インドで6月12日に起きたボーイング787墜落事故において、燃料供給スイッチが両エンジンともにオフになっていたという。
戻り止め(detent)構造により操作には一定の力を要するため、誰かが意図的にオフにしたとしか考えられない、理由はメンタルヘルスの可能性があるという。
日本でも1982年2月に日航350便が羽田に着陸寸前にエンジンを逆噴射して海上に墜落、乗員乗客174人中24人が死亡、事故後の調査で原因は機長の精神異常とされた。この事故の後、「心身症」なる用語をよく聞くようになったように思います(不謹慎ながら、当時高校の同じクラスにK機長と同名の生徒がいて、早速あだ名が「機長」)。
大分前に読んだ「墜落の背景」(山本義明著、講談社、1999)によれば、K機長は当初順風満帆なパイロット生活だったが、1972年に精神を病んでいた姉が他界して以降、異常な言動が多くなり、事故前には日本が2つに分裂して戦闘しており、ソ連のスパイが暗躍しているという妄想に憑りつかれ、羽田着陸の直前に「敵に捕まって残忍な方法で殺されるよりも、自分から先に死んだほうがましだ」(p39)と考え、着陸許可が出て高度164フィート(約50m)になった時点で「イネ、イネ・・・」との声が頭に響き渡り、それが「死ね、死ね」との命令だと思い、エンジンを逆噴射した(p44)。周囲の同僚や家族も異常に気付いていたが、健診ではフライト可能と認定されていたという。
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