トランプ米大統領は12月11日、月面に再び米国の宇宙飛行士を送り込み、火星探査のための基地を造るよう指示する大統領覚書に署名した。
ホワイトハウスで行った署名式で「ただ旗を立て、足跡を残すだけでなく、将来の火星やその先を目指す礎を築く」と述べた。
オバマ前政権下で米航空里E局(NASA)が公表した計画では、将来の火星探査を見据え、2020年代に月の軌道に宇宙ステーションを建設することになっている。
新型ロケットや宇宙船の開発は前政権からそのまま引き継ぐが、トランプ政権は月面への着陸も明確に打ち出した。
ただ大筋は既に決まった内容をなぞっており、分かりやすい目標を掲げ自らの実績として強調したい狙いがあるとみられる。
飛行士が月面を探査する時期や、予算をどう賄うかは示さなかった。
月面への着陸は、国内の民間企業や国際協力を得ながら実施するとしている。
日本政府は12月12日、米国の月周回ステーション建設や、国際協力による有人月探査に参加を検討するとした宇宙基本計画工程表を正式決定しており、関係者からは「各国が協力しやすいよう早く具体案を提示してほしい」との声が上がった。
署名式には、1972年に最後に月面に立った飛行士の1人、ハリソン・シュミット氏も同席した。
トランプ氏は「彼を最後にしないと誓う。 月以外の着陸もやる」と明言した。
米国はアポロ計画で1969~1972年に6回、計12人の飛行士を月面に送った。
その後の有入活動は、地球を周回する国際宇宙ステーションにスペースシャトルで飛行士を運んだが、2011年のシャトル退役後は自前の有人宇宙船を持っていない。