中国の習近導部が最高指導部の一員だった実力者、周氏を標的にした本格的な調査に踏み切ったのは、「指導部の団結と安定」を損ないかねない要因を摘み取って権力基盤を固め、政権の安定を図るためだ。
周氏は薄元重慶市党委員会書記の後ろ盾として政変を図った疑いが指摘されている。
習指導部は周氏が「党を分裂させる行為」に関わったと結論を下した可能性が高く、徹底調査するとみられる。
従来タブーとされた共産党政治局常務委員の経験者への調査公表には、一部長老を含め党内から強い反発を招く可能性が否定できない。
習国家主席にとつては、今回の公表は政権の行方をかけた決断ともいえる。
薄元書記は党総書記に選出が決まっていた習氏らに対し、周氏とともに権力闘争を仕掛けたため、厳罰に処されたとみられている。
薄元書記をめぐる事件は天安門事件以来、「最大級の政治闘争」とされる。
周氏の後ろ盾だった江沢民氏や、江氏と対立していた胡錦濤氏ら歴代指導者も指導部の団結を堅持することで一致。
周氏を含む一連の事件に厳しい姿勢で臨む習氏を支持した。
1978年の改革・開放路線への転換以降、共産党は指導部の団結を優先して常務委員経験者への「調査」を控えてきた。
例外は、1989年に北京で学生らの民主化運動が武力弾圧された天安門事件に絡んで失脚した故趙元総書記で、事件直後に「動乱を支持し党を分裂させた」と批判され、党籍だけ残し全職務を解任。
死去した2005年まで軟禁された。
中国共産党の権力固めのための非人道的行動が続くことは、嘆かわしい。
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