ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

業務委託契約への切替えにはデメリットも

2013-02-23 16:55:11 | 労務情報

 「従業員との雇用契約」を、業務内容を変えないまま「個人事業者との業務委託契約」に切り替えることを検討している会社もあるだろう。特に、会社の指揮監督が行き届きにくい「在宅勤務者」が、この対象として目されることが多いようだ。

 個人事業者との業務委託契約となれば、雇用契約とは異なり、会社にとって次のようなメリットがある。
  1.身分保障の義務(解雇制限等)を課されない
  2.社会保険料を負担する必要が無い
  3.有給休暇や残業代が発生しない
 その他、労災事故等への対応や年末調整などの“事務処理負担”を免れるという、直接は目に見えないメリットもある。

 しかし、その一方で、「事業の継続性」の観点から、次のようなデメリットも挙げられる。
  1.会社への帰属意識が希薄になる
  2.ノウハウが社内に蓄積されない(社外に流出する危険性すら有る)
  3.後継が育成できない
 さらに、昨今の訴訟においては、「労働者」の概念が幅広くとらえられる傾向にある。もし裁判所が彼らを「労働者である」とみなした場合、メリットとして上に挙げた項目がすべてそのままデメリットに転じることになる。むしろ、それこそが最大のデメリットと言えるかも知れない。

 業務委託契約への移行には、こういったメリット・デメリット両面を併せ持つことを承知しておくべきであるし、もし採用するならば、形式面だけでなく実態としても、完全に独立した個人事業者として扱わなければならないので、安易に結論を出すことは避けたい。


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「65歳まで雇用義務づけ」に経過措置あり

2013-02-19 19:23:12 | 労務情報

 「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の一部が改正され、今年4月1日から施行される。
 この改正の一番の目玉は、何と言っても「65歳までの雇用義務づけ」だろう。現行法では、会社は、60歳を超えて継続雇用する対象者を労使協定で定めた基準に基づいて選定できることになっているが、改正法はこの例外措置を廃止することとしているので、該当者が希望している限り65歳までは雇用しなければならないことになる。

 しかし、改正法の附則はこれに経過措置を設けており、改正法施行日時点において継続雇用基準を定める労使協定が締結されている企業については、
  (1) 平成28年3月31日までは61歳以上の者に対して、
  (2) 平成31年3月31日までは62歳以上の者に対して、
  (3) 平成34年3月31日までは63歳以上の者に対して、
  (4) 平成37年3月31日までは64歳以上の者に対して、
それぞれ労使協定で定めた基準を引き続き適用して継続雇用の対象者を選定することができる、としている。すなわち、「厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢まで雇用を確保する」ことをもって、“例外廃止の例外”を認めているのだ。

 まだ労使協定を締結していない企業において、継続雇用の対象者を選定することに合理性があり、かつ、労使間の協議が整いそうであるなら、3月中に労使協定を締結するべく、急いで基準の検討を始めるべきだろう。
 とは言うものの、現行就業規則の規定によっては不利益変更になる可能性もあり、さらには、会社への不信感をも招きかねないので、拙速な対応は避けるべきだ。


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派遣事業の許可基準は事業所ごとに満たす必要あり

2013-02-13 19:24:52 | 労務情報

 一般労働者派遣事業(いわゆる「登録型派遣業」)の許可基準が改正されて3年を経過した。新基準は、「基準資産額(資産額-負債額)が1事業所あたり2000万円以上(旧基準では1000万円以上)であること」、「現金・預金の額が1事業所あたり1500万円以上(旧基準では800万円以上)であること」等、それまでよりも厳しい内容となっている。
 この改正にあたって、既に許可を受けていた派遣事業者については平成22年4月1日以降に到来する許可期限までは新基準を適用しないとする経過措置が講じられたが、事業所を増設しようとする場合には、その事業所については新基準を適用することとされた。

 このことが理由であったかどうかは不詳だが、先ごろ、従業員4200人、登録スタッフ5000人を数える派遣事業者(本社:大阪市)が、東京を含む全国各地の事業所増設に際し、適切な届け出を行っていなかったとして、大阪労働局から改善命令を受けた。
 しかも、それが厚生労働省サイトに公表されたため、件の派遣事業者にとっては、顧客企業や金融機関をはじめとする取引先に対してはもちろん、従業員や登録者に対しても、会社のイメージを大きく損ねる事態となった。中でも登録者に悪印象を与えることは、派遣労働者の数・質を低下させることに直結するため、派遣事業者にとっては致命的とも言える。

 派遣事業を営んでいる会社はこれを他山の石とし、自社の体制を、新基準に則して見直しておくべきだろう。一方で、派遣労働者を受け入れている会社では、取引している事業所に関して適切な届け出がなされているか、再確認しておきたい。
 なお、経過措置は今年3月末日をもって終了し、4月以降は新基準が完全実施される。


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仕事上のミスを理由に懲戒解雇は可能か?

2013-02-03 23:14:05 | 労務情報

 人は誰しもミスをするものだ。
 しかし、そんなことは先刻承知でも、それが重大なミスだったりすると、経営者としてはその従業員に辞めてもらいたくもなる。
 その気持ちも分からないではないが、短気を起こしていきなり解雇してしまうと、トラブルとなり、結果的に会社が有形無形の損害を被ることにもなりかねない。そういう場面でこそ、経営者として、冷静かつ慎重な対応が求められるのだ。

 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められなければ、無効だ(労働契約法第16条)。これは、普通解雇に限らず、懲戒解雇であっても適用される。
 そのため、いくら重大なミスであっても、以下のようなケースでは、解雇するのは難しい…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。