小部屋日記

映画、音楽、本…好きなものに愛をこめて・・
コメント、TB大歓迎です!

ブラックブック

2007-08-31 | ハ行の映画

Zwartboek:BLACK BOOK(2006/オランダ=ドイツ=イギリス=ベルギー)【DVD】

監督:ポール・ヴァーホーヴェン
出演:カリス・ファン・ハウテン/トム・ホフマン/セバスチャン・コッホ/デレク・デ・リント/ハリナ・ライン/ワルデマー・コブス

この愛は裏切りから始まる

「氷の微笑」「ショーガール」「インビジブル」のポール・ヴァーホーヴェン監督が23年ぶりに故国オランダに戻り撮り上げた作品。
ナチス・ドイツの戦争ものにしては勝手が違う、サスペンスタッチの娯楽作。
監督らしいエロ、アクションもしっかり描いてあって、力作ではないでしょうか。
2時間20分と長いですが、見応えがありました!

1944年のナチス・ドイツ占領下のオランダ。
若く美しいユダヤ人歌手ラヘルは、レジスタンスの助けによって逃れようとするが、何者かの裏切りによって両親や弟をナチスに殺されてしまう。
復讐のために名を変え髪の色を変え、レジスタンスのスパイとなり、ナチスの謀報部へ色仕掛けで潜入する。


敵であるナチスの人間でも、いい人もいるんです。
ラヘルは謀報部のトップであるドイツ人将校ムンツェを愛してしまう。
切手収集家でもあるムンツェは穏やかな人。
彼も妻子を空襲で亡くしていたのだ。
二人のラブシーンやトイレシーンなど、裸が多いのもポール・ヴァーホーヴェンらしいです^^;


戦争中はみな生きるために必死。敵と味方に分かれていても腹黒い奴もいる。
一番始末が悪いのは、仲間の裏切り行為。
信じていた人が実は密告者だったとか、裏で通じていたとか・・
戦争終結後の人間同士のいがみあいは醜い。
裏切り行為とみなされた者は、魔女狩り、いじめ・・・。
同国人同士だから、懲らしめ方も半端じゃない。
汚物まみれは、映画とはいえリアルすぎ!


そんな過酷な状況でもラヘルは生き抜くのだ。
女性はたくましいです!
誰が裏切り者なのか?誰が助かるのか?ハラハラドキドキの展開、謎解きの面白さもありますね。
ブラックブックの存在よりも、チョコレートがポイントに思えました。

ラヘルを演じたカリス・ファン・ハウテンはヨーロピアン美女。
彼女は007最新作「Bond22」のボンドガールとして交渉中という噂・・

戦争の悲惨さはもちろん、人間の表の顔と裏の顔は恐いね。
人間を信用するな!という台詞は悲しい。
視点を変えた戦争娯楽映画でした。

「ブラックブック」公式サイト

★★★★(5段階☆は0.5)

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9月に観たい映画♪

2007-08-30 | 映画全般
もうすぐ8月も終わり・・
今月は暑かった~(*´Д`)
さてさて9月の映画ラインアップをさっそく発表!

デス・プルーフ in グラインドハウス
公式サイト(113分)【9/1公開】


映画オタクとして知られるクエンティン・タランティーノ監督が、リスペクトする1970年代から80年代のB級ホラーにオマージュを捧げたエキセントリック・ムービー。
アドレナリン全開のカーチェイス×ガーリー・ムービー。^^;
出演はカート・ラッセル、ロザリオ・ドーソンほか <R-15指定>


ミス・ポター 公式サイト(93分)【9/15公開】


世界で一番愛されているうさぎの誕生に秘められた感動の物語。
ピーターラビットの生みの親、ビアトリクス・ポターの波乱に満ちた半生。
本への熱意、恋に破れた彼女を救ってくれた豊かな自然。
湖水地方の美しい風景は必見!
ポター役にレニー・ゼルウィガー、編集者役にユアン・マクレガー


スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ 公式サイト(121分)【9/15公開】


鬼才監督、三池崇史が放つ異色和製ウエスタン活劇。
日本映画なのに全編英語セリフ・・・恐る恐る観たい(笑
源平の決戦から数百年後。伝説の“お宝”を捜し求め、源氏軍と平家軍が抗争を操り広げていた。そこに、心に傷を負った1人のスゴ腕ガンマンが流れ着く。
主題歌は北島三郎。コテコテなつくりの予感^^;
伊藤英明、佐藤浩市、伊勢谷友介など豪華なキャスト!<PG-12指定>


ファンタスティック・フォー/銀河の危機 公式サイト【9/21公開】


宇宙放射線を浴びて超人となった4人組“ファンタスティック・フォー”が、地球のために戦う人気アメコミの映画化第2弾。
今回は、銀色のサーフボードを操る未知の生命体、シルバーサーファーが4人の前に現れる。
異常現象を起こし、現れた惑星は8日間で滅亡してしまうという彼の本当の目的は?
リード、スー、ジョニー、ベンの4人のメンバーが、人類を救うために立ち上がる!
ジェシカ・アルバ来日中止はちょっと残念・・・


パーフェクト・ストレンジャー 公式サイト【9/29公開】


ラスト7分11秒まで、真犯人は絶対わからないー。
アカデミー賞主演女優賞に輝いたハル・ベリーと、ブルース・ウィリスの夢の競演。
誰もが容易に別人になりきれるインターネットの世界と秘密に満ちたニューヨークの広告業界を舞台。
観るもの全てが騙される究極のサスペンス。完全な別人は誰だ??<PG-12指定>


幸せのレシピ 公式サイト(104分)【9/29公開】


ドイツ映画『マーサの幸せレシピ』をハリウッドでリメイクしたハートウォーミングなラブストーリー。
人気レストランの料理長を務める女性が、思いがけない出来事をきっかけに新しい自分を見つけ出す姿を描く。主人公のシェフをキャサリン・ゼタ・ジョーンズ。
おいしそうなお料理が見たいな。


脳内メーカー/脳内フェチメーカー

2007-08-28 | お遊び
いつもお世話になってますちゃぴちゃぴさんが紹介してくれた脳内メーカーを私もやってみました!
ブームに出遅れてますが・・・^^;

★アイマックの脳内


うーん、アイマックは半分悩んでます。
ブログは楽しいけど、なかなか更新できず悩みまくってるからなあ。
松井の掲示板では遊んでいます。時間がもっとほしい。

★本名の脳内


80%遊び人でした・・笑
人並みに悲しいこともあるし、秘密もあるってことね^^


脳内フェチメーカーもやってみました!
フェチは脳内メーカーシリーズの4作目らしい。

★アイマックの脳内フェチ


は最近「毛皮のエロス」という映画を観たせいだな(笑)
も毎日キーボードをたたいてるせい?
指は脳とつながってるから密接な関係がありますね。
男性の骨張っていても綺麗な指は好きかなあ。
がよくわからん。。

★本名の脳内フェチ


ええええええ・・・お尻フェチではないよー。キッパリ^^;
男女にかかわらず、体のパーツでお尻には興味ないのになぜなぜ??
って・・・なんだろう???><
どちらかというと、私は肩フェチ。
広くてがっちりした肩はいい~見本は松井秀喜ですね^^/

みなさんのフェチ、教えてほしいな

シッコ

2007-08-26 | サ行の映画

Sicko(2007/アメリカ)【劇場公開】

ムーア先生、急患です。
テロより怖い、医療問題。


『ボウリング・フォー・コロンバイン』『華氏911』のマイケル・ムーアの新作ドキュメンタリー。
Sickoとは、ビョーキ(精神病者)という意味とか。
今回はアメリカの保険制度の実態を描いています。
監督、13キロ減量(^^;)して突撃取材スタート!!
ドキュメンタリーなので、ネタばれというかそのまんま書いてますので要注意。

