[2月17日13:02.天候:曇 場所不明 とあるヘリコプター機内]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
何かがおかしい。
私は今朝、風邪のような症状が出て事務所を休み、部屋で寝ていたはずだ。
高橋に氷枕を用意してもらって、額に貼る冷却シートと市販の風邪薬を救急箱から出して使用した。
それで寝ていたはずだ。
リサは心配しながらも学校へ行き、高橋は連絡すべき場所へ連絡してくれた。
それで一応安心した私は、すぐに寝落ちした。
次に目が覚めた時、高橋の怒号が聞こえて来た。
だが、その者達は高橋を薬で眠らせると、私の部屋にドカドカ入って来た。
それは防護服を着た者達であった。
朦朧とする意識の中、私は有無を言わさず担架に乗せられ、そのままマンションの屋上に連れて行かれた。
で、屋上の上でホバリングしているヘリコプターに、まるで遭難者を救助するかのように吊り上げられて乗せられたというわけである。
えーと……私はその……何か重い病気だったのだろうか?
それも、防護服を着た者達に有無を言わさずドクターヘリに乗せられるような……?
新型コロナウィルスの感染者でも、こんな搬送はされないよなぁ……?
私がドクターヘリだと思ったのは、機内で私にしている行為がテレビで観たドクターヘリの機内そのものだったからだ。
防護服A:「血圧、130の85。脈拍……」
防護服B:「血中のウィルス濃度……」
防護服C:「こちらC班。現在、対象者を搬送中。現着まであと5分の見込み」
[同日15:58.天候:曇 東京都葛飾区小菅 東京拘置所]
(ここから三人称視点となります。プレイヤーキャラは高野芽衣子)
刑務官:「う……ゲホゲホ!ゲホッ!ブブォッ!」
収監者:「な、何だこりゃ……!か、体が……熱い……ブボッ!」
次々と激しい咳と喀血の症状を起こして、バタバタと倒れる職員や収監者達。
運動の時間で独房の外に出ていた時だ。
高野:「…………」
しかし高野だけは全く症状が無かった。
しかも、この状況を想定内とばかりに無表情で見ている。
そして、倒れた刑務官から鍵を取った。
高野:「そのうちこの拘置所にも、あれが収監されるとは思っていたけど、案外早かったわね」
高野が収容されていた独房が並ぶ所から、化け物の呻き声のようなものが聞こえる。
高野:「ここからは、おさらばさせてもらうわよ」
高野の脱走に刑務官達が気づいて追おうとするが、直前まで元気だった者も突然血を吐いてバタバタ倒れていった。
高野:「変異Tウィルス。それも強毒化に変異したヤツ。これに比べたら新型コロナウィルスなんて、ただの風邪よ。症状は……ゾンビ化する者はほんの僅か。あとはゾンビ化すらせず、ただ激しい咳に見舞われ、吐血してそのまま死ぬ」
高野は悠々と拘置所の外に出た。
高野は未決囚なので、いわゆる囚人服は着ておらず、私服である。
高野:「恐らく、霧生市のバイオハザードに巻き込まれて生き残った元住民が、その後、何かの事件を起こしてここに収監された。Tウィルスのワクチンは打っているはずだけど、あくまでも抗体ができただけ。そこに新型コロナウィルスが体内に入ると……低い確率で変異Tウィルスが生まれ、たちまちバイオハザードを引き起こす。……バイオハザード発生地帯が拘置所だけで済めばいいけど……」
[同日17:04.天候:曇 都内某所 某医療施設]
(引き続き三人称視点です。ブレイヤーキャラは善場優菜)
医師:「愛原学さんの状態ですが、今は安定しています」
善場:「安定しているの?何か特別な処置をして?」
