ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

ブログ更新期日の変更と掲載記事の一部削除について(ご案内)

2013-12-29 23:46:19 | 労務情報

当ブログは、「3の付く日」と「9の付く日」に更新してきましたが、
諸事情により、平成26年1月以降は、
原則、「3の付く日」のみの更新とさせていただきます。

また、過去に掲載した記事につきまして、
これまた諸事情により、一部を削除させていただく予定でおります。
削除作業は年明けから順次(順不同)進めていきますので、
もし必要な記事がありましたら、
お早めに保存しておかれることをお勧めいたします。

ご愛読者諸兄にはご迷惑をお掛けいたしますが、
よろしくご了解のほど、お願い申し上げます。



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諭旨解雇も懲戒処分の一種

2013-12-23 21:59:45 | 労務情報

 この秋、某有名司会者の二男が勤務していた在京テレビ局を諭旨解雇(ゆしかいこ)されたという話題が世間をにぎわせたが、この「諭旨解雇」について正しく理解できていない人も少なからずいるように感じたので、ここで簡単に解説してみたい。

 「諭旨解雇」は、「退職願の提出を勧告する(応じない場合は懲戒解雇に付する)」という、会社が従業員に科す制裁の一つだ。本人の意思で退職させる形を採るので「懲戒解雇」よりは軽いとは言え、「懲戒」には違いない。
 したがって、予め諭旨解雇に該当する事由を就業規則等に明記しておく必要があるし、実際に制裁を下すに際しては、行為と処分との関係において妥当なものでなければならない。

 さらには、会社が“懲戒権”を有するのは職場秩序を維持するためであり、従業員の私生活における行為についてまで会社が当然に懲戒できるわけではないことも、理解しておく必要があるだろう。これに関しては「業務外における飲酒運転を理由とする懲戒解雇」を無効とする判決(福井地判H22.12.20など)が相次いでいることも参考にしたい。
 もっとも、今般話題になった事件は、勤務先の名前が公になり会社に損害を与えたことや他の従業員に与える影響等も考慮すれば、諭旨解雇が相当だったと言えるが。

 ところで、単なる「退職勧奨」と、懲戒処分としての「諭旨解雇」とは、何が違うのだろうか。
 まず、退職金の計算が異なる。退職勧奨の場合は通常の退職金が(むしろ加算金が付く場合も)支払われるのに対し、諭旨解雇の場合は退職金を減額することとしている会社が多い。ただ、これも、「永年の勤続の功労を抹消してしまうほどの信義に反する行為があった場合」(大阪高判S59.11.29など)にのみ減額できると考えなければならない。
 それから、一部に誤解している向きもあるようだが、雇用保険手続きにおける離職事由が異なる。退職勧奨に応じての離職は「事業主都合」となるが、諭旨解雇は「重責解雇」なので「自己都合」と同じ扱いとなるのだ。
 まれに、制裁メニューに「諭旨解雇」の無い会社で、「懲戒解雇では重すぎる」という事案に対して「退職勧奨」が行われる例が見受けられる。確かに、一方的に懲戒解雇するよりも「合意退職」の形にしておいた方が無難であるため「退職勧奨」を用いるケースもあるが、「諭旨解雇」とは趣旨も手続きも異なることは承知しておくべきだ。

 そもそも「諭旨解雇」は、その従業員を職場から排除するという点で「懲戒解雇」と変わらないほどの重い処分と認識しなければならないのだ。


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年次有給休暇の取得日を会社が指定するには

2013-12-13 17:09:38 | 労務情報

 労働基準法第39条に定める年次有給休暇(慶弔休暇などの「有給の特別休暇」と区別して、本稿では「年休」と呼ぶ)は、原則として、労働者が請求した時季に与えなければならない。
 しかし、会社としては、“忙しい時に”、“突然”、“連続して”、休まれてしまうのは、頭が痛いところだろう。確かに、会社は、事業の正常な運営を妨げる場合には請求された時季を変更できるとされてはいるものの、この「会社の時季変更権」は、ごく限られたケースでしか行使できないと認識すべきだ。

 そこで、活用したいのが、「年休の計画的付与」だ…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


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インフルエンザ流行への対応準備は?

