報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「栃木へ向かう当日の朝」

2024-04-26 15:32:26 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月25日08時00分 天候:曇 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階ダイニング]

 高橋「あっ、先生!おはようございます!」
 パール「おはようございます」
 愛原「あはは……おはよう」
 高橋「どうかしたんスか?」
 パール「……何か、先生のお体から変な臭いが……?」
 愛原「うん、やっぱバレるよね。これ、帰ってからでいいから、洗濯しといてくれ」

 私はそう言って、リサの部屋のベッドの中や下に落ちていた、使用済みのショーツやブルマ、スポブラを見せた。

 

 
 
 高橋「あいつ!先生に散々っぱら言われたのに!後で俺から説教しておきます!」
 愛原「いいよ。あいつが退院したら、俺から言っておく」
 パール「でも先生、どうしてわざわざ今さらそれを?」
 高橋「まあ、あいつの部屋の家探しなんて、あいつがいない時にしかできませんからねぇ」
 愛原「いや、そういうわけじゃないんだ……」

 私は、どう説明しようか、迷っていた。
 ところが!

 右手👋
 左手✋
 高橋「わあっ!何だ!?」
 パール「先生、離れてください!危険です!」

 リサの寄生虫から合体してできた、リサの分身とも言うべき右手と左手。
 まるで、“アダムスファミリー”シリーズに出て来るハンドのような存在。
 私の背中などに隠れていたが、ついに高橋やパールに対しても姿を現した。

 愛原「実は、かくかくしかじか……」

 私は観念して、昨夜にあった事を話した。

 高橋「せ、先生!そういう時は、すぐ俺達に助けを求めて頂ければ、対処したのに……!」
 パール「リサさんの分身であるなら、そんなに危険は無いと思いますけど、でも何で手だけ?」
 愛原「特異菌さえあれば、エブリンのように、俺達に幻覚を見せることができたんだろうが、今はその特異菌が除去されたからな。いま駆使できるのは、リサの体の外から出て来た寄生虫と、それが合体してできたリサの手の化身だけだそうだ」
 高橋「何だって今さらこんなのが……」
 愛原「俺達が今日から出かけるから、留守番しててくれるらしいぞ」

 すると手達、チラシの裏紙にスラスラとペンを走らせる。

 『留守はセコムにお任せください』

 高橋「不気味なセコムだなw」
 パール「まあ確かに、侵入した途端、手のオバケが襲ってきたら、泥棒は一目散に逃げるでしょうねぇ……」
 愛原「リサの分身なら、悪いようにはしないだろう。とにかく、脱ぎっ放しの下着は洗濯しといてやってくれ」
 高橋「あ、はい」
 愛原「まあ、使った後は俺が少し洗って……」
 高橋「ん?何か言いました?」
 愛原「い、いや、何でもない。そうか。リサのベッドで寝るハメになったから、あいつの匂いが付いちゃったか。……ちょっと、シャワー浴びて来る」
 高橋「あ、はい!」
 パール「早いとこ、4階にシャワールームが増設されるといいですね」
 愛原「設置工事は来週からだろう?」
 高橋「そうです!」

 結局内装工事は、高橋の知り合いの内装工事会社に任せることにした。
 こういう時、彼らの人脈は非常に助かる。

[同日08時30分 天候:曇 同地区 愛原家3階浴室→ダイニング]

 愛原「ちょちょ……!洗うのは背中だけでいいって!こここ、こらっ!!」

 シャワーを浴びていると、手達が入って来て、私の背中を流してくれた。
 それだけならまだしも、シャンプーの他、全身『手洗い』コースまで!
 絶対これ、リサの意思が働いてるだろ!もしかしてリサ、意識が戻ったのか!?
 後で確認してみよう。
 ……最後には手○キでヌかれてしまった。
 リサのヤツ、あんなに上手とは……。
 い、いや、分身か……あれ?

 愛原「ただいまァ……」
 高橋「だ、大丈夫っスか、先生!?」
 愛原「大丈夫、大丈夫……。さあ、朝飯にしよう」
 パール「今朝はベーコンエッグです」

 2つ目玉の目玉焼きに、カリカリに焼いたベーコンが下敷きになっていた。
 土休日はパン食と決めているが、今日のパンはホットドッグだった。
 今朝の食事当番は高橋だったことを思い出す。

 高橋「実は事務所の冷蔵庫に置いてあるウィンナー、今日明日で賞味期限が迫ってることに気づきまして……」
 愛原「そういうことか。それならしょうがない。勿体ないからな」
 高橋「サーセン」
 愛原「東京駅から11時くらいの新幹線で向かうぞ。タクシーの予約、よろしく」
 高橋「あ、それならもうサムに頼んでます」
 愛原「サム?」
 高橋「佐元工務店のあいつですよ」
 愛原「ああ!」

 要は高橋の知り合い。
 4階のシャワールーム増設工事を頼んだ工事会社だ。
 こういうヤツらって、ニックネームを付けるのが好きなようだ。
 佐元(さもと)だから、サムだって。
 実際ゴリマッチョなところが、某海物語の某サムに似ているということからも、そう付けられた理由のようだ。
 顔は全然似てないけどねw

 愛原「うー……食後にキューピーコーワゴールドも飲んどこう……」

 本体のリサは遠慮してるのに、化身の手達は遠慮が無い。
 昨夜もリサの使用済み下着やブルマなどを使って、何発かヌかれた。

 高橋「大丈夫っスか?」
 愛原「大丈夫大丈夫。新幹線の中で、ビールでも飲めばすぐに元気になるよ」
 高橋「さすがは名探偵っス!」
 愛原「おい、探偵は関係無いだろ!」

 尚、食後に現場に詰めている善場主任に確認したところ、リサの意識はまだ戻っていないという。
 どうやら本体の意を組んだ手達が、本体に忖度して、積極的に私を攻めているだけのようだ。

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