先ごろ厚生労働省が公表した『労働政策審議会労働政策基本部会 報告書 ~急速に変化する社会における、地方や中小企業での良質な雇用の在り方~』は、企業向けに次の5つを提言している。
これらは、地方や中小企業のみならず大企業にも当てはまりそうだ。
1.AIの積極的な導入やDX化による業務効率化の推進
2.人材育成のために経営ビジョンを明確に
3.労働者のニーズに合わせた柔軟な働き方の導入
4.専門人材獲得のために副業・兼業を選択肢として検討
5.「自社を幅広く知ってもらう」ことを考える
中でも「2」の「人材育成」に(その背景として「1」も)関しては、同報告書が労働者に向けても「スキルの見える化」・「リスキリング」・「キャリア形成」を推奨しており、また、地方公共団体に向けてもこれを後押しするよう注文を付けており、国を挙げて取り組むべき重要課題であることを示している。
ところで、この4月から、自己都合離職者が離職前1年以内または離職後に「リスキリングのための教育訓練」を受けた場合には、給付制限なく失業給付(基本手当)を受けられるようになった。
これも、国によるリスキリング推進政策の一環と言える。
また、今年10月からは、「教育訓練休暇給付金」が創設される。 これは、会社の制度として設けられた(就業規則に規定された)教育訓練休暇を取得した労働者に対して、失業給付の基本手当と同じように計算され支給されるものだ。
ただ、この給付金を受けると、それ以前の雇用保険被保険者期間は原則としてリセットされる(失業給付を受けるのと同じ取り扱い)ことには注意を要する。 もっとも、この点については、労働政策審議会においても問題視する意見が出されているので施行前に省令が改正される可能性はある。
一方、会社としても、従業員の能力開発(従来型のアップスキリングに加え、DX化を念頭に置いたリスキリング、あるいはアンラーニング・リラーニング等)を図るための対応を進めていきたいところだ。
上述の教育訓練休暇制度の導入も選択肢の一つであるが、人材開発支援助成金(①教育訓練休暇等付与コース、②人材育成支援コース、③人への投資促進コース、④事業展開等リスキリング支援コース)の活用を考えてもよいだろう。
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