報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“大魔道師の弟子” 「魔道師の年末」 1

2019-01-02 19:19:12 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[12月29日18:34.天候:晴 東京都新宿区新宿三丁目 JR新宿駅]

 稲生達を乗せた特急“あずさ”26号は松本駅で前に2両を増結し、11両編成で新宿へ向かった。
 東京へ向かう度に雪は無くなり、オレンジや黄色の電車と並走する頃にはカラッとした冬晴れの景色が続いた。

〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく終点、新宿、新宿です。……〕

 自動化された車内放送が流れる頃、稲生はグリーン車に乗っているイリーナを起こしに行ったが……。

 イリーナ:「あいよ。アタシゃ起きてるよ」

 とのこと。
 マリアの心配は杞憂に終わったわけだ。

 稲生:「マリアさん、先生は起きてらっしゃいましたよ?」
 マリア:「そのようだな。ちょうど師匠の話し相手になってくれた人がいたんだろう」
 稲生:「話し相手?」
 マリア:「日本では『仕事納め』とやらなのに、日本人は休まないなー」
 稲生:「いや、うちの父さんは今日から休みですよ?」

 ホワイトカラーはそうかもしれないが、作者を含むブルーカラーは【お察しください】。

 イリーナ:「ぬーん」
 マリア:「エレーナのアホみたいな登場の仕方やめてください」
 イリーナ:「まあまあ。魔道師も基本、不規則勤務なのさね」
 稲生:「え?でもこうして休みなのは……?」
 イリーナ:「勇太君も長年魔道師をやれば分かると思うけど、いい加減4ケタも生きると、世間様の流れに疎くなるのさ。それを取り戻そうとするなら、勇太君みたいなホヤホヤの新弟子を入れて、その生活スタイルに沿ってみるというのも1つの手なわけだね」
 稲生:「そういうもんですか」

 電車は速度を落とし、新宿駅構内の複雑なポイントを通過して新宿駅9番線ホームに入線した。
 このホームは中央本線特急列車が専用で使っているホームである。
 その為か喫煙所もあるし、駅弁売り場もある。

〔しんじゅく〜、新宿〜。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました。お忘れ物の無いよう、ご注意ください〕

 電車を降りると寒風が吹いて来た。
 それでも……。

 稲生:「長野と比べれば暖かいですね」
 マリア:「雪が無いからかな?」
 イリーナ:「じゃあ、雪の無いロシアに行ってみる?」
 稲生:「雪が無い?」
 イリーナ:「ロシア全体が雪国ってわけじゃないからね。日本人は勘違いしてるけど」

 クソ寒いだけで雪の無い地域もあるそうだ。

 稲生:「取りあえず、次は埼京線に乗り換えです」
 イリーナ:「了解」

 帰省ラッシュで賑わう新宿駅。
 途中で……。

 稲生:「お、成田エクスプレスだ」
 イリーナ:「あれに同士が乗ってるね」
 稲生:「分かるんですか?」
 イリーナ:「おおかたアナスタシア組。日本でのエンジョイに飽きて、ロシアにでも行くつもりかねー」

 アナスタシアはロシアのモスクワ出身。
 イリーナもまたロシアの大都市近郊出身ではあるが、モスクワとはかなり離れているらしい。

 イリーナ:「あんまり魔道師が日本に固まってちゃ、ちょっと困ることが起こるんだけど」
 稲生:「困ることですか?」
 イリーナ:「出入国の隙を突いて、魔の者が侵入して来たりしなか心配でね」

 魔の者の正体は未だに分からない。
 しかしそれに打ち勝ったエレーナでさえ、戦いの傷痕が体に刻み込まれたままである。
 しかも、日本には日本海に阻まれて侵入できないという不思議な話がイリーナからされている。

 稲生:「そんなことが……」
 イリーナ:「ナスっちはそんなヘマしないとは思うけどね」

[12月29日18:42.天候:晴 JR新宿駅→埼京線1889F電車10号車内]

