「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「琵琶の薬効」

2015-11-22 12:31:41 | 和歌

 琵琶の花が咲き始めた。
茶色の羽毛に覆われて暖かそうに莟が寄り添い、晩秋の陽ざしをうけて咲く様は、
子供の頃に寒さを凌いで遊んだ「オシクラマンジュウ」を思い出させる。



 民家の庭先などにも琵琶の木が植えられているので、ごく身近な存在だ。春には果物として栽培された琵琶が店頭に並び、仄かな甘みと独特の味わいが人気だ。

 この琵琶の種と葉が、愕くべき薬効を持っているのが余り知られていないのは何故だろう。印度の古い仏典・涅槃経(ねはんきょう)などの中に、琵琶は生きとし生けるものの万病を治す植物として、「大薬王樹」と尊ばれているのだが・・・。
琵琶が比較的に温暖な地域の植物ゆえ、寒冷な地方には琵琶の恩恵が伝わらなかったのかも知れない。

 念のためチョットだけ調べたら、葉を使う自然療法や種の焼酎漬は、万病薬として古くから利用されて来たことが判明した。琵琶の薬効については、昨今では医科学的に解明されて、葉や種に含まれるアミグダリン成分はビタミン17として、癌の特効薬として注目されているという。琵琶の薬効は癌だけでなく喘息、肝硬変、糖尿病など慢性の難病にも薬効があり、その他、血液を浄化する働きがあることも証明されている様だ。

 「虚庵居士のお遊び」の中で、生半可に薬効を解説するのは不謹慎の誹りを免れぬので、この辺で留め置くが、琵琶については改めてオオマジメに勉強してみたい。


           紅の木の葉舞い散る晩秋に

           みどり葉保ち琵琶は咲くかな


           薄茶色の羽毛に包まれ莟達は

           おしくらまんじゅう 遊ぶにあらずや


           春来ればふくよかな実を頬張らむ

           琵琶を思えば潤う口元


           琵琶こそは数多の難病の特効薬とか

           古来の知恵に愕かれぬる


           紀元前の印度の仏典・涅槃経に

           琵琶を讃えて大薬王樹と


           琵琶の持つ類い稀なる薬効に

           目を瞠るかな 心して学ばむ