「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「ゴルフと勝ち栗」

2009-08-19 22:48:08 | 和歌

 伊豆のゴルフ場で、お仲間同士のコンペが開催された。
このコンペは二つのゴルフ場のメンバーが、それぞれ同数の代表を出し合って、クラブ対抗のスキンズ
マッチでクラブチームの勝敗を争う、なかなかユニークな団体戦だ。20数名のゴルファーが、それぞれに研鑽した腕のみならず、仲間内の舌戦までが動員されるので、時には爆笑を誘い、神経戦も交わされるので、終了するまで勝ち負けは時々刻々と変化して、予断が許されない。

 昼食時のビールなどのアルコールも、スキンズマッチの戦いの一部ゆえに、注しつ注されつにも作戦を凝らし、酔っ払っては勝負を失いかねないが、ワイン好きの虚庵居士は呑み始めると何時もの通りご機嫌に酩酊して、午後のコースでは息切れする始末であった。

 加えて、数日前に右脚の肉離れが治癒しないままに参加したので、痛みを堪え、カートに頼らざるを得ない一日であった。スキンズマッチは苦しい対戦であったが、2ホールを残して虚庵居士は何とか若者に勝つことが出来た。全員が対戦を終了して、ゴルフ場近くの大きな蕎麦屋で表彰式を兼ねて、懇親パーティが開催された。和気あいあいのうちに、それぞれのスキンズマッチの勝敗が報告され、われわれシニア軍団は負け戦となった。

 負組のシニア代表は、勝組の若者代表に頭を下げて賞品を贈呈し、勝組代表はフンゾリ返って賞品を受け取るのが恒例だ。

 団体戦の勝負と合せて、個人戦もオフィシャルハンデキャップにより成績を競うが、右脚の肉離れで痛みが残る虚庵居士は、我慢と控えめのプレーに徹した。それが却って効を奏したのであろうか、意外にもグロス40+40の好成績であった。何人かの若者シングルプレーヤーを凌いで、ベストグロスと個人優勝の栄誉を得た。

 大きな蕎麦屋のカウンターには、山採りの栗イガが既に割れて、つややかな栗の実がノゾイテいた。「勝ち栗」なる言葉があるが、個人優勝との縁起を感じ、ご無理をお願いしてお土産に頂戴して帰った。






             伊豆山の栗の実割れてふくよかな

             三つ栗のぞく秋はきにけり


             勝ち栗の言葉の響きに誘われて

             土産に貰えばイガの痛さよ


             勝ち誇る思いに栗イガ鋭くも

             指刺しにけり 戒め忘れな