アメリカの実態
仕事で指を2本切断してしまったが、1本しか治療できなかった男性。
病気でも保険会社から保険が下りず、結局亡くなってしまった夫。悔し涙を流す妻・・・
腰痛の薬がなんと2万円!これじゃあ風邪もひけない。


先端医療の国アメリカという印象が強いですが、国民はまず個人で保険に加入しなければならないのです。だからお金のない人は入れない。
保険会社に加入していても高い保険料かつ保険が効かない病気や薬もあって、なんの意味もないこと。
太り過ぎ、やせ過ぎも入れません。。

どうしてこんな制度になってしまったかというと、やはり政治家が絡んでいるのです。
ニクソン時代につくられたシステムですが、政治家と保険会社の癒着。利益重視の保険会社など、黒い関係の存在。
よって弱者、高齢者に冷たい社会となるわけです。


ほかの国のケースが興味深かったですね。
イギリス、カナダ、フランスともに医療費はタダ。
カナダの場合、出産費用はもちろんなしで「これは当たり前だろ!」という夫婦に驚くムーア監督。
フランスの有給制度、育児制度の充実にはへぇ~ですよ。
そのかわり高い税金を払ってると思うけどなあ?
そこのところを深く追求してほしかった。

9.11の時に活躍した救命士たちが治療を拒否され、今も苦しんでいる事実は深刻です。
救命士たちを仮想敵国であるキューバに連れて行き、彼等に治療をうけさせるところはムーア監督らしいアポ無し突撃取材でしたね。
キューバの医師に「感謝してます!」といって涙を流すアメリカ人女性には泣けた・・・

それぞれの国にはいろいろ事情はありますが、人が人を助けるという思いやりの心は忘れてはいけないと思った。
日本も人事ではなく、アメリカの制度に近付いているような気も^^;
身近な問題でもあるので、観て損はないです。

「シッコ」公式サイト

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祝ランキング!皆様ありがとう♪

2007-08-25 | ごあいさつ
gooブログは1000位以内だとランキングに掲載されますが、
938,899 BLOG中、695位にランクインしてました!!(今頃気付きました・^^;)

最近は1日の訪問者が150人~250人で励みにしておりました。
今週の日曜日にはじめて300人を突破し、映画の感想を通じて、映画を愛する方々と語らうことができて、毎日が楽しいです。

平日はブログの時間がとれず、コメ&TBが遅れがちで申し訳ないと思っております。
ごめんなさい!

みなさまには感謝です!

どうもありがとう~


映画バトン(´∀`)

2007-08-24 | バトン
いつもお世話になってます年がら年中爆走するブログ!!のshitさんより、強引に映画バトンをいただいてきました~♪笑
それにしても遅くなっちゃったな・・・shitさん、すんまそん。
ではレッツGO!!

1.生まれて初めて劇場で見た映画は?
(愛しの映画バトンより参照)
中学生の時に友達と泣ける映画を観にいった。
子供が主人公の友情ものだったと思う。
マイナーな映画でタイトルが思い出せない。

2.一番最近劇場で見た映画は?
「怪談」感想レビュー

3.最近DVD(ビデオ)で見た映画は?
「世界最速のインディアン」感想レビュー

4.一番良かった白黒映画は?

「情婦」
タイトルのイメージとは違う大どんでんがえしの映画で面白かった。
原作はアガサ・クリスティの「検察側の証人」。
法廷劇ですが、まんまと騙された映画でした。

5.一番良かったアクション映画は?


「トリプルX 」  
ストリートのワルがスパイになって活躍する映画。
ヴィン・ディーゼルがかっこよくて、アクションも最高!(そんなアホな!というシーンもあるにはある・笑)
脇役(サミュエル・L・ジャクソン、アーシア・アルジェント)もよい。

6.一番良かったロマンティック映画は?


「ティファニーで朝食を」
オープニングの宝石店ティファニーの前でパンをかじるオードリー・ヘップバーンに釘付けになる。1961年製作とは思えないほど古くさくない。
ラストの猫もいい脇役。♪ムーンリバーは名曲ですね!

