goo blog サービス終了のお知らせ 

草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

すきなもの

2009-02-25 11:41:47 | 雑感


   わたしは そらが すきです
   わたしは やまが すきです
   わたしは ほんが すきです
   わたしは おんがくが すきです

   あなたは なにが すきですか

時を待つ

2009-02-18 13:57:43 | 雑感

   お前にあげたいものは
   香りのよい健康と
   かちとるにむずかしく
   はぐくむにむずかしい
   自分を愛する心だ。
   
     ___吉野弘「奈々子に」より__



    ::::



君自身が一番分かっていること


触れてはならぬ
自分のうちから力みなぎるまで
雪や風が来ようとも
花開くその日をねがい待とう

そう思っていたはずなのに
2月の光があまりに明るすぎて
言葉を借りて出たおもい
悔いを巻き込み終日ぐるぐるまわる




I wait for the time to come




      
  




聞こえぬものを聴く

2009-01-30 15:11:33 | 雑感
  

  心を聴くはずだったのに
  言葉を聞いてしまった

  ほんの少し
  立ち止まりさえすれば
  確かにそれは聴こえてきたはず

  君の心の深奥の
  沸々としたその場所を
  よそ見をしていて通り過ぎてしまった


  歩みを緩め
  心を聴くべきだった
  聞こえぬものを聴くべきだった
  

   
  
  

  

繰り返す

2009-01-09 13:28:53 | 雑感
 変われそうな気がしたのだ。

なのに、
変われぬ君に、
苛立ち、ため息。
そして、
変わらぬ自分を、
悔い、自責。




   ::::



今日は、一日中雪降り。
雪は、大きくなったり細かくなったり、
緩やかになったり、速くなったりしながら、
果てのなさを繰り返す。

シューマンの唯一のピアノ協奏曲、
そして、同じくグリーグのそれが、、
さっきから、その壮大なコーダを
何度も繰り返している。


ぎゃらりー「草の葉」は、
今日から、新しい年の営業。

「学ぶことは変わること」
林竹二さんの言葉を反芻しながら、
____今年もどうぞよろしくお願いいたします____
と、ワタシが繰り返す。




    くり返すことができる
    あやまちをくり返すことができる
    くり返すことができる
    後悔をくり返すことができる
    だがくり返すことはできない
    人の命をくり返すことはできない
       ____谷川俊太郎「くり返す」より____




一年が過ぎ、
また、新しい年が巡ってきた。
新しい年は、何度も繰り返しやってくるが、
君の
そして、ワタシの一年は、一度きり。



   さて、今年はどう変わるやら・・・・
   もう、9日が過ぎる。











生まれた時代

2008-12-17 16:11:16 | 雑感
 わずかな音をたてて降る、冷たい雨の一日だった。

妹尾河童さんの「少年H」を読み終える。
少年期、思春期をあの戦争とともに過ごした妹尾さんの自伝ともいうべき上下巻700ページは、
驚きや戸惑い、憤りはもちろんのことだが、
人間や時代の持つ温かさやおおらかさに、数知れぬ笑いを得て読み続けた。
落涙は、残り50ページ足らずになってから。

奇しくも、今日ずっとかけていたのは、
ショパンの「アンダンテ・スピアナートとグランドポロネーズ」だった。

数年前に見た「戦場のピアニスト」の映画の最後に流れていたのがこの曲。



    ::::




マスコミは、今、100年に一度の大不況だという。



   雨も止み、
   CDの音も止んだが、
   クラウディオ・アラウのピアノの残響とともに、
   ワタシの中にいろんな思いが交錯する。

   人の生まれた時代、
   人の生きた時代の妙を思う。


   






残るもの。。

2008-10-31 14:05:29 | 雑感
  はたと思い出した。


  なにげなく、
  ほとんど葉を落とした木々を見ていて。
  うかつにも、
  ショパンのピアノソナタ第2番を聴いていて。
  
  この季節だったのだ。

  一年前のことが、
  ずいぶん昔のことのように思われる。
  たぶん、
  あまりに思い出が少なすぎるから。



  何一つ残さず逝ってしまうというのがいいのかもしれない。
  すべて形あるものは消えてしまうのだから。
  何一つ残さずに逝ってしまうというのもいいのかもしれない。
  自分はこの身だけなのだから。


  だけど・・・・

  
  ひとつだけでいい。
  やはり、
  思い出す手がかりを残してほしかった。


    残る想いをかき集めながら、
    残された者はそう思う。



  

  
  
  
  
 
  
 
  

  
  

保身

2008-09-22 20:21:27 | 雑感
 最近のニュースは____

どこもかしこも偽装ばかり
イヤになちゃう
誰もかれも保身にやっき
気が滅入るわぁ~

大切なことはなんなのさ





  もはや
  できあいの思想には倚りかかりたくない
  もはや
  できあいの宗教には倚りかかりたくない
  もはや
  できあいの学問には倚りかかりたくない
  もはや
  いかなる権威にも倚りかかりたくない
  ながく生きて
  心底学んだのはそれくらい
  じぶんの耳目
  じぶんの二本足のみで立っていて
  なに不都合のことやある
  倚りかかるとすれば
  それは
  椅子の背もたれだけ

     ____茨木のり子『倚りかからず』____




    ::::



ワタシの生まれるずっとまえから存在し
ワタシが死んでもずっと存在する
その前に立ちつくし
瞬きのごとし人の生を思う。


君たちは、
そして、ワタシはどう生きるのか。


「肝心なことは、いつも自分が本当に感じたことや、真実心を動かされたことから出発して、その意味を考えてゆくことだ。」


  
    たぶん、コペル君もそうだったと思うけど、
    ワタシも何度も何度も読んだよなぁ。
    おじさんのノート。。
  

この年だから・・・・

2008-09-19 19:44:27 | 雑感
 季刊雑誌「住む」№26を読んでいたら___
イラストレーター大橋歩さんが、最近チェロを習い始めたと。
なにしろ習い事をするのに年をとりすぎているので、なかなか難しいと。

そうなんだよなあ。

チェロをやっていた娘が、フルサイズに代わった高校生頃か、
忙しくなるとともに、次第にチェロを弾く時間が少なくなった。
「これは、もったいない」と、
ワタシは、彼女の師事していた高名な演奏家とは別の方に習い始めた。
そろそろ、5年くらいになるかしらねぇ。

これが難しいのなんのって。
大橋さんもそうであるように、
何しろ、最初は弓を持つののさえ大変だった!
落とさず、やっと持てるようになっても、今度は、真っ直ぐなボーイングが難しい。
しかも、力がいるのなんのって。
相当疲れる。
バイオリンとは違って、座ってやれるので、楽ちんかと思ってたのにぃ。
もちろん、左手だって大変!
力のないワタシは、なかなかしっかり押さえられない。
当然、いい音は出ない。

先生は、大人クラスの生徒の中では、進歩が早いとは言って下さるけれど・・・・
もう、いろんな曲もたくさんやったけれど・・・・
一応、音を出しているというくらいのもので、全く、曲を弾くというのではない。
エチュードのほうにしても、ある程度まで来たらできなくなって、
再度、初めに戻ってやっていただいたが、
また、ソコらへんにくると、できなくなる。
これは____もう、限界?

しかし、
先生によると、
やめたら、もう後退するばかりだが、
すこ~しずつでも続けていたら、そうそう進歩は望めなくても、現状維持くらいはできると。
まあ、そういうことか。

というわけで、
相変わらず、2,30分と短いながらも、できるだけ練習するようにはしている。
指を動かすというのは、脳のほうにもいいだろうし、
それに、
この年になって、自分に何かを課すということは、
ある程度必要なことかもしれない。



   ::::



半年前のめまい騒ぎから、
体調のほうは、完全復帰ではないし、
他の諸々の事情で、気持の上でも___
というのはあるけれど・・・・

年をとるとるにつれて、
できることが、狭められていくのは当然のことだけど・・・・


    この年だからできることを、
    ちょっと探してみよう。
    小さな感動が、
    きっとあるはず。

    それが、
    生きていくということ・・・・かな。
   
   



おかえりなさい

2008-08-13 18:56:36 | 雑感
 


ひがしへにしへ
きたへみなみへ
ひとびとがかえっていきます
にほんのあちこちできこえる「おかえりなさい」


ワタシはどこへかえりましょう?
ワタシはもうすこしここにいることに

アナタはどこへかえります?
アナタをおもうものたちがいます


かぜがうごいて
ゆりのかがとどいて___

   「おかえりなさい」




七月は青。

2008-07-26 12:19:44 | 雑感
 青は遠い色

どんなに深く憧れ、どんなに深く求めても、
青を手にすることはできない。
青は遠い色だと谷川俊太郎は言う。

青空のはてのはて
永久で透明な生物の群が棲む
世界は移ろう青い夢の影だと宮澤賢治は言った。



    ::::



七月は青と決めている。


      世に処るは大夢の若し
      胡ん為れぞ其の生を労するや
          ___李白___





2008-07-04 16:22:20 | 雑感
 石原吉郎『望郷と海』を読む。

不条理で、理不尽なシベリア各地での強制収容所生活を綴ったこの本、
ずっと読むことを避けていた。

今朝の雲を見ていたら、
今日はなんだか読めるような気がした。


絶望
沈黙
言葉
無意味
内省
尊厳
誇り
孤独
極限
無力
自分
人間
生きる
・・・・・・・

  
何度も中断する。

身の置き所がなく、
座ったり、あちこち歩き回ったり。
老眼鏡をかけたり外したり。
胃の違和感ともに、脱力感もあり。
珍しく、
素足に、薄手のスカート一枚だったせい?
膝のあたりがガクガクしてきて、手足指がしびれる感じ。

これは、まずい。
やめようかな。

外に目を移す。
カーッと照ったり、かき曇ったり、
おかしな天気だ。
少しだけ昼寝をした後、
ぼーっとしたまま、再び読み始める。

動悸もしてきたような・・・・
ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ____
イツァーク・パールマンを聴いていたが、
どうしても耐えられなくなって、徳江尚子さんに変えた。





   ::::



       雲
     1945年 パム

   ここに来てわれさびし
   われまたさびし
   われもまたさびし
   風よ脊柱をぬぐれ
   雲よ頭蓋にとどまれ
   ここに来てわれさびし
   われ生くゆえに

     ____石原吉郎___


どうにか、夕方には読み終わり、
窓を開ける。
そして、山を見る。
もわっとした空気の中で、
「新しい人間になりたい」___
彼のことばが、
風に混ざって吹いてきた。

  ワタシは、
  受け止められないでいた。。






見えない季節

2008-06-22 15:51:23 | 雑感
ごめんね。どうしても会えません。

あなたの名前を耳にしたとたん、
両の眼から、涙があふれ出し、
手が止まり、
やっていたことの続きが、
どうしてもできません。

アレから、何時間もたったというのに、
ワタシは、ずっと、ソファに座ったまま、
霧の覆う外に目を向けたまま。

  できるなら
  日々のくらさを 土の中のくらさに
  似せてはいけないでしょうか

牟礼慶子の詩の一節が、
繰り返し繰り返し頭の中を駆け巡る。

ごめんね。
どうしても会えません。

いつもいつも気になっているはずなのに・・・・


目の前の笑った写真のあなたと、
見えない季節にいるあなたのちぐはぐさが、
なんともつらく・・・・



急に雨足が激しくなり、
ショパンのピアノ小品曲を、
次々に消してゆく。

この霧のように、
何時間も、ワタシの中のもやもやが、
ずっと晴れないのはなぜ?
会った方が良かったのだろうか・・・・




    とぎれとぎれに聴こえる
    レギナ・スメンジャンカの丁寧なピアノが、
    「これでいいんだよ。」
    と、言ってくれたような気がした。

六月____あなたに

2008-06-18 13:47:01 | 雑感
 散歩道は、野ばらと野イチゴでいっぱい。


    ::::


今日の風をあげましょう。
強くもなく弱くもないこの風は、
あなたの心のあるものを
フッーとひと吹きするでしょう。

今日の空をあげましょう。
真っ青ではないうっすらしたこの空は、
あなたの心のあるものを
じっくり温めてくれるでしょう。

今日のメンデルスゾーンをあげましょう。
静かで力強いこの交響曲第2番は、
あなたの心のあるものを
すっぽり包んでくれるでしょう。

今日の野ばらと野イチゴをあげましょう。
毎年巡ってくるこの季節は、
あなたの心のあるものに
大切なものは何かと思いださせてくれるでしょう。


そして、
これもあげましょう。

   どこかに美しい村はないか
   一日の仕事の終りには
   鍬を立てかけ 籠を置き
   男も女も大きなジョッキをかたむける

   どこかに美しい街はないか
   食べられる実をつけた街路樹が
   どこまでも続き すみれいろした夕暮は
   若者のやさしいさざめきで満ち満ちる

   どこかに美しい人と人との力はないか
   同じ時代をともに生きる
   したしさとおかしさとそうして怒りが
   鋭い力となって たちあらわれる

茨木のりこ「六月」のこの言の葉が、
あなたの心のあるものを
きっと、優しく強くするでしょう。






バレンタインデー

2008-02-14 19:51:19 | 雑感
 毎年のことではあるが、チョコが送られてきた。

熊本の実家の母から。
孫たちへとともに、甘いもの好きのワタシにも。
去年までは人数分まとめて来ていたが、今年からは銘々に。
この厳寒地に、皆が冬の間やってくることがないだろうということで。

エクスパックにチョコだけじゃ隙間があったからか、饅頭付き。

チョコも好きだが、幼いころから、この饅頭が大好きだった。
その好きかげんは、「いきなりだご」に勝るとも劣らない。

幼いころ、町へ出かけると、
必ず帰りのお土産に、この「銀丁饅頭」や「蜂楽饅頭」を買っていた。
あっ!今は「銀丁饅頭」でなく、「千両饅頭」と言うらしい。
そのころは、銀丁というデパートがあり、そこで売っていた。
どうも、ワタシは、今でも銀丁饅頭と言ってしまう。。
「蜂楽饅頭」は、大きくて黒餡や白餡がたっぷり入ってとっても甘~い。
せいぜい、2,3個しか食べられない。
こちら関東に来て、似ているなと思ったのが今川焼。
それに比べて、この銀丁饅頭は、カステラ生地に上品な甘さの白餡。
なので、いっぺんに10個くらいはへっちゃら。
ただ残念ながら、
現在、冷凍でも出ている「いきなりだご」とは違って、
日持ちがしないので、送ってもらうのも寒い時期だけ。



それにしても・・・・

年老いた母が、充分歳を重ねた娘を気遣い、頻繁に手紙やモノを送ってくれる。
親にとっては、いくつになっても、子どもは子ども。
遠く離れていて、心配も尽きないのだろう。。


親とは、ほんとにありがたいものだ。

   一人居の山のくらしや春待ちぬ
   移り住む雪国の娘に思いはせ
      ___母より___


    
    感謝。。


冬に

2008-02-08 18:33:05 | 雑感
 静かな冬の一日

住井すゑ『わたしの童話』を読み直す。
誕生日に長男から渡された。何年前だったかの。
ザワザワザワ・・・・
いつ読んでも、何度読んでも、
心がざわつく。


繰り返し、また繰り返す。
日が沈み、3回目を読み終える頃、
ふと、
詩の一節が口を衝いて出る。

 
    ほめたたえるために生まれてきたのだ
    ののしるために生まれてきたのではない
    否定するために生まれてきたのではない
    肯定するために生まれてきたのだ

    無のために生まれてきたのではない
    あらゆるもののために生まれてきたのだ
    歌うために生まれてきたのだ
    説教するために生まれてきたのではない
    
       
谷川俊太郎「冬に」。。