くらしデザインスタジオ@楽(^^)

住まいや街など、様々な暮らしの提案やサポートをする中で、なんとなく気になったこと…!?イロイロです。

特殊な土木工事記事

2015-02-27 | 本,TV,歌,人物など

「日経コンストラクション 2014.10.13号」日経BP社 1,320円(税込)です。創刊25周年記念の特集記事が気になり、その号だけ買ったのですが、ずっと積まれたままになってました…。

「日本大改造」と大きく出てますが、特殊な工事を伴う国内の規模の大きいインフラ整備14箇所が紹介されています。特殊な工事や難しい事情を、そんなに深くなく?専門的でなく紹介されているのが、土木には詳しくない私にはちょうど良く、面白いです。

中で一番イメージしやすいのは、通天閣の免震改修工事です。通天閣の下部と上部鉄塔部分との間の縁を切って、そこに免震層を挟むという工事だそうです。民間の展望塔なので、耐震改修の判断に外観をできるだけ変えないことも判断材料になり、ダンパー等を付加する制震ではなく免震になったとのことです。横に建つエレベーター棟は、免震化するために別棟になっていたかのように思えてしまいます。

東京外かく環状道路千葉県区間の、半地下構造もなかなか興味深いです。地下の高速道路の中央分離帯付近を地上に開口して自然換気と採光を実現しています。その開口部の挟んで地上に国道298号を整備しており、高架方式より費用と時間はかかるものの、合理的な断面設計に感じます。で、この半地下化に伴い発生する大量の掘削土を搬出するのですが、道路事情が悪く混雑する沿道の道路への影響を抑えるために、工事車両用の仮橋を仮設高架道路のように一部に架けているという方法が驚きで、その光景も想像のスケールを超えます。

でもやはり、土と水の対策が土木工事の中心のようです。甚之助谷地すべり対策では、標高2000mで動いている国内最大級の土塊に対して、影響している地下水をバイパストンネルを掘り、別な谷に流すための工事だそうです。高所で機械が入らないために、表紙写真の人の手による矢板工法で、最大級の地すべりの対策工事が行われているのも驚きです。

立山カルデラ内防砂事業では、今から150年以上も前の1858年の地震で、崩壊した鳶山の土砂がカルデラ内に残り、それが土石流などでの流出を防ぐための砂防堰堤工事などが、100年以上続けられているというのに驚きです。なぜそれほどまで…と思ってしまうのですが、流出の恐れのある土砂の量が、富山平野を約2mの高さで覆うほど…というので、なるほどと思うのです。