目覚めの音

朝、ドンという音で目が覚めました。
「何事？」と、思ったら、母が足を布団に引っ掛けて、つんのめっているのです。
「せっかくの休みなのに。」と、思うのです。
いつも通りの朝を迎えました。
「明日はゆっくり寝るぞ。」と言いながら、昨晩お布団に入ったのです。

時々、母は朝の余計な時間にトイレに行くのです。
「年寄りだから、仕方ない。」と言えば、仕方ないのでしょうが、いつもと同じ時間に起こされるのは、ちょっと腹が立つのです。
もう少しゆっくり寝ていたかったのに。とは言えなかったんです。

休みの日の朝は、私はスローペースに動くことしかできません。
それが、勢いよく起きたものだから、心臓がバクバクするのです。
「まあ、大変なことにならなかったので、良しとするか。」と、思いました。
最近は、微かな音で目が覚めるようになりました。
昔は、爆音みたいな音でも目が覚めなかったのに。
だんだん、眠りが浅くなってきているのです。
そのうち、夜中に歩くミシッミシという音で目が覚めることになるのではないか。と、思います。
私は、眠りを害されるのが一番のいら立ちです。
「もっと、寝かせてよ。」と、思いながら、起きるのはつらい。

今日のように母がつんのめって、転んでも起きない人間だと、大変なことになります。
起きて正解だったのでしょう。