7.一番良かったアニメ映画は?


「カーズ」
車が話すの??と見る前は違和感があったけど、これがなかなかいい映画。
映像美はさすがピクサー。音楽もいいし、大人でも共感できるストーリーでした。

8.一番良かったミュージカルは?


「ムーラン・ルージュ」
私の一番のお気に入りの映画。
豪華絢爛、アバンギャルドな雰囲気と映像。なんといってもユアン・マクレガーとニコール・キッドマンの生歌が最高!!
ユアンが歌う「ユア・ソング」は酔ってしまいそう。
前半はコメディ、後半は悲恋ものとおもいっきり楽しめました!!

9.旅をしたくなる映画は?


「モーターサイクル・ダイアリーズ」
革命家ゲバラの若き日の放浪日記。
南米の自然が美しく、空中都市マチュピチュも出てきます。
旅はいろんなことを教えてくれるし、人を変える。
ゲバラ役のガエル・ガルシア・ベルナルの美しい瞳が印象的でした。

10.見るとお腹がすく映画は?


「ショコラ」
チョコレートが頑な人々を溶かしていく、おとぎ話のようでもあるストーリー。
チョコがおいしそうで、思わず食べたくなる。
ジョニー・デップがギターを弾いてくれちゃいます!

11.泣きたい時に見る映画は?


「ブロークバック・マウンテン」
原作で泣き、映画でも泣いた。二人の男の20年にわたる愛に胸が張り裂けるぐらい、せつない物語だった。泣きたいときは悲恋ものをみるのは定番かな。

12.途中で止めた映画は?
これはいっぱいありすぎて、思い出せない・・・とほほ

13.元気が出る映画は?


「チアーズ」 
キラキラ青春もの。キルスティン・ダンストがイキイキしてかわいい。
チアリーディングの裏の世界も楽しめる。音楽良し!ダンス良し!ノリも良し!

14.何回でも見れる映画は?
「ムーラン・ルージュ」
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」
「ブレードランナー」

「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」は30回は観てると思う^^;
何回観ても懲りない。

15.絶対に薦めない映画は?
難解な映画は、人にはオススメはしないでしょうね。


16.今まで観た映画で一番怖かったのは?
「リング 」
ジャパニーズモダンホラーの代表的作品。
“あの”シーンだけは、鳥肌がたつほど不気味・・・。

17.人生の勉強になる映画は?
映画はいろんなことを教えてくれるので、いつも勉強になってます。
人間のすばらしいところ、愚かなところ、みな見せてくれますね。

18.好きな映画のジャンルは?
基本的にはサスペンス、アクションものが一番すき。
ドキュメンタリーぽいのもいいですね。
ラブストーリーもたまにはみるし、コメディも最近よく観るようになりました。
面白ければ、なんでも観るということです☆ニヤリ

映画関係のバトンは楽しいですが、ひとつには決められないのがむずかしいところ。
せっかくなので、次の方にバトンをまわします。
いつものようにお願いしに伺います☆
もちろんスルーでもOK、いつでも構いません!
自分もやってみたい!!という人も募集中だよん。

コピペ用
●映画バトン
1.生まれて初めて劇場で見た映画は?
2.一番最近劇場で見た映画は?
3.最近DVD(ビデオ)で見た映画は?
4.一番良かった白黒映画は?
5.一番良かったアクション映画は?
6.一番良かったロマンティック映画は?
7.一番良かったアニメ映画は?
8.一番良かったミュージカルは?
9.旅をしたくなる映画は?
10.見るとお腹がすく映画は?
11.泣きたい時に見る映画は?
12.途中で止めた映画は?
13.元気が出る映画は?
14.何回でも見れる映画は?
15.絶対に薦めない映画は?
16.今まで観た映画で一番怖かったのは?
17.人生の勉強になる映画は?
18.好きな映画のジャンルは?



