イギリスでは幽霊という言葉は歴史という言葉と同じくらい重要なのだという。
最近殺人事件や事故があったばかりの所で幽霊が出たとあっては、さすがに薄気味悪くて、不動産価値は下がるが、
事件や事故が昔のことであったりすると、”幽霊が出る?それは貴重な家だ。”となって、家の価格がつり上がるらしい。
(ほんとかな ?)
ましてや、その幽霊が歴史上の人物だった場合には、家が史実の証明になって、とんでもない付加価値になるんだとか。
幽霊の出る古い家をお宝のように探し回るゴーストハンターと呼ばれる人達も存在していて、
イギリスでは幽霊の存在を否定するどころか、
B&B(Bed&Breakastのイギリス風ペンションみたいなやつ)の主人のようにその恩恵に預かっている人もいる。
霊(スピリット)は邪悪な呪いの象徴ではなく、ある日突然私たちの心に触れては、
人を覚醒し、
これまでにない世界を感じさせてくれるものとされているそうだ。
イギリスのガーデナーやアロマテラピストは、気分が沈みがちになると庭に出て、心を横切る何かを待つ。
庭で花に向かいながら、暮らしの中に潜む分からないものに出会い、そこから与えられる不思議な力に身を委ねるという。
(精霊や妖精のファンタジーはいかにも英国風だが、幽霊やゴーストまでも含まれるのか。)
分からないものを切り捨てず、形のないものと生きていく。
イギリスには、日本にはない、本当にスピリチュアルな価値観がありそうなのです。
(昔、職場でご一緒した先輩にあたる方が、世界のパワースポットであり、イギリスの精神世界の殿堂として近年有名になって来た
フィンドホーンの活動に参加されたりしている。興味はあるのですが、ネス湖の傍、スコットランドなのでちょと遠い。)
( ↓ )イギリスでの超常現象はドスンドスンという足音や、バタバタと歩き回る足音で始まるケースが多いという。
(ポールと共作した頃のマイケルもスリラーを制作している。)
Paul McCartney - Dance Tonight ft. Natalie Portman
イギリス湖水地方を愛した詩人、ワーズワースについて書かれた本の表紙に使われていたのは、
アメリカの画家であるエドワード・ホッパー(Edward Hopper)だった。
(ワーズワースと至福の時)
( ↓ ) エドワード・ホッパーの絵が満載。こういうゆったりしたタイム感で旅行できないものか。
今練習中の「If I have to go」も、トム ウェイツのナンバーだ。
これはデビューアルバムのラストナンバー(インスト)。
Tom Waits "Closing Time"
どこか懐かしい郷愁を誘うところが、読んだことはないけど、
カズオ・イシグロの「日の名残り」のイメージに似ている。
(カズオ・イシグロの世界に呼吸を合わせてみる)
(武田巡りの旅 ~ 風林火山と日ノ丸の御旗)
Amazonの書評が良かった。
計画中のイギリス旅行で行く方面ではないが、
イギリス南西部を舞台にした6日間の旅の物語のようだ。
(100人が100通りの想像で語り続けられる)
決して風光明媚ばかりでもない曇りがちなイギリスに惹かれるのは、
キレイな分かり易さばかりではないような気がします。
閉塞感や心の闇を超えるのは、
見えない、わからない、割り切れない世界なのだ。
そういうものに心を合わせて生きていくことは、
食べたり、眠ったり、話したりすること以上に
私たちの人生に力を与えてくれるはずだ。
イギリスにはライトシーズン(5月-10月)とダークシーズン(11月‐4月)という
ケルト暦を主体にした「スピリチュアルな季節」があって、
ハロウィンは元々、悪の精霊がうごめき始める11月のダークシーズンの始まりに、
悪霊を追い払うために、
かぼちゃをくり抜いてグロテスクな人の頭に模して、
各家の戸口においたのが始まりらしい。
そもそも、緯度が高く、太陽が低いイギリスは日本に比べて空が暗い。
だから、イギリス人は薄暗い石の家に住み続けてきた。
イギリス人は明るい家を求めながらも、昼間でも白いレースのカーテンを好む。
「強い光は、人を外へ外へとかき立てる。
ところが適度な暗さは家の中でもの思いにふけったり、
心を開放して誰かとゆっくり語り合う雰囲気を高めてくれる。
こんな人間のスピリチュアルな力は、こうこうと照らされた明るい部屋よりも
暗い空間で生まれてくるのだ。」
今の日本人が本を読まず、物事をじっくり考えなくなったのは、
昼も夜も同じように明るい住環境に関係がある、という意見もある。
ビル ゲイツがマイクロソフトの本社に、曇天の多いシアトルを選んだのも、たしか同じような理由だった。
日本にも「陰翳礼讃」的な考え方はあるし、間接照明を大事にした空間は増えてきたように思う。
人には暗がりの力が必要な時がある。
悲しい時、考えごとをしたい時、恋人と語らう時、暗さはなくてはならない安らぎとなる。
礼拝堂のほの暗い空間には、人間の心を形の見えない神に向かって開かせてくれる力がある。
暗がりは人の心を豊かに育むスピリチュアルの基盤でもある。
渡部昇一氏(魂はあるか ~ ”最終的にはそこに賭けるか賭けないかだ”)
もそうだし、マルチな科学者でありながら「霊界通信」を著したスウェーデン ボルグ(イマジンの世界観)など、
人知の及ばない世界の存在を感知しようとした先人は数多いる。
スウェーデンボルグの著作は、Wikipediaによるとその多くが大英博物館にあるらしいので、それもまた愉しみ。
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