近研ブログ

國學院大學近代日本文学研究会のブログです。
会の様子や文学的な話題をお届けします。

2010 夏合宿 感想

2010-08-06 12:10:54 | Weblog
 参加者の皆さん、三日間の合宿いかがでしたか?私はとても疲れました。
これからこの三日間の旅の思い出を簡単に振り返り、その感想を端的に述べてゆきます。

 一日目 七月三十日

 五時起床。出発の前日から慌しかった私は、それが納まらないまま旅路にでた。新宿駅の集合場所に着いたのは午前6時半、バスの受付には明かりが燈っていなく、人もまばらだった。集合場所で私が最初に会った人は幹事のM先輩だった。今回私は合宿委員を務めており、彼も同様であったためお互いに早めに到着したといった感じだった。二人で今後の予定のことを話し合いながら他のメンバーを待っていると、まず院生のRさんが現れ、続いてNさん、Hさん、Kさんが順次到着した。今年近研に入部したT君は若干遅れていたが、彼も無事到着。いよいよ合宿が始まるんだな、と私は思った。
 バスの受付には明かりが燈っており、人びとが経済活動を始めていた。私は受付の人から予約したバスチケットを受け取り、それを皆にくばった。そしてゲートの近くで待機し、係員の指示に従ってバスへと向かった。バスはピンク色の中型バスであり、ロケ用のバスといった印象を受けた。内装もピンク色をベースとしたもので、椅子はふんわりとやわらかめだった。(これがインターネットで書かれていた「リラックスシート」か。)

 仙台駅について、D先生とI先輩に合流した我々は慌しくバスに乗り、目的地の仙台文学館に向かった。文学館は丘の上にあり、周りに木々が並んでいた。中には井上ひさしや、伊坂幸太郎など仙台を舞台に作品を描いた作家の著書などがあった。中でも私が気になったのは中国の作家・魯迅を主人公にした井上ひさしの戯曲「シャンハイムーン」でした。作家が、それも外国人の作家が舞台の主役になっていることが私には珍しく思えました。

 予定より一時間も早くでてしまった我々は、宿について旅の疲れを癒しました。夜の飲み会で私はD先生に色々な「内に込めて」いたことを打ち明かしけてみました。しかし語るということは難しいもので、私は自らが質問しようとしていることの主旨すらもうまくまとめられずにいて、先生からの激的な指摘を受けるだけでした。酒にも負けてしまい、私はただ吐くしかありませんでした。


 二日目 七月三十一日

 五時半起床。泥酔していたはずだったが、すんなり起きられた。周囲を散歩、朝風呂。酔いはすっかり覚めていたようだ。

 我々は二日目の目的地、松島に向かった。そこで遊覧船に乗ったが、船の揺れが激しく、クルージングともいうべき感覚が味わえた。また餌を求めてカモメが集まってきた。私はカメラを手に撮ってみたが、カモメの姿が枠からそれてしまってうまく収まらなかった。船内で売られていた餌(河童えびせん)を子供たちがあげていた姿が微笑ましかった。
 一時間のクルージングを終えた後、我々は寺院に向かった。瑞巌寺へと向かう途中の通りにはたくさんの松の木が並々と立っており、その静かな景色の奥に目的地の瑞巌寺があった。中の寺院は生憎改装中であり、私は宝物館の展示物を堪能した。そこに気になる作品があった。それはある日本人が松島の海岸を描いた絵で、その中には夕焼けがでてその光が海に反射していた光景が描かれていたが、それを見て私はモネの「印象 日の出」を連想した。絵の雰囲気といい、「この絵の画家は印象派の影響を受けているな」と私は思った。
 
 次の目的地・円通院は、広い庭園だったので時間内に全て見ることができなかった。一つ気になったこととは、洋式の庭園が中にあったことである。さらにその庭園内には「アイコ」と名付けられた薔薇があり、これは皇太子殿下の子・愛子様の名から引用したものだそうだ。その薔薇は少し萎れていた。

 午前中を松島で過した我々は仙台に戻り、そこから美術館へと向かった。美術館にはカディンスキーといった画家たちの絵が展示されており、また佐藤忠良の彫刻もあった。我々はそこで遅れて参加したA先輩と合流した。

 宿に戻った我々一行は、O先生と合流し参加者全員で読書会をした。その後の飲み会ではまたしても私がD先生に色々と普段気になることを聞いてみたが、昨日と同様自分の論をうまく展開できずに、先生との討論は終ってしまった。D先生が去った後、残ったメンバーで語り合いを始めたが、そこでも私はうまく自分の言いたいことがいえなかった。
 酔いといえば、今日は酔わなかった。

 三日目 八月一日

 三日目の予定だった美術館を既に行ってしまったため、白紙の計画だった我々合宿委員は先輩たちの助けを借りて代替の計画をたて、そこを見て周った。
 まず仙台城跡に行って、そこで時間を費やした。しかし私はここまでの旅と精神的な疲労でまいっていた。仙台城を後にして、我々一行は晩翠草堂へと向かった。土井晩翠が過した旧居は今の日本にはない昔の日本住いで、その古さが私には味わい深く感じた。

 晩翠草堂を去った後、我々は昼食の場へと向かい、そこで牛タン丼を始めて食べた。今までの旅の疲れもあって、あの牛タンは格別に美味かった。昼食後、我々は自由時間となったが、その間私はM先輩と、T君とずっと喫茶店で話をしていた。話している間に時間はあっという間にたってしまった。そして我々は集合場所の仙台駅へと向かい、そこで解散した。

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 と、色々なことがあった今回の合宿でしたが、今回の旅で私の一番思い出となったことは飲み会でのD先生との話しのやりとりでした。目上の人に話す難しさも感じましたが、それ以前に自分が言いたいことが何なのか解らなかったことが、先生との話し合いで気付きました。もう少し自分の論をうまく組み立てて、先生や他の人とも語りあえるようになりたいと思いました。
 以上私の感想としましてはこのようなものになりました。

 他の人は今回の合宿いかがでしたか?ご感想お待ちしております。

 三年 石井