ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

社会保険の被保険者資格喪失日を間違えないように

2012-03-23 23:48:29 | 労務情報

 従業員が退職した場合、健康保険および厚生年金保険の被保険者資格は、“退職日の翌日”に喪失する。“退職日当日”は、まだ在籍中であり、被保険者資格も有しているという理屈によるらしい。
 実務担当者にしてみれば今さら改めて教わるまでもない既知のことだろうが、会社から提出される「資格喪失届」の「資格喪失年月日」欄に“退職日”が記入されているというミスが頻発しているのも事実だ。
 イージーミスに類する話とも言えるが、社内の退職関連書類のほとんどがおそらく“退職日”を用いて作成されるであろうし、雇用保険の「離職年月日」も“退職日”を記入することになっているので、社会保険の手続きでも同じ日付を書いてしまうというのは、むしろ「実務担当者ならではのミス」と言えるかも知れない。

 年金事務所や健康保険組合の窓口で係員がミスを指摘してくれれば修正も可能だが、窓口が混雑している時期にはそんな気配りも期待できないし、まして郵送や電子申請では、形式さえ整っていれば即時に受理されてしまう。退職した当の本人も気付かなければそのまま何年も放置され、年金を受給しようとした時に初めて厚生年金保険加入期間が足りないことが発覚するというパターンにつながるわけだ。
 ちなみに、こういうケースに該当すると、年金機構(旧・社会保険庁)は、年金記録確認第三者委員会のあっせんに基づいて本人の年金記録を復活し、その一方で、会社に対してその間の年金保険料および納付完了日までの利息相当額の支払いを勧奨する(「勧奨」と言いながら、理由無く従わない場合は企業名が公表されるので、事実上の「強制」)としている。

 担当者にとっては単なるイージーミスが、会社にとっては大きな損害や信用問題にも発展する可能性があることを認識して、慎重に処理されたい。


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労災特別加入者の日額変更は年度内に申請を

2012-03-13 11:46:25 | 労務情報

 労災保険は労働者を保護する趣旨の制度だが、中小企業の事業主等は労働保険事務組合に事務委託することを条件に、労災保険に特別加入することができる。

 さて、特別加入に際して登録した「給付基礎日額」は、労働保険の年度更新(6月1日~7月10日)と同時に変更できることになっているが、平成24年度(今回)から、この変更を3月18日~3月31日の間にも申請することができるようになった。
 これは、例えば、給付基礎日額の増額を予定していた特別加入者が7月10日までの間に労災事故に遭ってしまった場合に、前年度の低い基礎日額が適用されてしまう、というような不利益を防ぐための措置だ。

 この年度内申請は任意であるし、従来通り年度更新時に変更しても良いのだが、上に書いたような不利益の可能性を考えれば、日額変更するつもりがあるなら、できるだけ3月中に申請しておくことをお勧めする。
 なお、委託している労働保険事務組合によっては提出期限を早めに設定している所もあるので、注意されたい。


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国民健康保険料軽減措置と離職理由

2012-03-09 17:57:19 | 労務情報

 倒産や解雇等によって失業した者に課される国民健康保険料(自治体によっては「国民健康保険税」)を軽減する措置が講じられている。
 これは、非自発的離職者が在職中と同程度の保険料負担で国民健康保険に加入できることを目的として平成22年度から始まった措置であり、具体的には、失業給付上「特定受給資格者」または「特定理由離職者」とされている者について、前年の給与所得をその30%の額とみなして保険料を算出するというものだ。

 この措置自体の是非論はともかくとして、これを知った退職者から「離職理由を“会社都合”に修正してほしい」という要求を受けた会社もあると聞き及ぶ…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


“昇格減給”は適法ではあるものの…

2012-03-03 21:46:33 | 労務情報

 4月に定期昇格を行う会社も多いが、まれに「昇格したために却って賃金が下がる」という現象が生じることがある。一般社員が管理監督職に昇格すると、従来支払われてきた残業代がなくなるので一般社員よりも賃金が低くなってしまうという、言ってみれば“制度上の不具合”だ。
 これを「昇格減給」と言う。用語的には、こういうケースを「減給」と称するのは実は不適切であり、本当は「昇格“降給”」とでも呼ぶべきだが、一般的に「昇格“減給”」と呼ばれているので、本稿ではそれに倣うことにする。

 会社は、人事権の行使として、合理的な理由に基づいて社員を昇格させたり降格させたりできる。また、それに伴って降給が起こりうることについては、裁判所も是認しているところだ。
 しかし、理屈の上ではそうであっても、月々の収入が減少するのは社員の生活に直接影響する話なので、運用面での配慮は必須と言える。昇格に伴う基本給や役職手当の昇給額が残業代を上回るように制度設計しなおせればベストなのだが、それが難しければ、当分の間「調整手当」を支給する等の方策を検討しなければならないだろう。
 せっかく昇格させたのにそれが徒となってモチベーションダウンの要因とならないよう、知恵を出したいところだ。

 なお、そもそも、その昇格が明らかに賃金減額を企図したものであるなら“人事権の濫用”であるし、昇格後も労働基準法に言う「管理監督職」に該当しないなら引き続き残業代を支払わなければならないので、その点は誤解の無いようにしておかれたい。


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