ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

「接客を伴う飲食店」に違和感 [個人的感想]

2020-07-13 16:59:03 | 労務情報

 このところ東京都内での新型コロナ感染者が200人/日を超える日が続いている。 しかも、その約半数が20代~30代で、いわゆる「夜の街」の関係者(端的に言えばキャバ嬢やホストたち)とのことだ。

 ところで、この「夜の街」という表現が曖昧で分かりにくいためか、このニュースを報じるマスメディアが「接客を伴う飲食店」と言い換えているのを見聞きすることがある。
 しかし、「接客を伴う飲食店」って、普通の(店員さんのいる)飲食店ならすべて“接客”を伴うのではなかろうか。 逆に「接客を伴わない飲食店」というのは無人の自販機食堂のようなものしか思い当たらない。

 おそらく(推測の域を出ないが)、メディアは「接待を伴う飲食店」と言いたいところ、“接待”というのが分かりにくいので、「接客を伴う飲食店」という用語で代用したのだろうと思われる。
 確かに、一般に「接待」と聞くと、「取引先を接待する」とか「公務員を接待してはいけない」とか、あるいは「接待ゴルフ」・「接待麻雀」のように、(多くは自分が)相手をもてなすことを意味する場合が多い。

 しかし、飲食業において接待とは、「(店の人が)歓楽的雰囲気を醸し出す方法により(来店した)客をもてなすこと」(風俗営業法第2条第3項)とされ、具体的には、特定の客のために談笑したり体を密着させたりすることを言う。
 文字通り「接し、はべる」のが「接待」であって、大雑把に「店の人が客席側に座るのが接待」と理解しても、大きく外れてはいまい。
 これを行う飲食店は、風俗営業許可を取らなければいけない。
 逆に、風俗営業許可の無い飲食店では、お酌したり(ただしボトルから最初の1杯だけグラスに注ぐのはOK)、デュエットしたり(グレーな店も多そうだが)というのは禁止されている。

 なので、マスメディアには、正しく「接待を伴う飲食店」と言ってほしい。
 もし「接待」という用語が視聴者の誤解を招きそうなら、それを解説する時間を設けるなど工夫するのもマスメディアの役割なのではなかろうか。
 特に日本放送協会(NHK)は、その『国内番組基準』(制定:昭和34年7月21日;直近改正:平成10年5月26日)第11項「表現」の1号に「わかりやすい表現を用い、正しいことばの普及につとめる」と書いてあるくらいなのだから。

 その労を惜しんで簡単に「接客を伴う飲食店」と言い換えてしまうと、「接し侍らない(普通の)飲食店」(そのほとんどが店員のマスク着用等、感染防止に最大限の努力を払っている)の客足にも悪影響を及ぼしかねない。 新型コロナウイルスが終息したわけではないので油断は禁物だが、必要以上に危機意識を煽るのも、メディアの姿勢としては甚だ疑問だ。
 国の言う「新しい生活様式」を心がけつつ、少しずつ日常を取り戻していくようにするべきと個人的には思っている。


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“残業代込み”での賃金設定

2020-07-03 13:59:11 | 労務情報

 「残業代込みで月額○万円」という賃金を提示して従業員を採用する会社がある。
 それ自体が即違法というわけではないのだが、一つ間違えると違法となりうる可能性が高いので、以下の諸点をよく理解しておいてほしい。

 まず、労働条件は必ず書面で通知することとし…‥


※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  

従業員休業の種類(用語の整理)

2020-06-23 18:59:23 | 労務情報

 今般の新型コロナ関連で、従業員自らが会社を休んだり会社が従業員を休ませたりしている職場も多い。
 しかし、用語の意味を正しく理解していない(と思われる)例も(ネット上は言うに及ばず一部マスメディアでも)見受けられるので、以下に整理しておく。

A:(通常の)欠勤
 疾病や私用等、本人の都合で欠勤すること。 特約の無い限り、ノーワーク・ノーペイ。
 それが「無断欠勤」であったら、事情によっては懲戒の対象ともなりうるが、今般の新型コロナに関しては、会社に連絡できないほどの体調不良であるケースも想定しておく必要があろう。

