[1月7日13時00分 天候:晴 埼玉県羽生市弥勒 東北自動車道上り線・羽生パーキングエリア]
昼食が終わった後は、トイレとタバコ。
私とリサは広いトイレに行き、高橋は喫煙所に向かった。
私はトイレの後で、いつものコーヒータイム。
自販機コーナーに行くと、そこまで鬼平犯科帳の雰囲気になっていた。
まあ、当たり前だが、作中にこんな自販機は登場しないw
購入すると、ドリップの間、“コーヒールンバ”が流れるのはシュール。
善場「愛原所長、そろそろ出発の時間ですよ」
愛原「おっ、そうでした。コーヒーを入れたら、すぐに戻ります」
善場「お願いします。高橋助手はタバコ、リサはトイレですかね」
愛原「そうですね」
私のコーヒーのドリップが終わる。
愛原「このコーヒーの香り、好きなんですよ」
善場「業務用の豆とはいえ、ちゃんとミル挽きドリップと謳うだけのことはあると思います」
愛原「善場主任も飲まれますか?」
善場「いえ、私は結構です」
しばらくして、リサが戻って来た。
リサ「お待たせー」
善場「それでは、車に戻りましょう」
私はコーヒーを手に車に戻った。
リサ「また、あのコーヒー買ったんだ?」
愛原「高速道路ドライブの定番だよな」
リサ「うん、いい匂いだね」
高橋も戻ってきて、私達は再び東北自動車道の本線に入った。
愛原「あとは、ここから事務所まで直行ですね?」
善場「デイライトの、ですよ。そうですね。ここから、およそ1時間……20分くらいの予定です。が、もしも途中でトイレに行きたくなったら、言って頂ければ対応します」
愛原「分かりました」
[同日14時30分 天候:晴 東京都港区新橋 NPO法人デイライト東京事務所]
車は1時間半ほど掛けて、やっとデイライトの事務所に到着した。
駐車場は別にあるのか、車は事務所前に止まった後、私達を降ろすとそのまま走り去って行った。
善場「では、どうぞ、中へ。色々とお話を聞かせてください」
愛原「分かりました」
高橋「ねーちゃん、一服させてくれよ?」
善場「少々休憩は取りますので、その後でお願いします」
高橋「よっしゃ!」
愛原「ちったぁ、禁煙しろや」
高橋「あ゛ー、聞こえません聞こえません!行ってきます!」
愛原「ったく」
リサ「わたしもトイレ行ってくる」
愛原「ああ」
善場「それでは、後ほどそちらの会議室で」
愛原「分かりました」
高橋は喫煙所へ一目散。
リサはトイレへと向かった。
リサのヤツ、スカートの上から股間をかいていたが、生理中で蒸れて痒いとか言ってたな……。
[同日14時45分 天候:晴 同事務所3階会議室]
善場「それでは皆さん、お集りになったところで、会議を始めさせて頂きたいと思います」
リサはトイレに行って、ナプキンを交換してきたらしい。
女の子は大変だな。
善場「お手元の資料をご覧ください。これは私が京都府福知山市の郊外に位置する大江山に調査に行った際、まとめた資料になります」
愛原「酒呑童子の伝説って、数百年どころか、1000年超えなんですね!」
善場「はい。酒呑童子は多くの鬼の配下を伴っておりましたが、直属の配下である茨木童子と共に討ち取られています。が、その下の四天王や更に配下達については、全て討伐されたことが確認できませんでした。さすがに本人達はもうこの世にいないでしょうが、その末裔達は今でも存在します。但し、1000年の時を超え、そもそものボスがいなくなっていることもあり、それらの末裔の多くは人間と混じることにより、今では人間と殆ど変わらぬ姿で、人間として暮らしています」
愛原「つまり、その末裔達にあっては、さしたる脅威は無いというこですね?」
善場「そうです。恐らく、今そこにいるリサでさえ、匂いで嗅ぎ分けることは不可能でしょう。それほどまでに、人間と区別が付かなくなっています」
愛原「しかし、先祖返りを起こす者もたまに現れるとか……」
善場「それとて、もはや1000年前のことです。身体の一部に鬼だった頃の名残が多少現れたり、普通の人間とはやや優れた身体能力が現れるといった程度のものです。しかし、それに目を付けたのが白井伝三郎でした。実は海外でも、バイオテロ組織が似たようなことを企んでいたことがありまして、白井はそれにヒントを得たのかもしれません」
愛原「白井の目撃情報が、大江山近辺にあったそうですね?」
善場「はい。白井自身、特徴のある見た目ですので、近隣住民は覚えていました。そして、山の麓の隠れ里まで行って、わざわざ先祖返りを起こしている者の血液を採取したということです」
どうやら善場主任、末裔達の里まで行ったようである。
