草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

感動

2010-05-26 12:31:54 | 山の暮らし
あっ!
叫び声と同時にガシャ。
不用意に、10kgの米をドンと置いてしまった。
あ~あ、お気に入りの米入れ。
早く直そうと、翌日、翌々日と何軒も回った。
電話帳で調べ、足を運ぶ。
古い店構え、老練な店主。
「あー、これはダメかも」
「どうにかなりませんか?」と食い下がる。
ドライバー片手にメガネをかけなおし・・・・
やや期待が持てる。
が、
「悪いけど、直せないな」
車で移動中も、左右に視線を走らせ、
『ガラス』とあると、すぐに飛びこむ。
「あーこれはダメだ。
「枠を作るときに、一緒にはめ込んであるからな」
鉄工所も併設で期待したが・・・・
「役に立てず、すいません」と。


古道具屋で買った年代物ではあるが、
以前にも、一度、娘が座って割ったことがあり、
その時は直ったので、割と簡単に考えていた。

ところが、
今回は、行くところ行くところ断られ、泣きたい気分に。

別ので間に合わせればと、人は言うだろうが、
そうはいかない。
小さな小さな我が家。
代用の米櫃では置く場がない。
コンパクトなうえ、缶詰などのストックもでき、
コレは重宝していたのだ。

もう、以前の店に持って行ってみるしかない。
それでだめだったら、ネットかなんかで同じものを見つけるしか。
それもないなら、板で蓋を作るしかないかなとまで考えた。


確か、看板もなく、
やっているのかやっていないのか分からないような店だったけど・・・
まだあるかな?
店の名前は忘れ、場所の記憶もあいまい。
最後の望みをかけて次の日に行ってみた。
あった、あった。
「あのー、ガラスを直していただきたいのですが・・・・」
作業していた手が止まり、
無愛想で、気の乗らないようなあの顔が振り向く。
「こりゃー、一体なんだい?」
「駄菓子などが入っていたケースだと思うのですが」
ウーン。。
断られそうな雰囲気に、すかさず、
「あのー、以前にも直していただいたんですが・・・・」
「いつだい?」
「もう、6,7年くらい前だと思うのですが」
「前やったんなら、できないこともないとは思うけれど、
一応、預かっとくよ」


で、
出来たよーの電話が入ったのだ。

うれしいのなんのって。
「大変だったですか?」
「いや~」
えっ!
あんなに、ことごとく断られてんだから、
手間も値段もかかるものだろうと、覚悟はしていたが・・・・

なにげなく、
さらりとやってのけた店主に感動。
しかも、ワタシが入れてた段ボールではなく、
下敷きのあるきっちりとした箱に入れ、また被せもあった。
こんな小さな仕事、断ろうと思えば断れたのに。
自分の仕事に、自負と責任を持った店主に、いたく感動。



      ::::



感動というのは、こんなものなのだろう。
普通に、
日常に、
あちこちに、感動の種は落っこちている。

目を凝らし、
耳を澄ませば気づくもの。


     ターンタン、ターンタン、
     ジャン、ジャジャジャジャンジャン、ジャーンジャーン。
     カラヤン指揮、ベルリンフィルの音が語る、
     シベリウスの交響詩、『フインランディア』。
     やっぱり、いいな~。
     本日の小さな感動。。








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2 コメント

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素敵な話。 (べる)
2010-05-26 15:18:58
私も30年も使っている古~いミシンを直して貰った、小さなお店のご店主ご夫妻に頭の下がった思い出があります。
続けるのは大変だろうけど、ずーっと頑張ってほしいなぁと思ったことでした。
米びつもほんと素敵ですね。

今日、蚊帳布届きました。一枚一枚微妙に染の違う素敵な色ですね。作ってくれた人や染めてくれた人、届けてくれた夢さんに感謝して、大切に使いますね。
う~ん… 大丈夫かなあ?、頑張るぞ~。
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Unknown (草の葉)
2010-05-26 19:26:39
このところ、雨、雨、雨。
そろそろ梅雨に入るのでしょうか?
ゆったりと時が流れる雨の日、
雨の音を聴きながら、
一針一針、お縫いあそばせ。

どんなのができるか楽しみです。
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