B:年次有給休暇の取得
 社内ルールに則り、年次有給休暇を取得する。 通常の賃金(またはそれに準じる額)が発生する。
 事業の正常な運営を妨げる場合には、会社は、請求された時季を変更することができる。

C:子の看護休暇・介護休暇の取得
 小学生以下の子(養子等を含む)の看護または介護を要する家族の介護のために休業する。
 特約の無い限りノーワーク・ノーペイで差し支えないが、それを上回る不利益取り扱いは禁止されている。

D:特別休暇の付与
 特定の事情がある場合に、年休とは別に休暇を与えることができる(与えなくてもよい)。
 有給とするも無給とするも会社ごとに決めるべきものだが、「慶弔休暇」は有給としている例が多い。
 ちなみに、今般の新型コロナ関連では、小学生以下の子の世話をするため欠勤した従業員に対し特別有給休暇を与えた事業主は「小学校休業等対応助成金」の対象となる可能性がある。

E:自宅待機
 会社が「自宅で待機せよ」という業務命令を発するものであり、通常の賃金が発生する。
 業務命令であるので、「常時連絡が取れる状態にしておくこと」、「必要があれば出社すること」等を命じることも可能。

F:休業命令(長期に及ぶ場合は「一時帰休」とも呼ばれる)
 労働者を休業させ(賃金は不支給)、その事由が使用者の責に帰すべき場合は、労使で合意した額の休業手当(労働基準法で「6割以上」とされている)を支給する。
 「自宅待機」とは異なり、休業中の行動は、原則として制限されない。
 支払った休業手当については、「雇用調整助成金」の対象となる可能性がある。

G:年次有給休暇の時季指定
 年次有給休暇は、本来、労働者が請求するものだが、以下の方法により、会社が時季を指定することも可能。
   (1) 就業規則に基づく時季指定(取得日数が年間5日に満たない場合)
   (2) 労使協定に基づく計画的付与(本人が5日以上を取得できる余地を残した範囲で)
 いずれも、予め、就業規則に規定し、または労使協定を締結しておく必要がある。

H:一時解雇(レイオフ)
 再雇用を前提として一時的に解雇すること。 誤解されやすいが、Fの「一時帰休」とは異なる。
 米国では一般的だが、日本では「整理解雇」の一形態として位置づけられる。

 なお、その他の休業(産休・育児休業・介護休業・公民権行使休暇・公傷休暇等)については、ここでは説明を省略する。


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家族手当は平等に支給されていますか?

2020-06-13 09:59:07 | 労務情報

 家族手当を支給する会社はまだ多い。
 社会全体の傾向としては“属人給”から“仕事給”へウェイト付けが移行しつつあるが、他の属人的な諸手当(住宅手当等)と比較して、家族手当を廃止するには抵抗の有る会社も多いのであろう。

 賃金には「労働の対価」というだけでなく「労働者やその家族の生活を支える」という意義も有るので、家族手当を支給すること自体に問題は無い。しかし、その支給方法が適正であるかどうかは、再度チェックしておきたいところだ。
 特に、「男女差別の温床となっていないか」には注意を払っておく必要がある。

 さすがに今時「家族手当は既婚男子に支給する」と規定している会社は無いだろうが、「世帯主に支給する」と規定してはいないだろうか。
 一見これならば男女を差別していないようにも思えるが…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  

60歳以上の賃金低下は「同日得喪」の活用を

2020-06-03 19:59:02 | 労務情報

 賃金が減額された場合の社会保険料は、減額月以降3か月間の賃金の平均額から算出し、その翌月から改定する(「随時改定」と呼ばれる)のが原則だ。

 しかし、このルールに従うと、定年後の再雇用にあたって賃金が大幅に減額された場合でも4ヶ月間は従前どおりの保険料が課されてしまう。また、標準報酬月額表で2等級に満たない賃金低下の場合は、そもそも随時改定の対象ではない。
 そのため、これらの負担を軽減させる趣旨で、特例措置が設けられている。

 社会保険(健康保険および厚生年金保険)の被保険者が定年後に1日の空白もなく継続雇用される場合には、いったん資格喪失届を提出し、同時に、新たな標準報酬月額による資格取得届を提出することができるのだ。
 こうすることで、賃金が低下した月から社会保険料も減額されることになる。

