ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

実質的に男女差別につながる措置とは

2011-12-23 18:18:54 | 労務情報

 さすがに今どき、あからさまに男女差別を肯定する経営者は(少なくとも、それなりの社会的立場に在る経営者の中には)いないと思うが、“実質的”に男女差別につながる制度が残っている会社は、実は、少なくない。

 雇用機会均等法およびその施行規則は、「実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置」として具体的に次の3つを列挙し、合理的理由が無い限り、これらの措置を講じてはならないこととしている。
 (1) 募集・採用にあたって、労働者の身長・体重・体力に関する事由を要件とするもの
 (2) いわゆる「総合職」の募集・採用にあたって、転居を伴う配置転換に応じられることを要件とするもの
 (3) 昇進にあたって、転勤の経験があることを要件とするもの

 無論、これらの措置や制度も、合理的な理由が有るならば違法とはならない。
 例えば、「重量物を運搬する作業」に従事してもらうのに「筋力」を要件とするのは、まったく問題ない。ただし、その場合も、“必要以上”の筋力を求めるのは、合理的な理由とは言えず、実質的に男女を差別しているものとみなされる。
 また、総合職の採用や管理職への昇進に際して「転居」や「転勤」を要件とすることも、業務の性質や事業の運営状況に照らして本当に必要な措置と言えるかどうかが問題となる。

 その措置や制度が設けられている理由が合理的と言えるか否かの線引きは難しいが、「第三者(端的な例を挙げれば“裁判官”)を納得させられること」を一応の判断基準と考えるべきだろう。
 そういった観点から、会社の制度をもう一度チェックしてみては如何だろうか。


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健康・環境分野等への人材育成支援が拡充

2011-12-13 13:57:50 | 労務情報

 ハローワークから支給される「成長分野等人材育成支援奨励金」の支給対象が拡大されている。
 この奨励金は、厚労省が「成長分野等」と呼ぶ「健康・環境分野および関連するものづくり分野」において、その人材育成に要した費用を補助するもの。「成長分野等」には、「情報通信業」、「運輸業・郵便業」、「医療、福祉」、「廃棄物処理業」等が該当するほか、「建設業」や「製造業」等でも健康・環境分野に関連する事業であればこれに含まれる。

 従来は、期間の定めのない労働者を雇い入れた(または他の分野から配置転換させた)事業主が、その雇い入れた(または配置転換させた)労働者にOff-JT(通常の業務を離れて行う職業訓練)を実施した場合に、その費用全額(ただし、大学院利用の場合は上限50万円、それ以外は上限20万円)を支給するというものであったが、今般、これに加えて、他の分野から“移籍”により受け入れた労働者に“OJT”(通常の業務をさせながら行う職業訓練)を実施した事業主に対して、1時間当たり600円を助成することとした。
 ただし、移籍に関しては、「移籍元事業主において1年以上雇用保険被保険者として雇用されていたこと」、「移籍元事業主との間に移籍の同意があったこと」等の細かい支給要件が定められているので要注意だ。

 また、実際にこの奨励金を受給するには、まず「職業訓練計画」を提出して「受給資格認定」を受けた後に職業訓練を実施し、その後に支給申請することになる。
 事前準備が必要であること、奨励金の入金まで日数が掛かることも承知しておく必要があるだろう。

【参考】厚生労働省リーフレット → こちら(PDFファイル)


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短期の契約を繰り返せば年休は発生しないか

2011-12-03 11:40:05 | 労務情報

 年次有給休暇は、6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した従業員に与えなければならない。(労働基準法第39条)
 これは期間を定めて雇用している者も例外ではない。契約期間が6箇月を超える者はもとより、1回ごとの契約期間は6箇月以内であっても契約更新により継続勤務している者も、対象となる。

 では、6箇月以内の雇用契約を一旦終了させて、数日経過してから再び雇い入れた場合は、どう扱われるのだろうか…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


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