2013-12-09 09:29:04 | 労務情報

 今年もインフルエンザ流行シーズンが近づいている。現時点での全国感染患者数はまだ少ないが、一昨年は第49週(平成23年12月5日~)、昨年は第50週(平成24年12月10日~)で「インフルエンザ流行開始」の宣言が発せられているので、そろそろ準備を始めておきたい時期だ。

 会社として行うべきインフルエンザ対策は、大きく「従業員に向けての対策」と「事業運営に関わる対策」とに分けられる。
 従業員に向けての対策としては、「ワクチン接種の奨励」や「手洗い・うがい・咳エチケットの徹底」といった、予防や感染防止に関する呼び掛けを中心とした活動が必要だろう。
 一方、事業運営に関わる対策としては、「従業員本人や家族が感染した場合の出勤見合わせ等の手続きルール」や「従業員が多数感染した場合やパンデミックで交通機関が遮断された場合等における事業活動の維持継続案」といった、いざと言うときに備えたプランを予め検討しておくべきだ。
 こういったことをインフルエンザが流行し始めてから“泥縄”で考えたのでは対応が後手に回りがちであるし、実際にかかる事態下において対策を検討するのに充分な人的資源が会社に残されているかも心配だ。なお、4年前の新型インフルエンザ流行時にこれらを策定した会社もあるだろうが、大震災の教訓も踏まえて、それらを再点検しておくべきだろう。

 もちろん、相手が病気の話なので必ずしもこちらで予想した通りに流行するものではないが、それは、臨機応変に対策を変更できる柔軟性を持たせておけば良いことであって、事が起きてから対策を一から考えるのとでは比にならない。
 また、何よりも、平時よりそういう危機意識を持っておくことが、会社経営にとって肝要なのではなかろうか。


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兼務役員の雇用保険加入、監査役の場合は?

2013-12-03 20:48:06 | 労務情報

 会社の取締役は、基本的には労働者でないので、雇用保険には加入しないのが原則だ。しかし、取締役であっても、同時に「部長」・「支店長」・「工場長」など従業員としての身分を有し、「賃金」を受けている者は、その部分については「労働者」であるので、雇用保険の被保険者となる。
 この点に関しては「兼務役員は雇用保険に加入することが“できる”」と認識している人も少なくないが、労働者である以上、雇用保険に加入するか否かを本人や会社が任意で選択できるわけではない。

 具体的な兼務役員の雇用保険加入手続きとしては、管轄ハローワークに『兼務役員雇用実態証明書』を提出して被保険者資格を取得することになる。その際には、「現に従事する(労働者としての)職務内容」と「役員としての担当業務」ならびに「賃金額」と「役員報酬額」を、明確に区分しておかなければならない。

 ところで、まれに、「監査役」が「総務部長」を兼務しているといった会社を見掛けることがある。会社法第335条は「監査役は使用人を兼ねることができない」と定めているので通常はありえない形態だが、旧商法は「株式会社」には「監査役」を置くことを義務付けていたこともあって、特に同族経営の会社でこういうケースが見受けられる。こうした場合、雇用保険の扱いはどうなるのだろうか。
 実は、監査役が同時に従業員身分を兼務するケースであっても、その労働者部分については雇用保険に加入することになる(S.34.1.26 基発48号)。ただし、これは、労働者を保護するための措置であって、会社法違反の状態を行政当局が是認したと理解すべきではない。

 ちなみに、取締役であれ監査役であれ、離職した場合に失業給付を受けるには、その登記を外さなければ「失業」と認定されない。実務においてはこのことも覚えておきたい。


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