 ところで、この制度は、被保険者が満60歳以上であれば、必ずしも「定年」でなくても同じ取り扱いをすることとされている。
 例えば、「定年直後の再雇用契約では定年前と同じ賃金額だったが、3年後の契約更新にあたって賃金が低下した」というケースでも、使えるのだ。

 なお、この「同日得喪」は「しなければならない」というものではなく、使うかどうかは任意だ。
 傷病手当金の日額や在職老齢年金の支給停止額にも影響する話なので、(会社としては社会保険料の負担額を削減したいところではあろうが)本人の意向も踏まえたうえで処理を進めたい。


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年次有給休暇取得中にも通勤手当の支給義務あり

2020-05-23 10:31:34 | 労務情報

 年次有給休暇はその名のとおり「給料の出る休暇」であるので、正当に有休を取得した従業員には、“通常の賃金”を支払わなければならない。
 その“通常の賃金”は、
  (1)「所定労働時間を勤務した場合の賃金」
  (2)「平均賃金(直近3ヶ月間の賃金総額をその期間の総日数で割った額)」
  (3)「健康保険法99条に定める標準報酬日額」(労使協定を締結する必要あり)
の3通りのうちいずれかの方法で計算されるが、意外な盲点として、いずれにも“通勤手当”が含まれている点には注意を要する…‥


※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


「介護休暇」・「子の看護休暇」の時間単位取得に関する注意点

2020-05-13 12:59:23 | 労務情報

 育児介護休業法施行規則が改正され、令和3年1月1日から、「介護休暇」と「子の看護休暇」(以下、本稿ではこれらを「介護休暇等」と総称する)が時間単位で取得できるようになる。
 現行制度において、介護休暇等は、対象家族1人の労働者には年間5日、対象家族2人以上の労働者には年間10日を、1日単位または半日単位で与えるものとされているのを、来年からは、1時間単位に刻んで与えなければならなくなるのだ。

 これに関しては、いくつか注意点がある。

 まず、新制度では、介護休暇等を1時間を超える単位(例えば「2時間単位」)で与えることにしてはならない。
 その逆に、1時間未満の単位(例えば「30分単位」)で与えることにするのは、法の定めを上回る制度であるため、問題ないものとされる。(以下、本稿における「時間単位」の用語は「時間(またはそれ未満)単位」の意と理解されたい)

 また、現行制度でも1日単位か半日単位かは労働者が選択できるのと同様、新制度でも、労働者の希望する時間数で取得できるようにしなければならない。

 それから、改正省令は、介護休暇等の時間単位取得により「始業時刻を時間単位で遅らせる」または「終業時刻を時間単位で早める」ことを趣旨とし、いわゆる「中抜け」(就業時間中に時間単位の休暇を取得するもの)までは求めていない。この点が、「年次有給休暇の時間単位取得」と取り扱いを異にするところだ。
 無論、中抜けによる介護休暇等の時間単位取得を容認するとしても、(法の定めを上回るので)差し支えない。

 ところで、介護休暇等の時間単位取得が困難な業務がある場合には、過半数組合または過半数代表者との労使協定を締結し、この制度の対象から除外する労働者の範囲を取り決めることができる。
 この「除外する労働者の範囲」に関し、厚生労働省はどのような業務を想定しているか具体例を挙げていないが、例えば「交替制勤務による業務」、「遠隔地への移動を要する業務」、「看護師の夜勤業務」等がこれに該当しそうだ。
 なお、現行制度下において既に「介護休暇等の“半日単位取得”の対象としない労働者」を労使協定で取り決めている場合であっても、それとは別に、改めて労使協定を締結する必要がある。

 ちなみに、介護休暇等は、「ノーワーク・ノーペイ」の原則により、特約の無い限り無給で差し支えない。
 しかし、これを有給とすることで従業員の定着と企業イメージの向上が期待できるなら、加えて、有給の介護休暇等を社内制度として設け、それを利用した労働者が生じた等の要件を満たした場合は「両立支援等助成金」が支給されることも考えれば、これを機に介護休暇等の有給化を検討してみる価値はあるかも知れない。