 埼京線ホームに移動すると、既に当駅始発の電車が入線していた。
 平日ならもう満席上等だが、今日から年末休みに入っているということもあって空いていた。

〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。2番線に停車中の電車は、18時42分発、快速、川越行きです。発車まで、しばらくお待ちください。次は、池袋に止まります〕

 停車していたのは東京臨海高速鉄道の車両。
 古巣のりんかい線には戻らず、埼京線内折り返しで再び埼玉へ向かう運用だろう。
 これの逆現象がりんかい線でも行われている(JRの車両が埼京線には戻らず、りんかい線内を行ったり来たりする)ので、お互い様か。
 JRの車両がモスグリーンなら、こちらはブルー。

〔「お待たせ致しました。18時42分発、埼京線快速、川越行き、まもなく発車致します」〕

 JRの車両よりは硬めの座席に腰掛けると、すぐに発車の時間になった。
 ホームに発車メロディが響き渡る。

〔2番線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車をご利用ください〕

 何度か再開閉を繰り返しながら、やっとドアが閉まる。
 明らかにこの最後尾よりも混んでいる前の車両で、駆け込み乗車や荷物挟まりがあったと思われる。
 そしてようやく発車した。

〔「お待たせ致しました。本日もJR東日本をご利用頂きまして、ありがとうございます。この電車は埼京線快速、川越行きです。停車駅は池袋、板橋、十条、赤羽、戸田公園、武蔵浦和、与野本町、大宮と大宮からの川越線内は各駅に停車致します。……」〕

 りんかい線の車両では自動放送が導入されていないので、車掌が肉声で全て放送する。
 ほとんど自動放送が導入されている中では珍しい。

 稲生:「魔の者って結局何なんですか?」
 イリーナ:「一言で説明するのは難しいね。でも見方を変えれば、勇太君が1番近い所にいるかな」
 稲生:「僕がですか!?」
 イリーナ:「そう」
 マリア:「私の次に狙っているのは勇太ですか?」
 イリーナ:「それは分からないよ。ただ、勇太君も勇太君でそれと戦っているということ」
 稲生:「北海道のあれは違うんですよね?」
 イリーナ:「うん、違うね」
 稲生:「え、何だろう?」
 イリーナ:「謎が解けたら、すぐにでもマスターになれるよ」
 稲生:「魔の者。魔。魔と言えば障魔。第六天魔王……」
 イリーナ:「ま、勇太君はまだ若いんだから、ゆっくり答えを探すことだね」
 マリア:「私の場合は、契約すら持ち掛けてこない悪魔でしたが……」
 イリーナ:「悪魔の全員が契約を持ちかけて来るとは限らないからね。中には魔道師が嫌いで殺しに来るヤツもいるんだから」

 差し当たり、キリスト教系やゴエティア系の悪魔は魔道師と契約したい者ばかりであるようだ。
コメント (9)
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新年の御挨拶を“アンドロイドマスター”シリーズのガイノイド達に依頼してみた件

2019-01-02 10:26:58 | アンドロイドマスターシリーズ
[12月31日23:45.天候:晴 静岡県富士宮市上条2057 日蓮正宗総本山・大日蓮華山 大石寺]

 AD:「それでは本番いきまーす!5、4、3、2……」
 エミリー:「こんばんは。今回は大石寺にお邪魔しています」
 シンディ:「今回は雲羽監督が自ら御登山されていますので、私達が代わりに御挨拶をさせて頂きたいと思います。よろしくお願い致します」
 エミリー:「現在の気温は3度。私達には平気な気温ですが、人間の方々はさぞかし寒いと思われます。どうか体調にはお気をつけください」
 シンディ:「それでは境内にお邪魔しましょう。私達は人間ではありませんので、そもそも謗法とは関係ございませんので」

 

