リサや絵恋よりも胸は大きい。
 EまたFカップくらいあるかな?
 この3人の中では1番身長が高く、肉付きも良い。

 早苗「何ですか?」
 愛原「何ですかって……」
 リサ「こら、サナエ。勝手に着替えるな」
 早苗「すいません」
 リサ「で、なに?先生」
 愛原「ここの風呂って、大浴場と小浴場だろ?どっちに入っていいのか確認してなかった」

 どちらが男湯でどちらが女湯かは決まっていない。
 その日の宿泊者の男女比や人数で、施設側が決めるという。

 リサ「おー、そういえば……」

 早苗に対抗してか、リサもしれっと上を脱いでいる。
 リサは黒いブラジャーだった。
 スポプラではなく、普通の。

 愛原「ちょっと確認するわ」

 私は少女達から目を逸らすようにして、室内の内線電話の受話器を取った。

 愛原「あ、もしもし。211号室の愛原です。すいません、ちょっと1つお聞きしたいんですが……はい。お風呂の方って、今夜はどういった運用で……はい」

 私が電話をしている間、背後からは服を着替える音がした。
 リサが悪戯っぽく、手ブラ状態の裸を見せつけようとしてくる。

 愛原「……ああ、そうですか。分かりました。じゃあ、そうさせてもらいます。……はい、どうもありがとうございます。失礼します」

 私は電話を切った。

 愛原「こら、リサ!フザけるな!」

 私が振り向くと、既にリサは体操服にブルマに着替えていた。
 ブルマはスカートの下に穿いていたと思われる紺色のブルマだった。
 早苗は同じような体操服だが、下が青いブルマになっている。
 これもスカートの下に穿いていた奴だな。
 絵恋さんだけが、まだ着替えていない。

 愛原「お前らなぁ……。絵恋さんは、無理しなくていいからね?」
 絵恋「はい……」
 リサ「で、先生。お風呂はどうなの?」
 愛原「やはり宿泊者が俺達しかいないからってことで、小浴場しか稼働させないらしい」
 リサ「よし!皆で入ろう!先生!混浴混浴でへへへ……

 リサは第1形態に戻ってしまい、牙を剥き出しにし、涎を垂らした。
 風呂の中で食われてしまう。

 愛原「ダメダメ!入れ替え制だよ、入れ替え制!」
 リサ「ええ~……」

 リサは残念そうな顔をした。

 絵恋「先生が先に入ってきてください」
 愛原「あ、そう?悪いねー」
 リサ「エレン、勝手に……って、ああ……まあ、いいか。先生の残り湯に浸かれるから」
 絵恋「あ……」
 愛原「つったって、ここの風呂は循環湯のはずだで?俺が入った後でも、濾過されるだろ?」
 リサ「サナエ、ろ過装置壊してこよう」
 早苗「後で怒られても知りませんよ?」
 愛原「いま怒るに決まってんだろ!」

 だ、大丈夫なのかな?
 今夜、ゆっくり寝られるのだろうか……。

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