小部屋日記

映画、音楽、本…好きなものに愛をこめて・・
コメント、TB大歓迎です!

フランキー・ワイルドの素晴らしき世界

2007-04-30 | ハ行の映画
It's All Gone Pete Tong
(2004/イギリス・カナダ 92分)【DVD】

監督 :マイケル・ドース
出演 :ポール・ケイ/ベアトリス・バタルダ/マイク・ウィルモット/ケイト・マゴワン

劇場で見損ねて、DVD リリースされたので早速鑑賞。
天才DJが、突然聴力を失う。
絶望の淵に立たされたとき、ある女性との出会いが彼を変えた。
爆音の世界から、沈黙の世界へ・・・
彼が見た素晴らしき世界とは?!


仕掛けがある映画でもあります。

スペインの高級リゾート地イビサ島。
人気クラブが連ねるこの島で、世界的に有名なDJ兼音楽プロデューサーでもあるフランキー・ワイルドが、今日も客たちに迎えられていた。


セレブな彼の暮らしぶりは、お酒、ドラッグに溺れた享楽的な毎日。
乱れた生活の部分は不快に感じます。
そんな世界に満足していた彼だが、ある日突然聴力を失ってしまう。
音楽家としては致命的・・・
作曲家ベートーヴェンを思い浮かべてしまいますね。


少しずつ聞こえなくなっていくところが、辛い。
音声がパタッと途切れる部分は、フランキー自身の耳でした。
音量を最大にしても聞こえない・・まわりに隠していたが隠しきれなく、フランキーは仕事も妻子もすべて失う。
他人は残酷なことをしますね。

何もかもなくした時に本当の自分がみえてくるんです。
彼は読心術の教師ペネロペと出会う。
相手の話を理解するのは、唇、舌の動き、そして表情、耳以外の感覚を研ぎすますこと。
フランキーは音楽を視覚と振動で捉えることで表現できることがわかり、再びDJとして復帰するのだ。


ラストはとってもよかった。
フランキーは新しい人生の一歩を踏み出したのです。
今に満足していても、いつ不幸が襲ってくるかもしれない。
窮地に立たされたとき、人は別の自分を発見するんだね。

ダンスミュージックを知らなくても楽しめるし、なんといっても主人公フランキー役のポール・ケイ(「マッチポイント」に出てたらしい?)の熱演にひきこまれました。
はじまりはイカレた映像に嫌な感じをうけたけど、後味はすごくいい。
“フランキー・ワイルド”という人間の魅力に圧倒された映画でした☆


「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」公式サイト

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愛しのモンスターバトン

2007-04-29 | バトン
いつもお世話になってます白くじらさんより、バトンを受けとりました。
どうもありがとうございます♪

モンスター映画というと、あまり観てないですね。^^;
自分が思いついたモンスターたちをとりあげてみました!

【1】好きなモンスターは?


ひとつめは「スピーシーズ 種の起源」の女エイリアン。
生殖本能丸出しで、健康な男をみつけると強引に肉体関係へ・・・
薬をやってる人間は拒否。わかりやすいキャラでいい。
美女から宇宙人に変身するところがおぞましい。
映画はB級テイストなのに、オスカー俳優(ベン・キングスレー、フォレスト・ウィテカー)など豪華な出演者にびっくり。


ふたつめは「インビジブル」の天才科学者。
人間を透明化する血清を発明し、自分で人体実験を試み透明人間になるが、元に戻れず暴走。
男の欲望と野望がむき出しになり、女性の体に触ったり、部屋をのぞくなどやりたい放題。苦笑
科学者役のケビン・ベーコンがまたはまってる。脱ぎたがる役者ですよね(^-^)
透明になっていくシーンのCGがおもしろかったです。

ふたつともセクシー系になっちゃったな~

【2】嫌いなモンスターは?


「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラム。
一つの指輪に誘惑されて苦しむ、みすぼらしく暮らしているゴラム。
姿がリアルすぎてダメでした・・・

【3】鳥肌のたったモンスターは?


鳥肌というか、気持ち悪かったのがクローネンバーグ監督の「裸のランチ」にでてくるゴキブリの形をしたタイプライター。
映画の内容もグロテスクで、よくわからなかった。汗
原作は薬漬けだったというウイリアム・バロウズ。

【4】ペットにしておきたいモンスターは?


