安倍政権が進める日口平和条約交渉で、ロシア側が日米同盟による脅威などを理由に、1956年の日ソ共同宣言に明記された歯舞群島と色丹島の2島引き渡しの協議入りも拒否していたことが7月14日分かった。
複数の日口関係筋が明らかにした。
プーチン政権内で領土問題の譲歩による支持率低下の懸念が高まったためという。
日本側はロシア側に配慮し、北方四島は「日本固有の領土」との従来の主張を封印して2島返還での決着を図ったが、こうした安倍首相の戦略の行き詰まりが明確になった。
ロシア主導の交渉が続けば、さらに譲歩を迫られる恐れがある。
安倍氏は昨年11月のシンガポール会談で、1056年宣言を基礎にした平和条約交渉の加速化を提案、プーチン大統領も同意した。
このため、安倍政権内では「2島決着案」への楽観論が台頭、今年6月の20力国・地域首脳会議(G20大阪サミット)に合わせた日口首脳会談で大筋合意を目指す構想が浮上した。
だが、ロシア側関係筋によると、2島引き渡しに応落ち込むとの懸念が政権内で拡大。
引き渡し協議に応じない方針を決めたという。
シンガポール会談後、ロシア側は「1956年に署名された同宣言を現在そのまま適用できない」と主張。
特に、ロシアを敵視する米国の軍部隊が日米安全保障条約により日本各地に展開できることが脅威であり「こうした懸念を解消する具体的な回答を日本は示していない」として領土引き渡し協議を拒んでいる。
日口双方の関係筋によると、日本側が目指す2島引き渡しの具体的方法や、平和条約の条文に関する協議には一切入れていないという。
日口首脳は6月29日に大阪で会談し、1956年宣言に基づく交渉継続を確認した。
しかしプーチン氏は「日口関係を質的に新たな水準に引き上げる」よう要求。
貿易高の拡大や、国連での投票行動の擦り合わせなど新たな要求を突き付け、日本を翻弄している。
日本は経済協力を拒否すればよいのでは。
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