星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

大正9年の訳詩集です。

2002-03-25 | 文学にまつわるあれこれ(詩人の海)
酒は唇(くち)よりきたり
恋は眼(まなこ)より入(い)る。
われら老いかつ死ぬる前に
知るべき一切の真はこれのみ。
われ盃を唇にあて
おんみを眺めかつ嘆息(ためいき)す。
   (イェイツ「酒の唄」/西条八十訳詩集『白孔雀』より)

 イェイツ先生の肖像は、英国の俳優ジェレミー・アイアンズに似ていて、そんな不純な動機で憧れでした。(眼より入ったわけです)
この詩は知性と幻想の詩人にしてはしっとりとした趣がありますね。
つい最近この西条八十の訳詩に触れたのですがさすがに音楽と詩を知り尽くした人とあって、あのポーの名詩『大鴉』の訳は感激いたしました。それはまたいつかお話するとして、、「眺めかつ嘆息す」るような方を前に盃を傾けるのは、やはり昼日中の宴席ではなくて、お酒の色と灯りの色が同じに見えるくらいの、仄かな暗さが必要でしょうね。。。
おかしな独り言をいってないで、そろそろ寝ます(笑)
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