近研ブログ

國學院大學近代日本文学研究会のブログです。
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「肉体の門」 第二週

2007-11-13 00:46:26 | Weblog
四年の山本です。今週は「肉体の門」第二週目の発表でした。たくさんの参考資料で論じられていました。

「刺青」の分析では〈牡丹〉ではなく文字を刻んでいくことで、花として開いていかないことが暗示されていました。
「伊吹の生き方」では、価値転倒した世の中を楽天的に渡る姿が女達の憧れの的であり、焼け跡のヒーロー像として描かれていました。
「群からの離脱」では、ここが議論の中心になっていたのですが、伊吹はマヤにとって、モノとしての肉体でなく意志を持つ肉体の存在を教える者として描かれていました。
「鬼」の分析では、戦場で戦った兄や伊吹が、戦争で暴かれた鬼の顔をもつ人間として暗示されていました。
「肉体の思想」では、個人的には「肉体解放論」が面白いなと思いました。

発表者さんお疲れさまでした。次回は私の「知られぬ日本の面影」論です。