もっとも、今では単なる一集落にしか過ぎず、某犬鳴村のような、或いは彼岸島のような伝説があるわけではない。
むしろ、こちらの方は本当だからこそ、逆に都市伝説になるようなことは無かったのだろう。
ただ、白井の悪事はそこで終わりではない。
先祖返りを新たに起こした少年少女を連れ出したという。
その少年少女というのが、あの鬼兄妹であった。
白井がどんな薬を使ったのかは不明だが、それ以前に先祖返りを起こした者の血液を採取していたことから、これを使って何か作ったのだと思われる。
愛原「まだ、確たる証拠は無いんですね」
善場「はい。幸い、所長方が探索された日光の民泊施設は残っていますから、そこを今、BSAAが捜索しています。色々と書類も残っていましたから、それで何か分かると良いのですが……」
愛原「そうですよねぇ……」
高橋「あれから1日経つってのに、まだ何も分かんねーのか?」
善場「いい質問です。その質問の答えにも関連するのですが、明日、所長達にもう1つ、お仕事を依頼したいのですが……」
愛原「あ、はい。それはもう喜んで。何をすれば、宜しいでしょう?」
善場「正に、所長に打ってつけのお仕事です」
愛原「え?」
善場「所長の御親族、愛原公一容疑者は、まだ富士宮の民宿に身を寄せている状態ですかね?」
愛原「よ、容疑者!?」
善場「日光の民泊施設において、白井と公一容疑者の関連性が疑われる文書が発見されました。このままでは、逮捕状が発行されるのも時間の問題でしょう。所長は、御親族が逮捕されるのを望みますか?」
愛原「伯父さんの場合は、自業自得な所があるので……」
善場「では、逮捕状を発行して宜しいですね?」
高橋「司法取引かよ!」
高橋のツッコミに、私はやっと善場主任の真意を掴んだ。
愛原「私が伯父に、何をしろって言うんです?」
善場「白井から受け取った薬品のサンプルを差し出すようにと言ってください」
愛原「えっ?そ、それって、まさか……?」
善場「大江山兄妹や上野利恵を『人食い鬼』にした薬品のサンプルですよ。これを解析したら、もしかしたら、リサを人間に戻す方法が見つかるかもしれません」
リサ「わたしが、人間に……?」
リサは信じられないという顔をした。
取りあえず新たな仕事は得られたので、良しとしよう。
幸い、必要経費はまた出してくれるみたいだし。
昼食が終わった後は、トイレとタバコ。
私とリサは広いトイレに行き、高橋は喫煙所に向かった。
私はトイレの後で、いつものコーヒータイム。
自販機コーナーに行くと、そこまで鬼平犯科帳の雰囲気になっていた。
まあ、当たり前だが、作中にこんな自販機は登場しないw
購入すると、ドリップの間、“コーヒールンバ”が流れるのはシュール。
善場「愛原所長、そろそろ出発の時間ですよ」
愛原「おっ、そうでした。コーヒーを入れたら、すぐに戻ります」
善場「お願いします。高橋助手はタバコ、リサはトイレですかね」
愛原「そうですね」
私のコーヒーのドリップが終わる。
愛原「このコーヒーの香り、好きなんですよ」
善場「業務用の豆とはいえ、ちゃんとミル挽きドリップと謳うだけのことはあると思います」
愛原「善場主任も飲まれますか?」
善場「いえ、私は結構です」
しばらくして、リサが戻って来た。
リサ「お待たせー」
善場「それでは、車に戻りましょう」
私はコーヒーを手に車に戻った。
リサ「また、あのコーヒー買ったんだ?」
愛原「高速道路ドライブの定番だよな」
リサ「うん、いい匂いだね」
高橋も戻ってきて、私達は再び東北自動車道の本線に入った。
愛原「あとは、ここから事務所まで直行ですね?」
善場「デイライトの、ですよ。そうですね。ここから、およそ1時間……20分くらいの予定です。が、もしも途中でトイレに行きたくなったら、言って頂ければ対応します」
愛原「分かりました」
[同日14時30分 天候:晴 東京都港区新橋 NPO法人デイライト東京事務所]
車は1時間半ほど掛けて、やっとデイライトの事務所に到着した。
駐車場は別にあるのか、車は事務所前に止まった後、私達を降ろすとそのまま走り去って行った。
善場「では、どうぞ、中へ。色々とお話を聞かせてください」
愛原「分かりました」
高橋「ねーちゃん、一服させてくれよ?」
善場「少々休憩は取りますので、その後でお願いします」
高橋「よっしゃ!」
愛原「ちったぁ、禁煙しろや」
高橋「あ゛ー、聞こえません聞こえません!行ってきます!」
愛原「ったく」
リサ「わたしもトイレ行ってくる」
愛原「ああ」
善場「それでは、後ほどそちらの会議室で」
愛原「分かりました」
高橋は喫煙所へ一目散。
リサはトイレへと向かった。
