ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

新卒の新入社員にも労働条件の書面明示を

2011-03-23 19:33:20 | 労務情報

 この4月に新規学卒者が入社してくる会社では、彼らの「労働条件通知書」(または「雇用契約書」等)の準備を終えているだろうか。
 労働基準法第15条の定めによって、従業員を採用した際には労働条件を書面で明示しなければならないことは、人事担当者であれば承知しているところであろう。ところが、中途採用者やパートタイマーに対してはこの手続きを実施していても、新規学卒者に対してはおろそかにしてしまっている会社が、実は少なくない。

 「求人票通りの条件だから不要だと思った」というのは言い訳にもならない。「求人票」は言わば「見積書」であって、契約内容の表示とは言えないからだ。
 また、「条件は初給料日までに決める」という話も(往々にしてワンマン社長の口から)よく聞かれるが、それは「対価を約束せずに労務の提供を求める」ということであるので、通用しない。雇い入れるにあたっての具体的な条件は、遅くとも初出社日には示されていなければならないのだ。

 なお、書面の様式は会社の任意であるので、例えば、就業規則に定めてある通りの労働条件であるならば、就業規則そのものを交付するのでも良いとされている。ただし、その場合は、各人ごとに適用される箇所をそれぞれ明確に示す必要があることに注意してほしい。


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転勤命令に育児や家族介護への配慮を

2011-03-19 17:01:05 | 労務情報

 東日本大震災の被害状況や福島原発の事故など、心痛むニュースが報道され続けています。
 無論それらは心配な事には違いありませんが、しかし、それを口実にして、直接の被害を受けていない我々が日常業務をおろそかにしてはいけないと思います。
 我々が今するべきは、“心配”ではなく、“後方支援”であるはずです。具体的には、「義援金を寄付する」という直接的な方法も有りますが、「各自の社会的役割を果たす」という間接的な方法も大事なことだと思います。我々が元気を無くしてしまっては、結果、日本経済全体を沈滞させてしまいかねません。それは被災地の方々も望んでいることではないでしょう。
 よって、今回は敢えて地震や津波や原発や計画停電に触れずに、通常の記事を掲載することにしました。


 4月に人事異動を予定している会社も多いだろう。人事異動は、入退職や昇格に伴う配置転換の目的で行われることはもとより、従業員個々人にはキャリアを積んでもらうことが図れ、また、組織のマンネリ化を防ぐ意味も持つので、大いに活用したい。

 とは言っても、転居を伴う転勤の場合は、慎重を期さなければならない。特に育児や家族介護の必要がある従業員については配慮が求められる。

 判例では、勤務地限定の特約が無い限り、転勤を命じることも会社の経営権の一つとして基本的には認めている。しかし、「業務上の必要性がない場合」、「不当な動機や目的である場合」、「労働者が通常受ける不利益を著しく超える場合」には、権利の濫用として転勤命令を無効としているのだ。特に、3番目の「労働者が通常受ける不利益を著しく超える場合」については、育児介護休業法第26条の「労働者の子の養育又は家族の介護の状況に配慮しなければならない」との規定と相まって、裁判所は会社に厳しい見方をする傾向にある。

 会社の一方的な転勤命令は、裁判に発展し企業イメージを下げるリスクをはらんでいることを認識し、可能な限り転勤命令前に本人の意向を確認する機会を設けるのが今日的な人事管理と言えよう。


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平成23年3月11日~12日の記録

2011-03-13 23:52:33 | 労務情報

 まず、今般の地震と津波で被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。
 未曾有の超巨大地震に直面し、被害が少なかった東京・埼玉においても今後の教訓となる事を経験しましたので、小生の記憶に留めておく意味も兼ねて、日記風に(それこそ「ブログ」の本旨でしょうけど)綴っておきたいと思います。
 そのため、今回の記事は、いつもとはタッチが異なります。ご了承ください。


