草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

閑雅なコンサート

2010-06-07 04:45:14 | ぎゃらりー「草の葉」
「いいコンサートだった」
昨日は、
みなさんが口々におっしゃる
いいコンサートだった。



     ::::



留学なさっていたドイツの話や、
ゲーテの詩の朗読を織り交ぜながら、
きれいなドイツ語で歌われた、天田さんの「すみれ」や「野ばら」。
高校のとき、声楽科志望でちょっとだけドイツ歌曲をやり、
入学した文学部の大学で、ちょっとだけドイツ語をやったワタシは、
ちょっとだけ思い出し、懐かしかった。
それに続く日本歌曲は、
その表現豊かな歌唱力に、
もう、みなさん、
頬を緩ませたり、思わず目頭を抑えたり・・・・

休憩は屋外で。
コーヒーを飲みながら、
緑の清新な空気を、
体中に取り込んで。

「ブラームスはお好き?」
「はい、大好きです」
後半の初めは、
志村さんのピアノで、ブラームス。
いいなぁ。
閑雅な食欲を満たして、
うっとり。。
終盤は、
山村暮鳥や立原道造、萩原朔太郎の詩を元に作曲された、
志村さんのいくつかの歌曲を、
天田さんが歌われた。

詩の解釈は難しく、
また、それぞれの取り方もあろうが、
志村さんの深く詠み込まれた楽曲に、
天田さんの、詩情想い膨らませての作品であった。

そして、
最後の最後は、
志村さんが「草の葉」の印象と重ね合わせて下った、
萩原朔太郎の『閑雅な食慾』。




     松林の中を歩いて
     明るい気分のかふぇをみた。
     遠く市街を離れたところで
     だれも訪づれてくるひとさへなく
     林間の かくされた 追憶の夢の中のかふぇである。
     をとめは戀戀の羞をふくんで
     あけぼののやうに爽快な 別製の皿を運んでくる仕組
     私はゆったりとふぉーくを取って
     おむれつ ふらいの類を喰べた。
     空には白い雲が浮んで
     たいそう閑雅な食慾である。

       



       ::::




当初、30席の予定が、
50席に。
この小さなギャラりーは、どうなる事かと案じたが、


白い雲が浮かんだこの日、
山や空、鳥や人、
そして、夢が加勢して、
草の葉で、
閑雅なコンサートが行われた。。