環境省が、家庭から集積所に出されたごみ袋を作業員が触らず、機械を使って収集する仕組みの開発に乗り出す方針を固めたことが8月13日、分かった。
新型コロナウイルスの影響は長期化が避けられず、作業員の感染防止策が必要と判断した。
集積所に置いた大型コンテナから、収乗車に取り付けた装置で積み込む海外の例を参考にする。
高齢化や人手不足に悩む作業員の負担を減らす狙いもある。
来年度予算の概算要求に研究費などを盛り込む方向だ。
実現には、新型の収集車の導入費用やコンテナを置くスペースの確保などが課題となる。
使用済みマスクやティツシュペーパーには大量のウイルスが付着している可能性がある。
これらが入ったごみ袋が収集作業中に破れ、中身が散乱すれば、作業員が感染リスクにさらされる。
作業員は、社会生活の維持に不可欠な「エッセンシャルワーカー」の一つでもある。
環境省によると、機械による非接触型のごみ収集は海外で導入例がある。
住宅街に大きなコンテナ型ごみ箱を用意したり、収集装置に対応したごみ箱を各戸の先に置いたりしている。
環境省はコンテナ型を念頭に検討を始めるが、日本では狭い路地のあちこちに集積所があり、海外のような大型の導入は困難。
比較的大きな通りに集積所を集約すれば住民の利便性が下がる。
小型だと1回で収集できるごみの量が少なくなるといった難点もある。
新たな収集システムの開発に当たっては、作業時の安全確保に加え、作業の効率化と住民の利便性の両立が求められる。
環境省担当者は「都市部や郊外部、地方によって違う形式になることもあり得る。
なるべく接触を減らした衛生的な仕組みを検討したい」と話している。
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