1.地震発生時
水道橋で研修会開催中に地震発生。
古いビルの9階だったのもあって、部屋全体が上下・前後・左右に大きく揺れる。軽い船酔い。
室内に設置してあった飲料水サーバー(正式名称不明)と2段重ねの書類キャビネットが倒れないように手で押さえていたが、揺れが長く続き、手で押さえているのが危険に思えてきたので手を放そうと思った頃、ようやく揺れが収まった。
ロックしてあった2重サッシの窓が勝手に開き、壁にはヒビが入っていた。他のビルから出てきた人たちがこのビルを見上げていたので、倒壊しそうに見えていたのだろう。
早々にビルから退出した方が良いとの判断から、研修会を中止して解散。
外に出てからも揺れを感じたが、さっきの船酔いが残っているのだろうと思っていた。が、今から思えば、それは余震だったに違いない。

2.事務所まで徒歩
電車が止まっているので、十条の事務所まで歩いて帰ることにした。
タクシーは、その時にはまだ空車を見かけたが、渋滞するのが目に見えていたので使うつもりが無かった。
車なら白山通りをまっすぐ進めば良いのだが、「電車が動き始めたら乗ろう」と考えて、東大前から谷中を抜けて日暮里に出る道を歩いた。
日暮里駅に着いてみると、JRも京成もシャッターが閉まっていて、駅前に人があふれていた。タクシー乗り場は長蛇の列。年配の女性が早く帰りたいようで困り果てていたが、どうにもしてあげられない。
西日暮里へ、そして田端へと歩いたが、どの駅もシャッターを閉めていた。上中里と王子は道を外れて駅を覗くのが無駄足になりそうなので、そのまま東十条まで歩いた。
道中、いずれの道も大渋滞。タクシーを使わないで正解だった。
遠回りをしたことも有って、事務所に着いたのは午後6時過ぎだった。

3.交通機関ストップと確定申告
事務所に戻ると、机の上に山積みしていた書類が崩れて散乱していたが、パソコンやコピー機が倒れることも無く、特段の被害は出ていなかった。
ニュースで「JRは今日いっぱい運転しない」との情報を聞き、車で帰宅するのも大渋滞が予想されるので、事務所で夜を明かすことを決意。
そのお蔭で(と言うのか?)、後回しにしていた所得税の確定申告を完了させることができた。
確定申告に関しては、当初は「還付になるのだから申告期限を過ぎても問題ない」と悠長に構えていたが、“青色特別控除”は期限内申告でないと使えないことに気付き、実は気を揉んでいたところなので、丁度良かった。
床に散らばった書類を片付けつつ必要な証憑資料を整理し、e-Taxで電子申告。24時間対応の「e-Tax」は、こういう時には便利さを実感。年に1度のことなので、使い方を思い出すまでが一苦労だったが。
そう言えば、夜中1時ごろ腹ごしらえに出かけたが、24時間営業のはずの「松屋」は入口に「資材が調達できないため閉店」との張り紙。
「富士そば」が開いていたので、かつ丼を食べる。店内には、そば1杯で居座る女性が3人、別々のテーブルを占拠していたが、店の人は何も言わなかった。電車が動いていない夜道に無碍に追い出すのはさすがに気の毒だと思ったのだろう。

