草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

伊豆半島の旅 終章

2010-06-03 05:49:05 | おでかけ
翌朝も、
山歩き好きの母を誘って、散歩好きのワタシは小高い丘へ。
「おしゃぶり婆さん」の石仏があるという。
ちょっと距離はありそうだが、興味がわく。
こりゃ、見ないわけにはいかないでしょ。

山道を400mほど登った場所に、ひっそりと。
ウーン、二体あるんだけど。
一体は、古く苔むし、崩れかかっている。
そして、少し左に傾いているその姿は、
いかにも、婆さんがお乳を含ませている感じに見える。
少し新しいもう一体は、
左のお乳が膨らんだ、長い髪の婆さんが、
上目づかいに、ニカッとしている。
母は、「ちょっと恐ろしかぁ」と、言っていたが、
ワタシには、かわいらしく思えたヨ。

まあ、どっちでもいいや。

赤子のおしゃぶりから、この名があり、
子育ての神様らしい。
じゃあ、まあ拝んでおかなきゃ。
どちらにも、パチパチ。

そのあと、
3人で、近くを散策。
宿に戻り、4つ目の風呂に入る。
温泉嫌いのワタシだが、
コレは楽しみにしていた。
3年の年月をかけて、昭和9年に出来たという、
文化財になっている大浴場。
運よく、だ~れも居ず、
巨石の上に立つ、巨大な丸柱5本で支えられた、
天平様式の高い天井を見上げて、
ゆったりと湯船に浸かり、感慨にふける。





      ::::




帰路は、
三島まで行き、新幹線に乗りこむ。
母と妹は、飛行機に乗るため、先に品川で下りる。
そこから、2組は、北と南に。

ワタシは、
ひとり、東京から上越新幹線に乗り継ぐ。
車窓からの景色は、
次第に、見慣れたものになるはずだが、
懐かしさはそこにはなく、
よそよそしく映る群馬の山並みに、
思わず涙が、ぽろぽろこぼれてしまった。



また、いつか、
3人で旅ができるだろうか。

80になる母はもちろんだが、
ワタシや妹だって、
50を過ぎた途端、
次々と健康不安が絶えない。
却って、母よりも・・・・?
コレが最後かも?


先のことはわからない年齢に、
いつの間にか、
なってしまった。




     ::::




それぞれが、
それぞれの想いを刻んだ旅は終わった。



さあ、
明日からまた、
人生の終章まで、
女3人、それぞれ別の場所で、
別の日常が始まる。