ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

労働者死傷病報告の様式変更(4月1日~)

2010-03-29 13:11:33 | 労務情報
 労災事故で従業員が死亡または休業したときは、所轄労働基準監督署に『労働者死傷病報告』(様式23号または様式24号)を提出しなければならないが、このうち様式23号(死亡または休業4日以上の場合に提出)は、平成22年4月1日から変更される。
 →厚生労働省の案内

 具体的には、派遣労働者が被災した場合に記入する「派遣先事業場の名称」に加えて、「派遣先事業場の“郵便番号”」の欄が設けられる。
 たったそれだけのことなのだが、この用紙はOCRで読ませているため、派遣労働者の有無にかかわらずすべての事業場が4月以降は新様式を用いて報告しなければならない。また、事故発生が3月以前であっても、報告が4月以降になるなら旧様式は使えなくなるので、その点にも注意が必要だ。

 今回の様式変更は、“派遣先”からの『労働者死傷病報告』提出率が低いことが背景にある。派遣労働者が被災した場合には、派遣元および派遣先の双方から労働者死傷病報告が提出されるべきなのだが、派遣元からの提出件数に比べて、派遣先からの提出件数が極端に少ないことが指摘されてきた。
 派遣先の郵便番号を記入するようになると、派遣先を管轄する労働基準監督署が特定できる。これは、再発防止指導を強化する狙いもあるが、報告そのものを厳格化することも目的の一つと言える。

 労働者死傷病報告を提出しないのは“労災隠し”であって、労働安全衛生法に罰則まで定められている。「知らなかった」では済まされないので、特に派遣労働者を受け入れている会社は注意しておきたい。
 無論、こんな報告はしないで済む(=労災事故が発生しない)に越したことはないのだが。


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一般派遣業の許可更新に新基準適用

2010-03-23 09:29:27 | 労務情報
 一般労働者派遣事業(いわゆる「登録型派遣業」)の許可基準が、平成21年5月から改定されている。
 新規の許可申請は既に新しい基準で審査されているが、この4月1日からは、現に許可を受けている業者の更新申請にも新基準が適用されるようになるので、注意しておきたい。

 新基準は、「資産要件」および「派遣元責任者の要件」について、次のとおり、従来より厳しいものとなっている。
  1.「基準資産額(資産額-負債額)」が、1事業所あたり2000万円以上であること
   (従来は1000万円以上)
  2.「現金・預金の額」が、1事業所あたり1500万円以上であること
   (従来は800万円以上)
  3.「派遣元責任者」は「雇用管理経験が3年以上の者」に限ること
   (「職業経験」や「派遣労働者としての業務経験」を加味した緩和要件をすべて廃止)
  4.「派遣元責任者」は「派遣元責任者講習」を3年以内に受講していること
   (従来は5年以内)
  ※詳細は厚生労働省のサイトを参照:
   http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/dl/kyokakijyun.pdf

 今般の新基準適用によって、今後は許可更新できない派遣業者があるかも知れない。
 派遣労働者を受け入れている企業は、他の派遣業者を探したり直接雇用を検討したりしなければならない事態も想定しておく必要があるだろう。


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長期雇用契約のメリット・デメリット

2010-03-19 10:20:21 | 労務情報

 雇用期間をあらかじめ定めて雇用する場合は、一部の職種・年齢層を除き「3年間」を超える契約は無効となるが、最長の3年間とすることが必ずしも望ましいとは限らないので注意を要する。

 長期の雇用を約束することは、「労働者の技能習熟」、「帰属意識の醸成」、「職場内の人間関係構築」等、さまざまな面でメリットは多い。
 また、1年ずつの契約を更新して3年を経過した場合には次の契約を締結しない(いわゆる「雇止め」)のに「解雇」と同等の事由が必要となるのに対し、初めから3年契約であれば、その年限が近づいた時に次の契約をどうするかを考えれば良いので、「労働力の調整弁」としては中長期的には融通性が高いと言える…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


出張先への往復時間は就労?不就労?

2010-03-13 17:18:35 | 労務情報
 従業員を出張させる場合、その往復時間を就労・不就労のどちらで扱うかを迷うことがある。
 ただし、ここで問題にするのは、“自宅から直行または自宅へ直帰する場合の移動時間”であって、“一旦出社した後に用務先に向けて移動する時間”や“用務先から別の用務先まで移動する時間”は一般的には業務(=就労時間)となる点は予め承知しておかれたい。

 移動時間中は、通常は(移動中に行うべき業務を指示していない限り)、労務の提供を受けないので、会社は移動時間を就労として扱う義務は無い。判例も「通勤時間と同じ性格を持つ」(S46.1.29横浜地判など)という認識であり、労災事故が発生した場合も「“通勤途上”での災害」として扱うことになっている。
 就業規則に「最初の勤務地に到着した時から最後の勤務地を出発した時までを就労時間として扱う。」と定めておけば良い。