4.翌日の帰宅に関して
京浜東北線は朝7時ごろから動き始めるとの情報を得て7:30ごろ東十条駅に行ってみたが、「最終確認中。運転再開まで30分ほど掛かる。」との話。
駅員に詰め寄る人もいたが、怒ったって電車が動くわけでもないだろうに。一旦事務所に戻る。
9時ごろ再度駅まで行ってみると、電車は動いていたものの「東十条」止まりや「南浦和」止まりが続き、たまに来る「大宮」行きは満員で乗れず。
考えてみれば、昨晩会社などに泊った人たちの帰宅ラッシュなのだ。大宮行きを3本ほど見送ることになり、諦めて再び事務所に戻った。
NTTの電話が通じるようになったので、在宅酸素療養をしている父に連絡をして、無事を確認。土曜日でもあるので、これから坂戸まで行くこととした。
埼京線は遅れていたが混乱は無く、東武東上線は正常ダイヤに戻っていたので、問題なく到着。東上線の車中で睡眠を補う。
父は常時酸素吸入が必要なので心配していたが、落ち着いて避難の準備までしていたので安心した。ただ、酸素取扱業者の話として、停電している地域では「酸素濃縮器」が止まって大変だということを聞いた。
土曜の夜、北浦和に帰宅。京浜東北線のダイヤも通常に戻っていた。
自宅では棚の上の物が落ちたり本箱やカラーボックスの中身が飛び出したりしているのを想像していたが、古新聞の山が少し崩れていた程度。驚くほど損害が無かった。
地震発生時に大宮にいた友人の話では、そんなに大きく揺れなかったとのこと。大宮も北浦和も、思えば事務所のある中十条も、台地の上なので、地盤の固い所は比較的揺れが弱かったのだろうと推測する。

5.顧問先の慰安旅行
金曜夕方、水道橋から十条まで歩く通り道に顧問先があるので、立ち寄ってみた。
けが人はいなかったが、社長はじめ数名の従業員が慰安旅行で東北方面に行っていると言う。取り敢えず「新たな情報が入ったら連絡ください」と言い残して事務所に戻った。
その後、日曜の昼過ぎに全員の無事帰社を確認。
専務(社長夫人)から聞いた話では、松島観光中に地震が発生。船から降りると添乗員がバスに乗るよう指示し、バスで避難して、津波から逃れることができたらしい。
バスの中で一夜を過ごし、新幹線も高速道路も使えないなか、福島県内でバスを乗り継いで、日曜の朝に東京まで戻れたとのこと。
宿泊予定だったホテルは津波に呑み込まれたそうなので、九死に一生を得たというところか。

6.仙台にいる友人F氏へ
仙台市内でクリニックを開業している友人がいる。
クリニックも自宅も高台にあるので津波は来なかったと思うが、被害状況は不明。
仮に人的・物的な損害は無かったとしても、電気や水道が止まっていて大変な状況であることは想像に難くない。
非常に心配しているのだが、電話は論外としてもメールも迷惑になりそうなので、当分こちらからは連絡を控えようと思っている。
もし、このブログを読んでくれたなら、ご家族の安否情報と何か手伝える事が無いか、連絡してほしい。

以上


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親睦会費の給料天引きも労働基準法に抵触する可能性が

2011-03-09 10:36:06 | 労務情報

 従業員の給料から「親睦会費」や「旅行積立金」等を天引きしている会社も少なくないと思うが、その旨を定めた「労使協定」は正しく締結されているだろうか。

 賃金は、税金や社会保険料のような法令で定められているものを除いて“全額”を支払うのが大原則だ。そして、賃金の一部を控除するには(個別同意が無い場合には)、労使協定を締結しなければならないものとされている。(労働基準法第24条第1項ただし書き)
 ところが、この労使協定は…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


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新規採用者の「氏名」と「生年月日」は必ず確認を

2011-03-03 10:42:13 | 労務情報

※お蔭さまで、ブログ開設1周年を迎えました。
 今後も皆さんのお役に立てる記事を書いていきますので、ご愛読のほど宜しくお願いいたします。



 従業員を採用する際に、「氏名」および「生年月日」を確認しているだろうか。
 雇用保険・社会保険に加入する場合や税務処理において必要な情報であるほか、未成年者である場合には雇用形態にも影響することでもあるし、また、そもそも“架空の人物”を雇ってしまうようなことが有ってはならないからだ。
 「本人が履歴書に書いているのだから真実だろう」と信じたい気持ちも分からないではない。が、会社に対する忠誠心どころか帰属意識すらまだ無い応募者をそこまで信用しきってしまうのは危険だ。ましてや…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


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