「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「ハヤチネウスユキソウ・早池峰薄雪草」

2009-08-11 01:14:44 | 和歌

 7月下旬、友人は10日間ほど雲隠れしていたが、8月に入ってからメールが届いた。曰く、「何の土産もありませんが、長年の懸案であった早池峰山で、ハヤチネウスユキソウを撮ってきました」と、2枚の貴重な写真を送って下さった。
日本100名山の一つ早池峰山と、この山だけの高山植物、「ハヤチネウスユキソウ・早池峰薄雪草」だ。





 「長年の懸案であった早池峰山」との記述から、彼のこの山にかける並々ならぬ思い入れが窺える。
かって旧友の山男から聞いた話をおぼろげに思い出した。虚庵居士は山も岩石にもズブの素人だが、この山は蛇紋岩というヘビ皮模様を思わせる特別な岩が山をなし、その岩の風化した土壌が植生にも特別な環境を保って、固有の高山植物を育んでいるらしい。その辺りが、その道の好き者にとっては垂涎の「お山」なのであろう。

 
             早池峰の薄雪草を写しきて

             土産に代えてと君はメールに







 送って下さった高山植物、ハヤチネウスユキソウの写真をみて、咄嗟に”Edelweiss"を思い出した。
嘗てビジネスを超えて親しくお付き合いしたMogenthaler社長夫人から、母国Slovenijaの”Edelweiss"の押花額を頂いたことを思い出した。
 
 ご夫妻のお招きを受けて、カリフォルニア・ロスガトスの豪壮な邸宅を訪問した際に、鷺草の水彩画に
自詠歌を書き添えた作品の複製を、額装してお土産に持参したら甚く気に入って下さった。その作品への返礼として、彼女の日本訪問の土産に持参して下さったものだ。

 スロベニア美人の彼女は米国有名企業の現役副社長であったが、母国を訪れた際に、「Mr.Kyoan に
プレゼントしたい」とわざわざ買い求めて持参したと伺い、感激したものだった。鷺草の気品ある姿を感じとって、高貴なEdelweissで応えてくれたその想いが、純粋に心に響いた。





             乱れ飛ぶ水際の鷺かしろたえの

             群れ咲く花のすがたけだかし


             スロベニアのエーデルワイスを我がために

             旅路を重ねて土産になすとは