数十年前に音楽関係の企業に勤務していた頃、ゴールデンウィークは出社して事務所でのんびりと働ける期間だった。
各レコードメーカーが休みで電話も少なく、自社に出勤している社員も平日より少ないため、非常に気楽に仕事がこなせた。 自社にて各種イベントやライブがある場合には、問い合わせに応じたり或いはアーティスト本人に対応したりといったことも多かったが、概ね連休期間は「休みのような仕事」で済んでいた。 企業体質はもちろん、部署に依るところが大きいのだろうけれど、現代と比べて非常に悠長な会社員時代を過ごしていたと思う。
ゴールデンウィークは出勤し、多くの方々が働き始める時すなわち「人出が減った五月」に休みをとって色々と遊べたわけである。 これに慣れてしまうと混雑する時期にわざわざ出掛けようとは考えられない。
そのような贅沢な働き方しかして来なかった者だからか、高収入や高ポジションに無縁の身で今日に至る。
思い起こせば就職活動を始めてすぐに、超一流企業と呼ばれる会社の説明会へ行っただけで
「こんな満員電車に毎日乗って通えんわ、無理」
なのであった。
日本各地で通勤ラッシュを頑張って、更に勤務に頑張っておられる大勢の方々に対して恐縮するしかない。