中国新疆ウイグル自治区カシュガルにある中国最大のモスク(イスラム教礼拝所)のイマーム(指導者)が「過激思想を広めた」として当局に拘束され、その後投獄されていたことが5月23日、分かった。
現職のイマームを含む複数の関係者が共同通信の取材に明らかにした。
懲役15年の判決を受けたという。
宗教指導者を養成する教師の拘束も相次いでいる。
習指導部がイスラム教の宗教施設をテロの温床とみて、自治区内の宗教関係者への圧力を強めていることが浮き彫りになった。
カシュガル出身のウイグル族関係者によると、投獄されたのはエイティガール寺院のイマームだったアブドウカディア・サウット氏で、2017年に拘束された。
約600年の歴史を持つ同寺院で「ハティプ」と呼ばれる説教師も務めていた。
エイティガール寺院の当局寄りのイマームは「(サウット氏は)過激思想を広めした」と述べ、投獄の事実を認めた。
区都ウルムチの宗教指導者養成学校「新疆イスラム教経典学院」でも2016年以降、少なくとも8人のウイグル族教師らが投獄されたとの情報がある。
自治区政治協商会議(政協)副主席を務める同学院の院長は一部は事実だと認め「法律を犯したために捕まった」と明らかにした。
自治区ではモスクの大規模な閉鎖や破壊も伝えられる。
エイティガール寺院のイマームは当局による宗教の抑圧を否定し「国や共産党を愛する心と信仰心は両立できる」と強調した。