ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

管理監督者からは欠勤控除できない?

2012-10-23 21:03:22 | 労務情報

 労働基準法第41条は、管理監督者には労働時間等に関する規定を適用しない旨を定めている。ここで言う「管理監督者」とは、社内で呼称される「管理職」とは意味が異なり、「経営者と一体的な立場にある者」(昭22.9.13発基第17号)を指すが、この管理監督者に該当すれば、時間外労働に従事しても会社は割増賃金を支払う義務は無く、その反面、管理監督者には出退勤に自己の裁量が認められるとされる。

 しかし、「出退勤に自己の裁量が認められる」とは言っても、法は「“労働時間”に関して適用除外」と定めているに過ぎず、終日出社しないことまで本人の裁量を認めているわけではない。
 したがって、管理監督者であっても、会社は「出社」を命じることができ(ただし「遅刻」や「早退」という概念は無い)、欠勤した場合には不就労分を賃金から控除することも許される。「勤務日数の3分の1を出社しなかった管理監督者を懲戒解雇した会社側処分は有効」と認めた裁判例(東京地裁H22.11.17判)は、欠勤控除を直接争点に置いたものではないが、参考にはなりそうだ…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

改正派遣法「日雇い・短期派遣の禁止」に関する誤解

2012-10-13 22:28:21 | 労務情報

 労働者派遣法改正案は、足掛け5年(この間に政権交代あり)に及ぶ紆余曲折を経て今年3月に衆参両院で可決され、この10月1日から(「直接雇用申し込みとみなす制度」についてのみ3年後から)ようやく施行された。

 今回の改正点のうち、派遣労働者を受け入れる側として特に注意しておくべきなのは、「日雇い派遣を含む短期派遣の原則禁止」についてだろう。
 これは、日々または30日以内の期間を定めて雇用する労働者の派遣を禁止するものであり、“ワーキングプア”解消策の一つとして当初から盛り込むことを前提で審議してきた、言わば“改正法の目玉”だ。

 この件に関しては一部に誤解されている向きもあるようだが、今般禁じられたのは、あくまで“労働者派遣”についてであって、会社が“直接雇用”するのであれば、日雇いや短期での労働契約自体が違法となるわけではない。
 ただし、会社が直接雇用する場合は、単に賃金を直接支払うだけでなく、当然、雇用に伴うリスク(雇い主に課せられる各種の法的義務や民事上の使用者責任等)も発生することは承知しておくべきだが。

 また、短期派遣のすべてが禁止されたわけでもない。次の3種類に該当する場合は、例外的に短期派遣が許されている。
  (1) 専門性の高い業務として政令が定める18業務
  (2) 60歳以上の者
  (3) 昼間学生・生業収入のある者・主たる生計者でない者(いわゆる「アルバイト」)

 これまで労働者派遣を利用してきた業態においては、こういったことを正しく理解したうえで、「今後労働力をどのように調達していくか」を考えなければならない。なお、その際には、先ごろ公布された労働契約法の改正項目やパートタイム労働法の改正に向けての動き等も踏まえておく必要があるだろう。


※この記事はお役に立ちましたでしょうか。
 よろしかったら「人気ブログランキング」への投票をお願いいたします。
 (クリックしていただくと、当ブログにポイントが入り、ランキングページが開きます。)
 ↓



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

業務外で飲酒運転した従業員を会社が懲戒できるか

2012-10-03 18:27:18 | 労務情報

 従業員が飲酒運転で事故を起こしてしまったような場合に、その従業員に対して会社が懲戒を科すことができるのだろうか。無論、業務中の行為であれば当然懲戒すべきであるので、ここでは業務外での飲酒運転に限って考えることとする。

 会社は、人事権の一環として“従業員を懲戒する権利”を有するものとされている。しかし、その根拠は「企業秩序を維持確保するため」(最三小S52.12.13判など)なのだから、企業秩序に関係の無い“私的行為”は懲戒の対象とはならないのが原則だ。
 「業務外におけるバイクの飲酒運転で事故を起こした従業員を会社が懲戒解雇した事案」について解雇を無効とする判決(福井地H22.12.20判)や、このところ相次いで出されている「公務員の飲酒運転を理由とする懲戒免職」を無効とする判決は、この立場を再確認したものと言える。

 しかし、一方で裁判所は、「会社の社会的評価に及ぼす悪影響が相当重大である場合には懲戒が可能」(最二小S49.3.15判)との判断基準も示しており、私的行為であっても「会社に与えた損害の程度」によっては懲戒できる場合があることを認めてもいる。
 裁判所が懲戒解雇を肯定した例としては…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする