日本百名山 9、後方羊蹄山(しりべしやま)(1893m)
筆者たちは、9月2日の早朝、比羅夫駅を出発、霧に覆われた後方羊蹄山に登っています。
この、比羅夫駅は阿倍比羅夫が蝦夷征伐にこの地を訪れたことに由来しているそうです。
さて、そのルートと経路断面図は次のようです。
「山麓の半月湖まで歩き、・・・
何の変化もない道をただひたすらに、富士山のように登るのである。
・・・(霧のため)何も見えない乳白色の中を、旧火口を一周して下山についた。
麓へ下りてきた時は、もうトップリ暮れて、灯のない真っ暗な原野が展がっているだけであった。」
(新潮社刊、深田久弥著『日本百名山』より引用)
休み時間を入れて、9~10時間はかかったようです。
火口周は「頂上が富士山のそれのように大きく窪んでいて、周囲一里半許り・・・」実際は2.5Kmです。
ちなみに富士山の頂上一周は2.2Kmくらいで、ほぼ同じ規模です。
また、羊蹄山を正式には「後方羊蹄山」(しりべしやま)と呼んでいますが、本来の羊蹄山はこの山の東南10Kmの所にある尻別山だと云われているからです。
私にも懐かしい山です。
会社勤めをして間もなく(20歳代)、仕事で倶知安町の書店を訪ねましたが、その際車窓から見た羊蹄山が実に美しく豪快で、見とれてしまった覚えがあります。
その美しさにひかれて、
お店の主人から自転車を借りて、ひたすら羊蹄山に向かって走りました。
しかし、行けども行けども羊蹄山は大きく、近づけなくって橋の所から引き返しました。
多分、国道5号線の倶知安橋だったのでしょう。
設定:カメラ:PRO、レンズ:28mm、風景:北アルプスの山、・・・
倶知安駅の一つ南の比羅夫駅からのカシバード写真です。
手前の窪地が半月湖でしょうか。
後で聞きましたが、その数日前に、自衛隊員が一人遭難して亡くなられたそうです。
原因は覚えていませんが、冬でもないのに遭難死されたとは、やはり山は怖いですねえ。