リサのヤツ、スカートの上から股間をかいていたが、生理中で蒸れて痒いとか言ってたな……。
[同日14時45分 天候:晴 同事務所3階会議室]
善場「それでは皆さん、お集りになったところで、会議を始めさせて頂きたいと思います」
リサはトイレに行って、ナプキンを交換してきたらしい。
女の子は大変だな。
善場「お手元の資料をご覧ください。これは私が京都府福知山市の郊外に位置する大江山に調査に行った際、まとめた資料になります」
愛原「酒呑童子の伝説って、数百年どころか、1000年超えなんですね!」
善場「はい。酒呑童子は多くの鬼の配下を伴っておりましたが、直属の配下である茨木童子と共に討ち取られています。が、その下の四天王や更に配下達については、全て討伐されたことが確認できませんでした。さすがに本人達はもうこの世にいないでしょうが、その末裔達は今でも存在します。但し、1000年の時を超え、そもそものボスがいなくなっていることもあり、それらの末裔の多くは人間と混じることにより、今では人間と殆ど変わらぬ姿で、人間として暮らしています」
愛原「つまり、その末裔達にあっては、さしたる脅威は無いというこですね?」
善場「そうです。恐らく、今そこにいるリサでさえ、匂いで嗅ぎ分けることは不可能でしょう。それほどまでに、人間と区別が付かなくなっています」
愛原「しかし、先祖返りを起こす者もたまに現れるとか……」
善場「それとて、もはや1000年前のことです。身体の一部に鬼だった頃の名残が多少現れたり、普通の人間とはやや優れた身体能力が現れるといった程度のものです。しかし、それに目を付けたのが白井伝三郎でした。実は海外でも、バイオテロ組織が似たようなことを企んでいたことがありまして、白井はそれにヒントを得たのかもしれません」
愛原「白井の目撃情報が、大江山近辺にあったそうですね?」
善場「はい。白井自身、特徴のある見た目ですので、近隣住民は覚えていました。そして、山の麓の隠れ里まで行って、わざわざ先祖返りを起こしている者の血液を採取したということです」
どうやら善場主任、末裔達の里まで行ったようである。
もっとも、今では単なる一集落にしか過ぎず、某犬鳴村のような、或いは彼岸島のような伝説があるわけではない。
むしろ、こちらの方は本当だからこそ、逆に都市伝説になるようなことは無かったのだろう。
ただ、白井の悪事はそこで終わりではない。
先祖返りを新たに起こした少年少女を連れ出したという。
その少年少女というのが、あの鬼兄妹であった。
白井がどんな薬を使ったのかは不明だが、それ以前に先祖返りを起こした者の血液を採取していたことから、これを使って何か作ったのだと思われる。
愛原「まだ、確たる証拠は無いんですね」
善場「はい。幸い、所長方が探索された日光の民泊施設は残っていますから、そこを今、BSAAが捜索しています。色々と書類も残っていましたから、それで何か分かると良いのですが……」
愛原「そうですよねぇ……」
高橋「あれから1日経つってのに、まだ何も分かんねーのか?」
善場「いい質問です。その質問の答えにも関連するのですが、明日、所長達にもう1つ、お仕事を依頼したいのですが……」
愛原「あ、はい。それはもう喜んで。何をすれば、宜しいでしょう?」
善場「正に、所長に打ってつけのお仕事です」
愛原「え?」
善場「所長の御親族、愛原公一容疑者は、まだ富士宮の民宿に身を寄せている状態ですかね?」
愛原「よ、容疑者!?」
善場「日光の民泊施設において、白井と公一容疑者の関連性が疑われる文書が発見されました。このままでは、逮捕状が発行されるのも時間の問題でしょう。所長は、御親族が逮捕されるのを望みますか?」
愛原「伯父さんの場合は、自業自得な所があるので……」
善場「では、逮捕状を発行して宜しいですね?」
高橋「司法取引かよ!」
高橋のツッコミに、私はやっと善場主任の真意を掴んだ。
愛原「私が伯父に、何をしろって言うんです?」
善場「白井から受け取った薬品のサンプルを差し出すようにと言ってください」
愛原「えっ?そ、それって、まさか……?」
善場「大江山兄妹や上野利恵を『人食い鬼』にした薬品のサンプルですよ。これを解析したら、もしかしたら、リサを人間に戻す方法が見つかるかもしれません」
リサ「わたしが、人間に……?」
リサは信じられないという顔をした。
取りあえず新たな仕事は得られたので、良しとしよう。
幸い、必要経費はまた出してくれるみたいだし。
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