世界最速のインディアン

2007-08-21 | サ行の映画

The World's Fastest Indian (2005/アメリカ)【DVD】

監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:アンソニー・ホプキンス/クリス・ローフォード/アーロン・マーフィ/クリス・ウィリアムズ/ダイアン・ラッド/パトリック・フリューガー

惚れた。信じた。追いかけた。

劇場で観損ね、やっとDVDで鑑賞!
“心は18歳”の63歳のじいさんのスピードにかけた夢と冒険の物語。
実話というのが凄い。このじいさんが愛すべき人。
世界にはアッといわせる人たちがいっぱいいますね。
とってもいい映画でした!

舞台は1960年代、ニュージーランドに住むバート・マンローというじいさんが主人公。
インディアンというのは愛車の名前。
年金を節約してバイクの改造に励んでいる毎日。
世界最速の記録を出すため、アメリカのボンヌヴィルの塩の平原で行われるレースに参加するのがバートの夢。
映画を観ていくうちに気づくことがある。
悪い人がでてこないのだ。


近所に住むぼくちゃんは一風変わったじいさんが大好きで、親の目を盗み遊びにくる。
アメリカの渡航費用を出してくれた女性。ヤンキーな兄ちゃんはおこづかいをくれる。
バートをアメリカ行きの船に乗せてくれた乗組員。
アメリカに着き、泊まったモーテルの受付嬢、中古車店のおやじなど、バートが出会う人たちはみ~んないい人ばかり。
ありえないと思うけど、それはバートが魅力的なキャラだから。


自然体、気の向くまま、純粋・・・
人を警戒することもなく、見てる方は騙されやしないかとハラハラする。
でもさ、地球の裏側からきたこのじいさんにみんな親切なんです。
それがこの映画のいいところ。優しい心になれる。


バートの型破りさは恐れ入る。
物を大事にする(リサイクルの達人!)、無駄をしないところは見習いところ。
貧しくても余裕があるというか、人生を楽しんでいるんだね。
こんなふうに老後を過ごせたらと思う。

人生、恐れてたらダメ。一寸先は闇。

普通、年をとると躊躇してしまうことはいっぱいある。
あえてリスクを背負い、ボロボロになりながらスピードに挑むバートの姿は感動する。
バートのまわりの人たちがみな存在感があって、しっかりと描かれているところもよかったです。

真っ白い塩の平原、乾いた青い空、赤い車。
終盤のレースのシーンは、インディアン号にがんばれ!がんばれ!って応援してました。
アンソニー・ホプキンスは、ハンニバルシリーズのレクター博士とは180度違う演技で、巧い俳優さんですねえ。

人の善意の心地良さ、主人公の健気さが微笑ましく清々しい映画でした!

「世界最速のインディアン」公式サイト

★★★★★(5段階☆は0.5)

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毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト

2007-08-19 | カ行の映画

Fur: An Imaginary Portrait of Diane(2006/アメリカ)【DVD】

監督:スティーヴン・シャインバーグ
出演:ニコール・キッドマン/ロバート・ダウニー・Jr/タイ・バーレル/ハリス・ユーリン/ジェーン・アレクサンダー/エミー・クラーク

その下の彼自身に夢中だった

実在の写真家ダイアン・アーバスにオマージュを捧げる官能ラブストーリー。
人によっては変態映画(´∀`)にされてしまうような内容ですが、そこそこいいです。
美しく透明感のあるニコール・キッドマンが演じたからこそ、最後まで観られたかも^^ゞ

まずダイアン・アーバスという人を紹介。
今まで知らなかったですが、アメリカでは有名な写真家。

1923年3月14日ニューヨーク生まれ。
写真家アラン・アーバスと結婚し、ファッション写真家として出発する。その後リゼット・モデルに学び、作家活動を開始、倒錯者へと被写体を移す。
フリークス(変わり者)たちが具有した精神的外傷を彼女は共有し、彼らを「貴族だ」と結論。
1967年、ニューヨークの近代美術館の「新しいドキュメント」に出品し評価を高める。1969年に夫と袂を分かち離婚、その2年後の1971年7月に大量のバルビツル酸塩を飲み、自ら手首を切って死去。(公式サイトより)