「SW」シリーズのR2D2。
《モンスターではなく、キャラクターということで^^ゞ》
ピピピ・・・しか言わないけど、それがかわいい♪
素直だし、頭もいい、ジェダイの頼もしいロボットくん。

【5】あなたが、襲われても良いモンスターは?


「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のレスタトとルイ。
夜な夜な血を求める親分のレスタト(トムちん)、連れのルイ(ブラピ)。
そんな二人なら、襲われてもいいかな・・・♪
あ、でもルイはともかく、レスタトは貴族出の美男子が好みだった。笑

【6】こいつにだけは、襲われたくないモンスターは?


「エイリアン」でしょう。
生存率0%。未知の生命体で人間に寄生し、体内から別のかたちで飛び出すのが恐ろしや~。
エイリアンをデザインした画家ギーガーのビジュアルが不気味。

【7】こいつには、勝てる! モンスターは?
ちょっと今は思い当たりません・・・ごめんなさい。

【8】次ぎに回す方は?
モンスター系映画は好みもありますから、得意じゃない方もいらっしゃいますが、殺人者(たとえばレクター博士も怪物だもんね)もOKですよ^^
これから伺いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
もちろんスルーでもokだよ☆

モンスターというと、ほかには「プレデター」も印象的なキャラですね。
「SW」シリーズはキャラが多すぎて、名前がわからないのでした・・・(T_T)
とってもおもしろいバトンでした~☆


5月に観たい映画♪

2007-04-28 | 映画全般
5月は待望の超大作が2本も公開で楽しみな月です。
マニアックな逸品など、ジャンルもバラバラな作品をUPしてみました!

☆スパイダーマン3 公式サイト 2007年/139分【5/1公開】


“アメコミ界”のヒーロー、スパイダーマンが活躍する大ヒットアクション大作の第3作。
前作から約3年、怒りのパワーを制御できない“ブラック・スパイダーマン”が、サンドマン、ニュー・ゴブリン、ヴェノムといった強敵と激闘を繰り広げる。
サム・ライミ監督のもと、トビー・マグワイアら主要なメンバーは続投。
アメコミの中でも一番大好きなシリーズ。今回も期待できそう!!
日本は世界最速公開。前作も予習し、準備完了♪


☆眉山 -びざん- 公式サイト 2007年【5/12公開】


大好きだから、愛しているから言えなかった。「お母さん、ありがとう」・・・
末期ガンの母親と、母を看病するために帰郷した娘、母の治療に尽力する医師が織りなす情感あふれる感動物語。
原作はさだまさしのベストセラー小説。
母の日にあわせて公開。


☆スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい 公式サイト 2007年/108分【5/12公開】


マフィア界の大物ボスを怒らせた男の命を奪うため、暗殺者たちがラスベガスに集結するバイオレンス・アクション。
ベン・アフレック、アンディ・ガルシア、レイ・リオッタなどが出演。
久しぶりのアフレック、スタイリッシュな映像に期待。ポスターにそそられますねえ。


☆主人公は僕だった 公式サイト 2006年/112分【5/19公開】


もうすぐ自分の人生が終わってしまうと知った男が、死を阻止するために奔走するファンタジードラマ。
監督は『ネバーランド』のマーク・フォースター。
主人公の男ハロルド・クリックを『プロデューサーズ』のウィル・フェレル。
ウィル・フェレルのまじめな役は、はじめて観るかも。


☆パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド 公式サイト 2007年/上映時間未定【5/26公開】


もしかして、まだ編集中??
孤高の海賊ジャック・スパロウを主人公にしたアクション・アドベンチャーのシリーズ第3作。
カリブ海からアジア、そして“世界の果て”へと舞台を広げ、ジョニー・デップ演じるジャック・スパロウ、オーランド・ブルーム演じる青年ウィル・ターナーらの活躍が描かれる。
チョウ・ユンファ、キース・リチャーズが初登場。
ジャック・スパロウにまた会えます!


