(2007/日本)【劇場公開】
監督:中田秀夫
出演:尾上菊之助[5代目] /黒木瞳/井上真央/麻生久美子/木村多江/瀬戸朝香
ずっと、ずっと、ずっと、あなただけ。
お盆ということで(笑)「怪談」を観てきました!
恐くないって聞いてましたが、やっぱり日本の怪談話は恐かった~
「リング」シリーズの中田秀夫監督、5年ぶりの日本映画。
三遊亭円朝の傑作「真景累ケ淵」(しんけいかさねがふち)を題材にした愛と情念の物語。悲恋ものですね。
丁寧につくられてあって、幽玄な音楽も雰囲気を出してます。
欧米、アジアほか世界40か国に配給されるとのこと。
たばこ売りの新吉(尾上菊之助)と三味線の師匠・豊志賀(黒木瞳)。
実は二人は親の代から続く不思議な縁で結ばれていたんです。
新吉の父親は20年前に豊志賀の父親を殺していた。
運命のいたずら・・・
二人が初めて出会うシーン、お互い目をあわせた瞬間、空気が止まったかのよう。
新吉役の尾上菊之助がびっくりするほど色っぽい!!
セクシーじゃなくて、江戸時代のおとこの色気。
歌舞伎役者さん特有の目の演技、目で殺すタイプだな・・・
そこにいるだけで、女性が寄ってきそうですよ。
豊志賀は、その目にはまったんだろうな。自分にはない若さもね。
二人は恋をし、新吉は豊志賀の家に居つくようになる。
だが、豊志賀の愛はいつしか嫉妬を生み、新吉とのいさかいで顔に傷を負う。
まるで四谷怪談のお岩さんみたいです。
色男の新吉は女性に優しいのでモテモテ。
そんな姿を想像する豊志賀は哀れになるぐらい苦しむ。
そして「このあと女房を持てば、必ずや、とり殺す」と書き残し死んでいく。
ここまで思われる男って幸せ!といいたいけど・・・恐い。。
その後、江戸を逃げ出した新吉ですが、彼に思いを寄せる女たちが次々と恐怖の惨劇に巻き込まれるのだ。
弟子のひとり、その叔父の娘、芸者あがりの女(自業自得でもある)。
豊志賀の恨みは深くて悲しい。
新吉もそんなに悪い男にはみえないけど、因果応報。
夏の花火、冬の情景、日本の四季の映像は美しいです。
駕籠の中から手が出るところは、場内どよめきが起きましたねえ。ドッキリ
こういう演出はリングっぽいです。
〈親の因果が子に報い〉運命に逆らうことができなかった男女のせつない話。
新吉は死後も豊志賀から離れられないだろうな。
ピチャピチャ感は、日本特有のじめじめした恐さで、日本映画らしくよかったです。
黒木瞳は着物姿もきれいで、官能的だった。瀬戸朝香、ワルな女がぴったり。
なんといっても尾上菊之助はハマリ役!
累ケ淵での鎌で大立ち回りもがんばってたね。
浜崎あゆみの主題歌は、意外にもホッとさせてくれました。
「怪談」公式サイト
★★★★(5段階☆は0.5)
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