 エミリー:「ここが監督が再び所属した報恩坊様の入口になります」
 シンディ:「監督が眠い目を擦りながら撮影したので、画像の悪さは御容赦ください」
 エミリー:「それでは中に入ってみましょう」
 シンディ:「監督は今、元朝勤行に備えて寝ているはずですので、昔のバラエティ番組にありました、小声で『おはようございまーす』と言って寝顔を撮影するアレで行きたいと思います」

 エミリー、玄関の引き戸を開けようとする。

 エミリー:「ちょっと立て付けの悪いドアですね。なかなか開きません」
 シンディ:「お寺は開かれた所だから、鍵が掛かってるはずがないわね。もう少し強く引いて……」

 バキッ!(鍵の壊れる音)

 エミリー:「…………」
 シンディ:「…………」

 しばらく立ちすくむ2人。

 エミリー:「……え、何で壊れたの?」
 シンディ:「分かりません」
 エミリー:「鍵掛かってたじゃない」
 シンディ:「姉さんが先にこじ開けたんでしょ?」
 エミリー:「私より強く引いたのは、明らかにオマエだ」
 シンディ:「また人のせいにする!」
 エミリー:「どうするんだ!?」
 シンディ:「と、取りあえず……」

 シンディ、ドアだけ直す。

 バージョン4.0:「明ケマシテ、オメデトウゴザイマス!新年明ケテ早々、エミリー様とシンディ様ニお会イデキルナンテ、功徳〜〜〜〜〜〜!!」

 ズドン!(シンディ、右手をライフルに変形させて発砲する)
 ドゴン!(エミリー、右手をマグナムに変形させて発砲する)

 バージョン4.0:(@_@;)〜☆

 いきなりの攻撃にピヨるバージョン4.0。

 エミリー:「こいつを犯人にしておく!玄関の横に置いとけ!」
 シンディ:「いいアイディアですね。うん、いいアイディアだ」
 エミリー:「取りあえずペンキでカラフルに塗って、ダルマが置いてある風にしておけばいいだろ」
 シンディ:「ダルマ!?……いや、確かにこいつらダルマみたいな体付きですけど!」

 今やAIも人間にウソを付き、誤魔化す時代になりつつある。

[1月1日00:05.天候:晴 大石寺境内]

 シンディ:「あ、新年明けましたよ」
 エミリー:「読者の皆様、明けましておめでとうございます!寝ている監督に代わって御挨拶申し上げます。それでは他の作品と中継が繋がっていますので、呼び出してみましょう」
 シンディ:「それではここ最近、連載数が伸びている“私立探偵 愛原学”から行ってみましょう」

 愛原:「あー、クソ寒っ!」
 高橋:「先生、中継繋がってますよ!」
 愛原:「えっ、うそマジ!?……えー、私達は今、大宮の氷川神社に来ています。私らはカントクと違って、信仰者じゃないんで。フツーに神社に参拝します」

 シンディ:「リサさんの着物がよく似合いますね、愛原さん?」

 愛原:「本人も喜んでいましてですねー、何でも斉藤絵恋さんから借りたお揃いの着物らしいんです」

 エミリー:「よほど仲が良いんですね」

 愛原:「ちょっと友達の域を越えて、百合っぽくなっているのが気になるところです」

 シンディ:「1番新しい作品ですから、まだまだ今後のストーリー展開が気になりますねー」

 愛原:「いつまたハードボイルド路線を行かされるか、気が気でないです」

 エミリー:「ありがとうございました。実は私達も着物を着ています」
 シンディ:「さすがにお揃いではないですね」
 エミリー:「いつもの衣装だと胸が窮屈なのですが、着物だと胸の所も上手く調整できて素晴らしいです」
 シンディ:「それでは次は、“アンドロイドマスター”に負けず劣らずのストーリーの長さで有名な“ユタと愉快な仲間たち”の御紹介です」

 ガタンゴトン!……ガタンゴトン!……ガタンガタン!……ガタンガタン!ガタガタガタガタガタ!

