Lust,Caution/色・戒(中国・アメリカ)【DVD】
監督:アン・リー
出演:トニー・レオン/ワン・リーホン/タン・ウェイ/ジョアン・チェン
あなたはタブーを目撃する。
2007年度ヴェネチア国際映画祭にて金獅子賞と金オゼッラ賞(撮影賞)を受賞。
『ブロークバック・マウンテン』のアン・リー監督最新作。
タイトルのラストは色欲のことだったのね^^;
激しい性描写が話題となり、アメリカではNC-17指定、日本ではR-18指定、中国では7分間短縮されたバージョンが公開された。
ねっとりとしたいい映画です。
story
1940年前後、日本軍占領下の上海。ワン(タン・ウェイ)は女スパイとしてイー(トニー・レオン)のもとへ送られる。しかし、大臣暗殺を企てる抗日青年との間で心が揺れ動くワンは……。(シネマトゥディ)
第二次大戦中の日本占領下の香港、上海が舞台。
抗日運動に身を投じた女子学生チアチーが、女スパイとして抗日組織の摘発を指揮するトップの男イーを誘惑する。学生の演劇仲間の革命ごっこだったのが、本気になってしまう。
お話はとてもシンプル。
趣があるというか、登場人物たちのファッション、当時の上海、香港の雰囲気がよく描かれていて、映像的によかったです。いろいろなデザインのチャイナ服も楽しめる。
言葉では表現できない、まなざし、しぐさを読み取っていくおもしろさがある。
目配せなど、いわなくてもわかるだろうというのは東洋的なんだろうか・・
チアチーは諜報活動としてイーに近付き、二人は関係をもつんだけど暴力的な行為からはじまる。
されるがままのチアチー。その後の密会でも激しい行為〈肉と肉とのからみあい・・・〉が続く。
疑り深く、誰の言葉も信じなかったイーが、彼女を信じるようになる。
チアチーがイーのために「糸と針」の歌を歌ったとき、イーが涙ぐんだシーンが印象的だった。
歌に真心を感じたんだろうね。
クライマックス、何も疑わずチアチーの後をついていったイー、チアチーのぎこちないそぶり。
イーがチアチーに贈ったダイヤをみて「ダイヤには興味がない、指輪をつけた君の姿が見たいんだ」というキザな台詞に、チアチーの目が赤くなる。
そのとき、彼女は
己の愚かさを知ったんだと思う。
国を取り戻そうとした自分は未熟だったこと、仲間を裏切ったことは、彼女の頭の中にはすでになかった。
こうなることはわかっていたのかもしれない・・
後になって考えさせられる映画で、愛してはいけなかった男女の切ない物語でした。
トニー・レオンは東洋人男性特有の色気がある俳優さんですが、今回は渋い。
激しいセックスシーンにはびっくりしたなー、、DVDでは大きいボカシ、一か所あり^^;
険しくも感情のない目、だがベッドシーンになると、野獣のようなパッションが感じられるんです。
大抜てきされたタン・ウェイは、新人女優にはみえない大胆不敵な演技。すごいな。カフェで香水をつけるしぐさが、エレガントで美しかった!
女性同士のマージャンシーンも、なかなか楽しい。
イーが車に飛び込むシーンは、あまりの素早さにちと笑い。
映画っておもしろい。
★★★★☆(5段階☆は0.5)
「ラスト、コーション 色|戒」公式サイト
ブログ王ランキング