医師:「いえ、それが……。愛原さんの体内には、僅かながらGウィルスの反応がありました。そのGウィルスが変異型Tウィルスの増殖を抑えているようです」
善場:「Gウィルス?……ああ、リサの体内にあるヤツね。まあ、確かに1つ屋根の下で暮らしてるから、あの子のGウィルスがどこかで入ってもおかしくはないけど……」
施設責任者:「善場主任。話があります。あなたの血液を調べさせてください」
善場:「元リサ・トレヴァーの私だもの。注目するのは当然ね。Tウィルスは無いけど、Gウィルスなら体内に残っていると思うから」
施設責任者:「理解が早く、助かります。丁重にお連れしろ」
部下A:「はっ!」
善場は施設関係者数名と共にエレベーターに乗り込んだ。
善場:「……都内の状況は?」
部下B:「バイオハザードの発生は散発的です。ただ、東京拘置所で大規模なバイオハザードが発生したとの報告が入っております」
善場:「東京拘置所で?」
部下B:「3日前に収監された未決囚が霧生市の出身者で、今朝方、体調不良を訴えておりました。そこから爆発的に広がったと見られます」
善場:「……あと2人ばかり、確保して欲しいコ達がいるんだけど?」
部下B:「情報提供ありがとうございます」
施設責任者:「ほぼTウィルスに感染したことのある日本人は、新型コロナウィルスにはもっと注意しなければならないようですな」
善場:「日本人だけなの?」
施設責任者:「今のところは。アメリカなどでもTウィルスやCウィルスが発生したことがありましたが、そこではまだ変異型Tウィルスは発生しておりません。恐らく、霧生市で蔓延したTウィルス自体が変異株だったのかもしれません」
善場:「確かにアメリカの物と比べて、比較的ゾンビ化が遅い感染者が多かったような気はしたけど……」
施設責任者:「毒性が比較的弱い株だったのではなく、他のウィルスと融合することで強毒性を増す新型兵器ウィルスだったのかもしれません」
善場:「何を今さら……!」
施設責任者:「Tウィルスは人工ウィルスです。そして、新型コロナウィルスも……」
善場:「中国・武漢の……!私の体内に残っているGウィルスならいくらでも使って構わないわ!生物兵器には生物兵器で対応するのよ!あと、リサ・トレヴァー『2番』、愛原リサにも召集を!あのコもGウィルスを持っている!」
もはやリサ・トレヴァー『1番』だの、エブリンだのという話では無くなった。
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
何かがおかしい。
私は今朝、風邪のような症状が出て事務所を休み、部屋で寝ていたはずだ。
高橋に氷枕を用意してもらって、額に貼る冷却シートと市販の風邪薬を救急箱から出して使用した。
それで寝ていたはずだ。
リサは心配しながらも学校へ行き、高橋は連絡すべき場所へ連絡してくれた。
それで一応安心した私は、すぐに寝落ちした。
次に目が覚めた時、高橋の怒号が聞こえて来た。
だが、その者達は高橋を薬で眠らせると、私の部屋にドカドカ入って来た。
それは防護服を着た者達であった。
朦朧とする意識の中、私は有無を言わさず担架に乗せられ、そのままマンションの屋上に連れて行かれた。
で、屋上の上でホバリングしているヘリコプターに、まるで遭難者を救助するかのように吊り上げられて乗せられたというわけである。
えーと……私はその……何か重い病気だったのだろうか?
それも、防護服を着た者達に有無を言わさずドクターヘリに乗せられるような……?
新型コロナウィルスの感染者でも、こんな搬送はされないよなぁ……?