 エミリー:「これは……?」
 シンディ:「電車の中みたいですね。“ユタと愉快な仲間たち”の稲生さーん?」

 稲生:「あ、はい、稲生です!こっちの世界、まだ新年明けてないんですよ!」

 シンディ:「ええっ!?」

 稲生:「作者の遅筆のせいで、こっちはまだ12月29日です!」

 エミリー:「これは失礼致しました。今、電車の中みたいですが、どちらに向かっているところですか?」

 稲生:「中央本線の特急“あずさ”26号の中です。さっき甲府駅を出たところですね。取りあえずこの電車が新宿駅に到着した辺りから、再開するそうです」

 シンディ:「作者の代わりに長旅させられるのも大変ですね。あの、できればマリアンナさんとイリーナさんにも出て頂きたいんですけど」

 稲生:「すいません、先生は爆睡中です、予想通り。マリアさんはトイレに行っちゃって……」
 エレーナ:「ぬーん」
 稲生:「って、何でキミがここにいるんだよ!?いつの間に乗ったんだ!?」
 エレーナ:「ああ?私の魔法を使えば、電車のドアを開けるなんてお茶の子さいさいだぜ」
 稲生:「何で外から開けるんだよ!?走行中だぞ!」

 バタバタとやってくるマリアンナ。

 マリア:「こらっ!オマエが出るな!」
 エレーナ:「稲生氏1人で寂しそうだったから、私が呼ばれて飛び出て何とやらだぜ」
 マリア:「常識で考えろ、この!」
 エレーナ:「ああ?オマエの口から常識なんて言葉が出て来るなんて、きっと明日は雪が降るぜ」
 マリア:「黙れ!この黄色いゴリラ!」
 エレーナ:「な……黄色いゴリラだと!?このペチャパイ!」
 稲生:「ぼ、僕達は元気にやってますので、今年もよろしくお願いしまーす!」

 シンディ:「仲がよろしいですわね」
 エミリー:「さすがは『仲良き事は美しき哉』が綱領に入っている魔法門ですね」
 シンディ:「尚、『黄色いゴリラ』とはエレーナさんの髪が私と同じ、黄色が濃い金髪だからだそうです。マリアンナさんは、それよりは白に近い金髪なんですね」
 エミリー:「あとはミズ・エレーナの方が体付きが良いという意味もあるそうだ」
 シンディ:「ペチャパイは【お察しください】」
 エミリー:「登山レポについては監督にお任せします。そろそろ私達は退散するとしましょうか」
 シンディ:「元朝勤行の後、広布の広場で甘酒が振る舞われるそうですが、私達はロイドである為、レポートができませんので悪しからず」
 エミリー:「元朝勤行は正座椅子を使っても足がやられると作者が言ってました」
 シンディ:「その後も何度も正座する場面があった為、足がギブアップした作者は報恩坊さんの初勤行では椅子に座ってた根性無しです」
 エミリー:「それでは今年もよろしくお願い致します」
 シンディ:「今年は私達のストーリーも再開してくれるといいですね」
 エミリー:「それでは私達から大石寺へ御供養です」

 エミリーとシンディ、右手をバズーカ砲に変形させる。
 そして、上空に向かって手を挙げる。
 2人とも1発ずつ発砲。

 エミリー:「玉屋です!」
 シンディ:「私達から花火の御供養です」
 妙観講員A:「こらーっ!誰がそこまで許可した!?」
 妙観講員B:「ちょっとこっちへ来い!」
 シンディ:「ヤベッ、アドリブ駄目だった!」
 エミリー:「それでは大石寺からお送りしました!」

 鋼鉄姉妹、超小型ジェットエンジンを起動させて緊急離脱!

[1月1日01:15.天候:晴 大石寺報恩坊]

 いおなずん:「おはようございます」
 雲羽百三:「ん……もう起きる時間ですか?」
 いおなずん:「そうです。トチロ〜さん、おはようございます」
 トチロ〜:「おう……」

 外でのことなど不知の作者達。
 尚、玄関の外に放置されたダルマバージョン4.0は御住職が謗法払いをして下さったかもしれない今日この頃です。
コメント (2)
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