猫ブームと聞くけれど、ブームは作られるもの。 書店へ行くと確かに猫の本が拡大展示されているし、他でも猫のぬいぐるみとかのグッズをよく目にする。 商魂たくましく、ブームを作り出そうとしている感あり。
行きつけの美容室の責任者である女性は筋金入りの猫好きで、長年何匹か飼い続けているのだが、初代は「花ちゃん」と名付けた拾い猫であった。
その「花ちゃん」は既に天寿を全うしたが、まだ娘猫(猫娘ではないゾ)だった或る日のこと。 義理堅い性格の花ちゃん、拾って育ててくれた人間にいつか恩返しをしたいと考えて……いたわけではなかろうが、いつものように餌を貰った後に長時間どこかへ出かけていったかと思えば、庭の真ん中でちょこんと誇らしげにしゃがんでいた。
その足元に置かれているのは立派なニシキゴイ。
どうやら
「こんなの獲ってきましたので、どうぞお召し上がり下さい!」
ということらしい。
さて、飼い主一家は驚くと共に困惑してしまった。 高価そうな錦鯉を慌てて調べてみれば、ほぼ瀕死でどうしようもない。 近所に錦鯉が居そうな家の心当たりがないから、お詫びに走る当ても無い。
結局は動かなくなった鯉をこっそりと庭の片隅に埋葬する破目になった。
お茶目だった花ちゃんの「ニシキゴイ事件」は、我々のような美容室の常連客の間でも語り継がれていくのだろう。
さらに花ちゃんの “お騒がせ遺伝子”はその子猫にまで、という展開が待っている。 それはまた後日。
行きつけの美容室の責任者である女性は筋金入りの猫好きで、長年何匹か飼い続けているのだが、初代は「花ちゃん」と名付けた拾い猫であった。
その「花ちゃん」は既に天寿を全うしたが、まだ娘猫(猫娘ではないゾ)だった或る日のこと。 義理堅い性格の花ちゃん、拾って育ててくれた人間にいつか恩返しをしたいと考えて……いたわけではなかろうが、いつものように餌を貰った後に長時間どこかへ出かけていったかと思えば、庭の真ん中でちょこんと誇らしげにしゃがんでいた。
その足元に置かれているのは立派なニシキゴイ。
どうやら
「こんなの獲ってきましたので、どうぞお召し上がり下さい!」
ということらしい。
さて、飼い主一家は驚くと共に困惑してしまった。 高価そうな錦鯉を慌てて調べてみれば、ほぼ瀕死でどうしようもない。 近所に錦鯉が居そうな家の心当たりがないから、お詫びに走る当ても無い。
結局は動かなくなった鯉をこっそりと庭の片隅に埋葬する破目になった。
お茶目だった花ちゃんの「ニシキゴイ事件」は、我々のような美容室の常連客の間でも語り継がれていくのだろう。
さらに花ちゃんの “お騒がせ遺伝子”はその子猫にまで、という展開が待っている。 それはまた後日。