伝記物ではなくて、ダイアン・アーバスの心の軌跡を象徴化した作品。
NYの裕福な家に生まれ、幼いときから大人が見ちゃ駄目!というものを見たがる女の子。たとえば遺体とか・・・
とても好奇心旺盛。
結婚し、カメラマンの夫の助手をつとめますが、もの足らない毎日。
その彼女の前に多毛症の男が現れ、ダイアンの人生はかわっていく。

フリークス[性倒錯者、小人、巨人、精神病院の収容者などの人たち]に心を奪われ、彼女は彼等と仲良くなるのですが、夫やまわりは嫌がります。
端から見たらグロテスクな人たちでもダイアンにとっては心が満たされる存在。
彼女はカメラを手に取る。

ほかと違う者への興味→自分をもっと表現したい→心の解放。


押さえつけられたものが、一気に爆発するダイアン。
多毛症の男ライオネルに恋をし、親密な関係へ。
ライオネルの全身覆い尽くした毛を剃るダイアン。
官能的なシーンです。
きっかけは何であれ、貞淑な妻におさまりたくないという自由に憧れた一人の女性の自立の話にもみえました。

髪をダークに染め、薄化粧のニコールは不思議系女性が似合う。
多毛症の男を演じるのがロバート・ダウ二ー・Jr。
ほとんど仮面をつけてると同じなので難しい役どころですが、ミステリアスな低い声がいい。

一風変わった内容ですが、イマジネーションの世界はおもしろかったです。
ただ、静かな音楽、ロバート・ダウ二ーとニコールのささやき声、前半は単調で途中眠くなるのが難点^^;
内容的に誰にでもおすすめできる映画ではないなあ。

ダイアン・アーバスは、映画の中にも出てきたヌーディストのライフスタイルも被写体でした。独特な感性ですね。
写真を見てみたい。
芸術って人にはなかなか理解されないものでもあります。

「毛皮のエロス」公式サイト

★★★☆(5段階☆は0.5)

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DOA/デッド・オア・アライブ

2007-08-15 | タ行の映画

DOA: Dead or Alive(2006/アメリカ=イギリス=ドイツ)【DVD】

監督:コーリー・ユン
出演:ジェイミー・プレスリー/ホリー・ヴァランス/サラ・カーター/ナターシャ・マルテ/デヴォン青木/エリック・ロバーツ

そのルックスで殺す

思いっきりB級作品です
熱狂的な人気を誇る格闘ゲームの完全映像化で、監督は「トランスポーター」のコーリー・ユン。
セクシー美女たちの激しいアクションは男性必見!!
安っぽさはあるものの、ノリを楽しむ映画ですね。私は好き!
東洋趣味がなんともいえないというか、ここまでくると許しちゃうかな。


行方不明の兄の足取りを追って抜け忍となった女忍者・かすみ(デヴォン青木)。
東シナ海で開催される世界最強のファイターを決めるトーナメント“デッド・オア・アライブ”に招待される。
世界からあらゆる格闘家が集まり、トーナメントが進む中、主催者側の黒い陰謀が明らかになる・・・・


元のゲームを知らないのでえらそうに言えませんが、主人公かすみ(たぶん)が住む「石狩の忍者村」(!)や家来たちがどうみても中華風。
でも広場の大鳥居、大仏は日本風でもうめちゃくちゃですわ(笑)

登場人物たちもゲームキャラぽいです。
かすみを守る忍者“リュウ・ハヤブサ”役に、祝ハリウッドデビューのケイン・コスギ。
マーシャル・アーツの達人はさすがの技を見せてくれます。
とにかくエロ~い美女たちが、カラフルな水着でビーチバレーしたり、大男たちをKOさせるシーンは見どころ。