 しかし、この考え方は、法律上は正しくても、勤怠管理の面から考えると問題が無いわけではない。
 と言うのは、移動時間を“不就労”として扱うならば、所定始業時刻までに用務先に到着していなければ“遅刻”扱いとする理屈だからである。もちろんそれで誤っていないのだが、その扱いには従業員から反発が出るであろうことも考えなければならない。

 そこで、先の就業規則の規定に続けて、「ただし、所定始終業時刻において現に移動途上に在る場合には、遅刻または早退の扱いをしないものとする。」と追記しておくことをお勧めする。つまり、「出張先との往復時間は原則として不就労扱いとするが、遅刻や早退の扱いに際しては事情を配慮する」ということだ。
 これが現実的な解釈に最も近く、実務上も使いやすい規定になると思う。

 なお、出張の性格等によっては“みなし労働時間”を適用することが可能な場合も有るが、それについては別の機会に説明することとしたい。


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休職命令は慎重に

2010-03-09 13:35:17 | 労務情報

 就業規則に「休職期間が満了してもその事由が止まない場合には自動退職とする」と定めている会社は多いが、この「休職期間満了による自動退職」の無効を求めて訴訟にまで発展するトラブルが頻発している。

 そもそも「休職」というのは、労働者が労務の提供ができない状態になった時に、本来なら「解雇」されるところであるが、その事情が一定期間を経過すれば消滅する可能性がある場合に、その一定期間は「解雇を猶予する」ということが基本的な意義だ。
 したがって、会社が休職を命じるに際しては、その事由がそもそも「解雇」に相当するかどうか、慎重に見極めておく必要がある…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


競業避止義務について就業規則に明文化を

2010-03-05 16:31:26 | 労務情報

※ブログ開設早々の不規則更新で申し訳ありませんが、
 ネタ(&ヒマ)があるのに次の更新予定日まで待つことも無いと思って。


 言うまでもなく“情報”や“独自ノウハウ”は、会社の財産である。これらが社外に流出しないよう、「機密保持」についてはもちろんであるが、「競業避止」についても、従業員の義務として就業規則に規定しておきたい。さらには、誓約書を提出してもらえれば、なお望ましい。

 従業員が在職中に会社の許可を得ず競業に関ることは、それ自体、信義誠実に悖る行為であるので、明文の禁止規定が無くても懲戒の対象とすることができる。
 問題は、“退職後”の競業行為についてだ。会社としては退職者にも競業避止義務を負わせたいところではある。しかし、通常は、退職すれば労使間の権利義務関係は消滅するので、退職後の行為についてまで会社が制限することはできない。
 では、当事者間に特約が有ればどうか。就業規則や誓約書に競業避止が規定されていればそれが優先されるようにも思えるが、裁判所の判断は必ずしも会社の主張を認めていない。在職中の立場や職務内容・競業避止期間や地域の限定・代償措置等を総合的に勘案することになるので、会社にとってはハードルが高いと言える。

 しかし、以上のことを踏まえたうえでも、敢えて、在職中および退職後の競業避止義務を就業規則に盛り込んでおくことをお勧めする。特約が無ければ訴訟の土俵にすら上がれないこともあるが、それ以上に、目的は「訴訟に勝つこと」でなく「機密を守ること」にあるわけで…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


労基法改正に向けての準備は始めていますか

2010-03-03 17:10:31 | 労務情報
 4月1日から改正労働基準法が施行される。すでに社内制度を整え終わった会社が見られる一方で、まだ準備にすら取り掛かっていない会社もあるようだ。

今回の改正点は、主に次の3つが挙げられる。
1.時間外労働の割増賃金率引上げ (※中小企業には当分の間、適用を猶予)
 (割増率引上げに代わる有給休暇の制度を導入することも可能)
2.時間外労働削減のための努力義務
 (これに関連して『特別条項付き時間外労働協定』には割増率の明記を義務付け)
3.年次有給休暇を時間単位で取得することが可能に
 (労使協定の締結が必要)

 これらのうち特に「3」の時間単位年休の導入については、労働者側にも使用者側にもそれぞれ賛否両論があり、意見の調整に時間を要することも予想される。改正法施行までもう1ヶ月を切り、少なくとも会社側としての方針は決めておかなければならない時期と言える。そして、導入する方向で考えるなら、それを労働者側へ投げかけておかなければならない。一方、「導入しない」とするのも会社の考え方次第だが、その場合には労働者の納得を得られる理由付けが必要となろう。
 いずれにしても、法改正間際になって、労働者からの突然の要求や質問に慌てるようなことだけは避けなければならない。


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