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退職者の再就職先から退職理由を尋ねられたら

2020-05-03 15:59:32 | 労務情報
 退職者の再就職先(または応募先)が、その者の退職理由を尋ねてくることは珍しくない。
 そのような問い合わせに対して、同じ人事担当者としての同朋意識も手伝ってか、支障の無い範囲で回答しようとする人もいそうだが、支障が有ろうが無かろうが、原則として回答は控えるべきだ。

 と言うのは、退職理由も個人情報であるため、本人の同意なくして第三者に提供することは許されない(個人情報保護法第23条)からだ。提供する情報が本人に不利益に働かないとしても、それをもって第三者への情報提供を正当化できるわけではない。
 また、法律の面だけでなく、会社が保有する従業員の情報を第三者が求めるままに提供してしまうのは、やはり人事担当者としての自覚を欠く行為と言われても反論できまい。自らの職責の重さを認識して…‥

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従業員の賃金を公開することの意味とリスク

2020-04-23 18:59:10 | 労務情報

 「企業内容等の開示に関する内閣府令」改正により、上場企業は、昨年(2019年)3月期決算から、有価証券報告書に役員報酬の決定方法を記載することとされた。もっとも、それ以前から、役員報酬の総額および連結報酬1億円以上の役員については個別に報酬額を開示することが義務づけられていたところではあるが、この府令改正は、すべての上場企業に役員各々の報酬について公開することを求めている。

 さて、これは役員報酬に関する話だが、従業員の賃金に関しては、その決定方法や個別の賃金額を公開することに、どのような意味があるのだろうか。
 もちろんこれは法律上の義務ではないため、公開するもしないも各企業の任意なのだが、上述の府令改正の影響もあってか、昨今、従業員の賃金を公開する(または公開を検討している)企業が増えてきているので、ここで考察してみたい。

 まず、「賃金の決定方法」については、透明性が高まり、公正性を維持しようとする力も働くので、ぜひ公開するべきだ。
 中小企業の中には「各人ごとに“お手盛り”部分があるので、公開をためらう」という経営者がいるかも知れない。しかし、その“お手盛り”が合理的なもの(「上司の命令に従順である」「将来性が期待できる」「従前の給与額とのバランス」等)であるならむしろ従業員全員に理解させておくべきであるし、不合理なものなら制度を改めるきっかけとしたい。

 一方、「個別の賃金額」を公開することについては、一概にどの企業にも勧められるものではない。
 そもそも賃金額を公開することは、「納得性」と「公平性」を得られることを目的とする。従業員各人が自分の賃金額を他の従業員と見比べる(同時に自身も他の従業員から見比べられる)ことで、満足(あるいは奮起)してくれるなら、奏功したと評価できる。しかし、却って不満材料となったり不公平感を与えたりしたのでは、逆効果だ。
 経営者のキャラクターと従業員間の人間関係にもよるところだが、“お金”の話を嫌う企業風土の会社では、避けたほうが無難と言えよう。
 なお、従業員個々の賃金額は「個人情報」には違いないので、それを公開することにするなら、就業規則にその旨を定めておくべきであり、できるなら個別同意も取っておきたい。

 さて、以上は、あくまで、社内で公開するにあたっての話だ。社外に対してまで従業員個々の賃金額を公開するのは、メリットがあるとは言い難く、また、従業員の反発も免れまい。
 社外向けには、「賃金テーブル」や「モデル賃金」を公開することで、多くの場合はリクルーティングの材料として利用している。一部のアパレル会社や旧財閥系の保険会社等にその成功事例を見ることができるが、これも非常にリスキーなので、どの企業にも安易に勧められるものではない。
 企業ごとに、従業員の賃金を公開することで本当にメリットが得られるのか、慎重に見極めたい。


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営業マンにも時間外賃金が必要?

2020-04-13 15:28:29 | 労務情報
 「営業マンには残業代を支払わなくてよい。」と思い込んでいる経営者も見受けられるが、それは、必ずしも正しいとは言えない。
 たしかに、事業場外で労働する者については「所定労働時間(または一定の時間外労働を含む時間)を労働したものとみなす」(労基法38条の2)とされているので、実際に何時間働くかは労働者の裁量に任されるのだが、その“みなし労働時間制”が適用されるためには以下の要件を満たさなければならない。

 まず第1に、“事業場外”で労働していること。
 文字に書けば至極当然と思えるが、意外に誤解されているところでもある…‥

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