ゴルフィーライフ(New) ~ 龍と共にあれ

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dancing in the moonlight ~ 楽理について

2013年09月16日 | お気に入り♪(マイナーなラジオ局編)

台風が来てるので、家にこもりながら、月踊りの歌を。

月の持つlunaticな魅力は、ここそこの音楽で歌われている。
月悦び♪
天上の月、水上の月 (1Q84 その2)

今更ながらのThin Lizzy、
出身地のアイリッシュ・ミュージックを取り入れたメロディのせいなのか、耳にひっかかるいい曲が多いです。

これはカバーのようですが、なんだかビートルズっぽい。サウンドで遊ぶ楽しさみたいなものが伝わってくる。
メロディや曲の良さというよりも、音色やプレイがすばらしい。

この本の中で元YMOの高橋幸宏さんがビートルズで一番好きな曲は、という質問に、「Baby,you're rich man」と答えているのに共感。
あの曲の素晴らしさは、鉄壁のリズム隊が鳴らすサウンドの格好良さ。 
ジョンレノン・センス

サザンオールスターズの関口さんがなるほど、ってことを言ってました。

1920-40年代だと、最初に楽譜が出版されていたんですよね、
それがビートルズの時代から、音としての芸術になった。
ここはこのギターの音、ここはこの声、ここはこの歪んだ音で、というふうに。 
ビートルズは今後たぶんクラシックになってしまうと思うんですけど、そのまま「あるもの」ととらえないで、「これをひとつひとつ作ってきた人がいるんだ」ととらえてほしい。

たしかに楽譜ありき、楽典ありき、のイメージを抱きがちですが、そこのところを見事に突いていると思いました。
鳴り響きの実体としての音楽。はじめから曲はそこにあるのではなく、サウンドも所与のものではない。

レコーディングされた音が再生されて鳴り響いているサウンドがビートルズの音楽なのに、鳴り響く前から曲があると人は思いがちだ。
西洋古典音楽系の常識に人は左右される。

楽理分析の世界は、これだけロックやポピュラー音楽が氾濫しているにも関わらず、停滞しているそうです。

一方でビートルズについて語られた文章はあまたあるが、音楽自体についての語りは印象的言辞に終始する。
ファンの関心は音の情緒的側面、あるいは直感的側面であり、メンバー個々のイメージの魅力である。
レコード評やライナーノーツの文章もそれに対応している。
率直に言えば、ポピュラー音楽評論家の多くは楽理知識、つまり音楽の読み書き能力を備えていない。
読者もまた楽理用語による説明を望んでいないし、説明されてもよく分からない。
音楽である以上、音自体が作られる過程、人が惹きつけられるときの音の細部はなにかと、読解されるべきだろう。

しかし、ビートルズの曲について楽理分析を説明すべく引用された譜例は、なんと著作権登録用に書き記されたピアノ譜であって、
ビートルズが録音した音全体が示されているわけではないし、五線譜であの音全体が示せるわけがない。
 

かたや、譜面には表記されづらいサウンドや音色、ざらついたり濁ったりする楽器の音質や重なりぐあいなどを評価する分析手法が少しずつ模索されてきている、といいます。

この本では、ビートルズのメンバーの楽器や演奏スタイルにまで話が及んでいますが、
ジョンレノンが出す音のクセとかおもしろい、なるほど。(ノルウェイの森

アップ・ピッキング、言い換えればリズムの裏拍が「跳ねる」んです。これがリンゴのドラムと絡んでリズムのうねりを作り出していきます。
「ノーウェジアン・ウッド」を聴いてみてください。しなやかな動きのなかに「ひっかかり」のリズム、
これはどの曲にも共通したジョンの基本的なクセです。
(1小節で八分音符を8つ、「いち、にぃ、さん、しぃ」と
刻むときに、ダウンピッキングの「い、に、さ、し」が表拍、
アップピッキングの「ち、ぃ、ん、ぃ」が裏拍。)

そして、初期のヘフナー・ベースと共に、ポールの使用楽器の代名詞であるリッケンバッカー・ベースについて言及したくだり。

~ " つまったような腰のある音色 " !?
こういう書き方をされると、なにそれそれ!?って、耳を傾けたくなる。
純粋に楽曲に対して聴き手の動意を促すような、洗練された文章がもっと沢山あって然るべきだと思います。

「ラバーソウル」以降、ミュート奏法がますます生きてくる時期です。
とくに中期の特徴であるつまったような腰のある音色は、リッケン・ベースに装備されているミュート機構を使用したものです。
(弦楽器には構造上必ず音の伸びない音域(デッド・ポイント)が存在し、リッケン・ベースのデッド・ポイントの多さゆえの苦肉の策との見方も。)
この音色はアルバムでいうと「サージェント・ペパー」で堪能できます。

アイルランドつながりで、ポールによるグルーヴィーな「Give Ireland Back To The Irish」を。

~ Meanwhile Back In Ireland、There's A Man Who Looks Like Me

Tell Me How Would You Like It  どんな気分がするかい
If On Your Way To Work        一生懸命に仕事をしているさなかに
You Were Stopped By Irish Soldiers  アイリッシュの兵士たちに止められたら
Would You Lie Down Do Nothing     おまえは屈服して、何の抵抗もせず
Would You Give In, or Go Berserk     あきらめるのか、それとも狂ってしまえというのか

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