一年ぶりに「ハーデンブルギア」に出会った。
昨年、 「ハーデンブルギア・小町藤」とのタイトルで、白花の写真を掲載したが、
「紫花ハーデンブルギア」とは初めての出会いで、胸がときめく思いであった。
花の姿は胡蝶蘭のミニチュアを観るようで、ブロック塀から顔を覗かせていた。
よそ様の庭の花を無断でカメラに収めるのは、些か気が咎めたが、「塀越しの花の
ご挨拶を黙って見過ごすのは、却って花にご無礼だ」などと、勝手な言い訳をしつつ
カメラのシャッターを切った。
帰宅して昨年の掲載を確かめたら、四月の初めであった。 横須賀の気候では、
三・四月頃がハーデンブルギアの花時ということだろう。 白花にせよ紫花にせよ、
ハーデンブルギア等という稀に見る花を愛ずる、横須賀住民に感服し感謝しつつ、
塀越しの花との出会いを愉しませて頂いた。
塀越しにハーデンブルギア紫の
花房ゆれてのご挨拶かな
常ならば塀を見上げることなどは
無きに何故かな花房見つけぬ
塀越しのハーデンブルギア花房の
無言の囁き 見上げてご覧と
腕伸ばしカメラをかかげて紫の
ハーデンブルギア花房写しぬ
ひと時の無言の交歓愉しみて
立ち去り難く観返す爺かな