鍛え抜かれたヒロインたちのワイヤーアクションが美しい。
デヴォン青木の衣装はきれいで、彼女は元モデルさんだから着こなしもいいね。
竹やぶの中での女同士の格闘は、『グリーン・ディスティニー』『LOVERS』もどき。
ゲーム感覚、ビジュアル重視の映画なので、内容はないですが・・・。。
主催者役にジュリア・ロバーツのお兄さんのエリック・ロバーツ。


殺し屋兼強盗クリスティ役のホリー・ヴァランスは、ムエタイ経験者とか。
強い蹴りは本物!!
気楽に観られて、おもしろかったです。

「DOA/デッド・オア・アライブ」UK公式サイト

★★★☆(5段階☆は0.5)

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怪談

2007-08-14 | カ行の映画

(2007/日本)【劇場公開】
監督:中田秀夫
出演:尾上菊之助[5代目] /黒木瞳/井上真央/麻生久美子/木村多江/瀬戸朝香

ずっと、ずっと、ずっと、あなただけ。

お盆ということで(笑)「怪談」を観てきました!
恐くないって聞いてましたが、やっぱり日本の怪談話は恐かった~
「リング」シリーズの中田秀夫監督、5年ぶりの日本映画。
三遊亭円朝の傑作「真景累ケ淵」(しんけいかさねがふち)を題材にした愛と情念の物語。悲恋ものですね。
丁寧につくられてあって、幽玄な音楽も雰囲気を出してます。
欧米、アジアほか世界40か国に配給されるとのこと。

たばこ売りの新吉(尾上菊之助)と三味線の師匠・豊志賀(黒木瞳)。
実は二人は親の代から続く不思議な縁で結ばれていたんです。
新吉の父親は20年前に豊志賀の父親を殺していた。
運命のいたずら・・・
二人が初めて出会うシーン、お互い目をあわせた瞬間、空気が止まったかのよう。


新吉役の尾上菊之助がびっくりするほど色っぽい!!
セクシーじゃなくて、江戸時代のおとこの色気。

歌舞伎役者さん特有の目の演技、目で殺すタイプだな・・・
そこにいるだけで、女性が寄ってきそうですよ。
豊志賀は、その目にはまったんだろうな。自分にはない若さもね。


二人は恋をし、新吉は豊志賀の家に居つくようになる。
だが、豊志賀の愛はいつしか嫉妬を生み、新吉とのいさかいで顔に傷を負う。
まるで四谷怪談のお岩さんみたいです。

色男の新吉は女性に優しいのでモテモテ。
そんな姿を想像する豊志賀は哀れになるぐらい苦しむ。
そして「このあと女房を持てば、必ずや、とり殺す」と書き残し死んでいく。
ここまで思われる男って幸せ!といいたいけど・・・恐い。。

その後、江戸を逃げ出した新吉ですが、彼に思いを寄せる女たちが次々と恐怖の惨劇に巻き込まれるのだ。
弟子のひとり、その叔父の娘、芸者あがりの女(自業自得でもある)。
豊志賀の恨みは深くて悲しい。
新吉もそんなに悪い男にはみえないけど、因果応報。


夏の花火、冬の情景、日本の四季の映像は美しいです。
駕籠の中から手が出るところは、場内どよめきが起きましたねえ。ドッキリ
こういう演出はリングっぽいです。
〈親の因果が子に報い〉運命に逆らうことができなかった男女のせつない話。
新吉は死後も豊志賀から離れられないだろうな。
ピチャピチャ感は、日本特有のじめじめした恐さで、日本映画らしくよかったです。

黒木瞳は着物姿もきれいで、官能的だった。瀬戸朝香、ワルな女がぴったり。
なんといっても尾上菊之助はハマリ役!
累ケ淵での鎌で大立ち回りもがんばってたね。
浜崎あゆみの主題歌は、意外にもホッとさせてくれました。

「怪談」公式サイト

★★★★(5段階☆は0.5)

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