久野康成公認会計士事務所/株式会社東京コンサルティングファーム(TCF)の 【国際化支援ブログ】

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ラット・レースから抜け出そう!

2007年07月04日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)

『金持ち父さん・貧乏父さん』(ロバートキヨサト)のなかで、人生のラットレースから抜け出す方法は、フローの所得(会社からの給料)ではなく、ストックからの所得(不動産投資・株式投資)で生きていくことが示されています。

確かにこれも一つの生き方ではあるとは思いますが・・・私自身は、『仕事こそ最高の道楽』だと思っているので、フローから例え金銭的に抜け出せても、抜け出したいとは思いません。


誤解を恐れずにいえば、仕事(もっといえば、人生)とは、最高のゲームなのです。

これほど、複雑なルールのゲームは世の中に存在しません。
リセットできなく、後戻りもできなく、1度きりしかできないゲームなのです。




さて、森永先生の『年収300万円時代を生き抜く経済学』が大ヒットしたように、自分にはお金がないと思っている人が世の中にはたくさんいますが・・・

この先、さらに時代は悪化していきます。




米国の会計事務所に勤務したある女性が、入社する前は、知的な仕事を期待していたのに、実際に入ると、毎日、毎日インドへの書類のFAXだけだったという笑えない話があります。

米国では、すでに、税務申告書の作成は、インドへ外注するのが当たり前になりつつあります。

つまり、コンピュータ化された業務は、今後、急激に賃金水準が下がっていくのです。


インドの会計士の初任給は、10万円ほど(ただし、3年前の2倍になっています。)
経理5年経験者で5万円。未経験者で2万5千円ほどです。

日本と比較すると1/5から1/10です。



会計事務所の業務は、まさに知識労働者として生き残るか、同じネクタイをして仕事をしていても実態は、肉体労働者になるかの岐路に立たされています。

これは、IT業界も同じです。プログラマーの賃金は、どんどん下がっていきます。ただし、上流工程の基本設計ができる人の賃金は、上がっていくことでしょう。このような人材は世界的に不足しているからです。

また、当社は、人材紹介業をしているので、顧客からの正社員求人はものすごくあります。しかし、マッチする人材が非常に乏しいのです。



企業側は、管理者を求めています。しかし、登録者は職人的な業務を望んでいるのです。
職人的業務は、派遣で代替できます。
正社員として欲しい人材は、派遣では代替できない管理者業務なのです。


このような管理業務ができなければ、今後、正社員になることすらできなくなる時代がきます。これができなくても採用されるのは、一部の幹部候補生に限られてくるのです。
自分がどんな仕事をしたいかではなく、まずは企業側がいかなる人材を求めているかを熟知する必要があります。




ボーダレス化の社会では、仕事自体が、ワールドワイドで国際分業化がなされていきます。


日本の賃金水準は、国際的(中国やインドなど)にみれば非常に高いのです。国内で他者と比較して、高い低いといった議論をしてもしかたありません。


つまり、今後も、賃金の下落は避けられないものなのです。



もし、われわれが、金銭的に恵まれたいと思うのなら、国際分業の中でどのポジションをとって仕事をすべきかを考えなくてはなりません。


ネクタイ締めた「肉体労働者」がオフィスにあふれる時代になったのです。


世界的な分業体制をイメージし、その中でのポジション取りを考えて、仕事を行うこと(職種転換なども必要です)。


機械に取って代われない仕事を目指すこと。
これが、ラットレースから抜け出す方法です。


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