私がドクターヘリだと思ったのは、機内で私にしている行為がテレビで観たドクターヘリの機内そのものだったからだ。
防護服A:「血圧、130の85。脈拍……」
防護服B:「血中のウィルス濃度……」
防護服C:「こちらC班。現在、対象者を搬送中。現着まであと5分の見込み」
[同日15:58.天候:曇 東京都葛飾区小菅 東京拘置所]
(ここから三人称視点となります。プレイヤーキャラは高野芽衣子)
刑務官:「う……ゲホゲホ!ゲホッ!ブブォッ!」
収監者:「な、何だこりゃ……!か、体が……熱い……ブボッ!」
次々と激しい咳と喀血の症状を起こして、バタバタと倒れる職員や収監者達。
運動の時間で独房の外に出ていた時だ。
高野:「…………」
しかし高野だけは全く症状が無かった。
しかも、この状況を想定内とばかりに無表情で見ている。
そして、倒れた刑務官から鍵を取った。
高野:「そのうちこの拘置所にも、あれが収監されるとは思っていたけど、案外早かったわね」
高野が収容されていた独房が並ぶ所から、化け物の呻き声のようなものが聞こえる。
高野:「ここからは、おさらばさせてもらうわよ」
高野の脱走に刑務官達が気づいて追おうとするが、直前まで元気だった者も突然血を吐いてバタバタ倒れていった。
高野:「変異Tウィルス。それも強毒化に変異したヤツ。これに比べたら新型コロナウィルスなんて、ただの風邪よ。症状は……ゾンビ化する者はほんの僅か。あとはゾンビ化すらせず、ただ激しい咳に見舞われ、吐血してそのまま死ぬ」
高野は悠々と拘置所の外に出た。
高野は未決囚なので、いわゆる囚人服は着ておらず、私服である。
高野:「恐らく、霧生市のバイオハザードに巻き込まれて生き残った元住民が、その後、何かの事件を起こしてここに収監された。Tウィルスのワクチンは打っているはずだけど、あくまでも抗体ができただけ。そこに新型コロナウィルスが体内に入ると……低い確率で変異Tウィルスが生まれ、たちまちバイオハザードを引き起こす。……バイオハザード発生地帯が拘置所だけで済めばいいけど……」
[同日17:04.天候:曇 都内某所 某医療施設]
(引き続き三人称視点です。ブレイヤーキャラは善場優菜)
医師:「愛原学さんの状態ですが、今は安定しています」
善場:「安定しているの?何か特別な処置をして?」
医師:「いえ、それが……。愛原さんの体内には、僅かながらGウィルスの反応がありました。そのGウィルスが変異型Tウィルスの増殖を抑えているようです」
善場:「Gウィルス?……ああ、リサの体内にあるヤツね。まあ、確かに1つ屋根の下で暮らしてるから、あの子のGウィルスがどこかで入ってもおかしくはないけど……」
施設責任者:「善場主任。話があります。あなたの血液を調べさせてください」
善場:「元リサ・トレヴァーの私だもの。注目するのは当然ね。Tウィルスは無いけど、Gウィルスなら体内に残っていると思うから」
施設責任者:「理解が早く、助かります。丁重にお連れしろ」
部下A:「はっ!」
善場は施設関係者数名と共にエレベーターに乗り込んだ。
善場:「……都内の状況は?」
部下B:「バイオハザードの発生は散発的です。ただ、東京拘置所で大規模なバイオハザードが発生したとの報告が入っております」
善場:「東京拘置所で?」
部下B:「3日前に収監された未決囚が霧生市の出身者で、今朝方、体調不良を訴えておりました。そこから爆発的に広がったと見られます」
善場:「……あと2人ばかり、確保して欲しいコ達がいるんだけど?」
部下B:「情報提供ありがとうございます」
施設責任者:「ほぼTウィルスに感染したことのある日本人は、新型コロナウィルスにはもっと注意しなければならないようですな」
善場:「日本人だけなの?」
施設責任者:「今のところは。アメリカなどでもTウィルスやCウィルスが発生したことがありましたが、そこではまだ変異型Tウィルスは発生しておりません。恐らく、霧生市で蔓延したTウィルス自体が変異株だったのかもしれません」
善場:「確かにアメリカの物と比べて、比較的ゾンビ化が遅い感染者が多かったような気はしたけど……」
施設責任者:「毒性が比較的弱い株だったのではなく、他のウィルスと融合することで強毒性を増す新型兵器ウィルスだったのかもしれません」
善場:「何を今さら……!」
施設責任者:「Tウィルスは人工ウィルスです。そして、新型コロナウィルスも……」
善場:「中国・武漢の……!私の体内に残っているGウィルスならいくらでも使って構わないわ!生物兵器には生物兵器で対応するのよ!あと、リサ・トレヴァー『2番』、愛原リサにも召集を!あのコもGウィルスを持っている!」
もはやリサ・トレヴァー『1番』だの、エブリンだのという話では無くなった。