星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

空間の外---時間の外

2003-04-05 | 文学にまつわるあれこれ(鴉の破れ窓)
 まずは情報から。
 この夏、来日するThe Doors 21st Century。ジム・モリソンがいなくて一体誰が歌うのか、と思ったら、The Cultのヴォーカリストなのだそうです。そしてドラムスで参加は、元policeのスチュアート・コープランド。

 ***

 しばらく前に読んだミステリー「ザ・ポエット」の話を。
 子供が犠牲者となった陰惨な殺人事件を担当していた刑事が、突然死体となって発見される。検死の結果は、自殺。。現場には遺書らしき言葉が残されていた。「空間の外ーー時間の外」・・・刑事の双子の弟であるジャーナリストは、兄の死の謎を探りつづけていくうちに、同じように謎の言葉を遺して死亡した刑事が他にも何人かいることをつきとめていく。彼らが遺した言葉は、いずれもエドガー・アラン・ポーの詩の一節だった。。。

 というわけで、猟奇的な殺人事件にのめりこんでいった刑事たちは、自らも死という暗黒の中へ引き摺りこまれ、悪しき天使たちの誘いから逃れられず、次第に墓所を求めて彷徨いはじめる・・・のだろうか。ポーの詩句はそれほどまでに、禁忌への誘惑に満ちた美しくも残酷な調べをもっているのだろうか、、、と思って、ものすご~く興味津々で読みました。

 が・・・ポーの謎は? 何故に彼はこの詩句を遺書に選んだの? という謎は解けませんでした(笑) でもなかなか面白かったんですけど(ラブストーリーが・・)

 前にマンガに詳しいお友達が「アッシャー家の崩壊がネタになってるよ~」と貸してくれた、木原敏江さんの「水晶と天鵞絨」。ポーの末裔ならぬ、アランポー家の末裔さん(笑)のお屋敷にはガレのランプ、モローのオルフェウスの絵、フュースリの「夢魔」、ルドンの一つ目の絵、それからあのヒビの入った壁、、などなど、背景に書かれてるモノがいちいち面白くって楽しめました。でも、マンガはやっぱり数分で読めてしまうのが勿体無くて、じわじわと首を絞められていくような快感(?)を味わうにはもうちょっと長い方がいいなあ。

 ポーがネタになっているもの、どなたかご存知でしたら、無知な私にお教えくださいませね。

 雨垂れの音、物憂い微熱、、、夜がもっともっとそばへおいでと誘っている。またルー・リードが聴きたくなった。
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