☆ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習 公式サイト 2006年【5/26公開】


全米で大ヒットを記録し、ゴールデン・グローブ賞で主演男優賞を受賞した一方で、製作にまつわる訴訟も続出しているシニカルコメディ。
人気コメディアンのサシャ・バロン・コーエン演じる主人公ボラットが、アメリカ大陸横断の旅を繰り広げる。
下品なジョークがウケるかどうか・・・興味のある作品!


☆毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト 公式サイト 2006年/122分【5/26公開】


過激な題材によって写真芸術の概念に一石を投じた、天才写真家ダイアン・アーバスにオマージュを捧げる官能ラブストーリー。
多毛症の隣人との出会いをきっかけに、貞淑な妻から自立した写真家へと変化していくヒロインをニコール・キッドマンが演じる。
多毛症の隣人って??これも気になる作品・・
ニコール、最近アンビリーバブルな映画を選ぶようになったかな?^^;

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ロッキー・ザ・ファイナル

2007-04-24 | ラ行の映画
Rocky Balboa(2006/アメリカ)
【劇場公開】

監督:シルヴェスター・スタローン
出演:シルヴェスター・スタローン/バート・ヤング/アントニオ・ターヴァー/ジェラルディン・ヒューズ/マイロ・ヴィンティミリア/トニー・バートン

シルヴェスター・スタローンの当たり役、『ロッキー』シリーズ最新作。
今さらロッキー?と思いましたが、評判がいいので観てきました!

ロッキーシリーズは、何作目かわからないけど、TVで観たことがありますが、
試合シーンしか思い出せない・・・実はよく知らないのでした。。。
彼は左利きのボクサーなのね。
シンプルな造り、ベタなのに感動してしまった。


ロッキー・バルボアは現役を引退し、地元のフィラデルフィアでレストラン「エイドリアンズ」を経営していた。
「エイドリアン」は亡き妻の名前ですね。
妻の墓を見舞うロッキーの背中は寂しそうだ・・・
不器用そうだけど、思いやりがあって街の人たちと家族のようなつきあい方をしてます。いいヤツなのです。

だが息子のロバートは親の七光りといわれ、父親を避けているんです。
有名人のロッキーは自分のレストランで、過去の栄光の話を客に披露する毎日。
なにか釈然としない日々。
再びボクシングをはじめようとするのですが、息子(お母さん似なのか細面のイケメン^^)は反対!

でもロッキーはいうのです。
「笑い者になってもいい。恐れていたら何もできない」
引退してもボクシングの情熱は消えてはいなかった。
年をとっても、なんでもいいから情熱をもてるものがあることは、素晴らしいと思います。
何かスタローン本人とだぶるものがありました。
自分をさらけ出すところは泣けてしまったな。


プロとしてライセンスを申請しますが、ボクシング協会は却下する。
その時、ロッキーが口に出した台詞は映画「幸せのちから」のタイトル。
「“幸せの追求”を押しとどめる権利は誰にもない!」
これがアメリカンドリームなんだね。
こうしてロッキーはプロとして、また華やかなリングに戻っていくのです。


ラスベガスの試合、対戦相手ディクソン役のアントニオ・ターヴァーは元世界ライトヘビー級チャンピオン。かっこいいですねえ。
年の差がありすぎですが、スタローンの鍛え上げた肉体をみると限界まで挑んでほしいと思ってしまう。
若いボクサーを相手にしてのロッキーの奮闘ぶりは自分の目で確かめるしかないでしょう!

スポコンものというよりも、人生ドラマでもありました。
心に中に生きる妻のために、そして自分のために・・・
試合までの過程が丁寧に描かれていたのがよかったです。
あのテーマ曲は不滅です。元気がもらえる作品でした~


★★★★(5段階☆は0.5)

「ロッキー・ザ・ファイナル」公式サイト

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ハンニバル・ライジング

2007-04-22 | ハ行の映画

Hannnibal Rising
(2007/イギリス=チェコ=フランス=イタリア)【劇場公開】

監督 : ピーター・ウェーバー
出演 : ギャスパー・ウリエル/コン・リー/リス・エヴァンズ/ケビン・マクキッド/ドミニク・ウェスト/リチャード・ブレイク

「羊たちの沈黙」「ハンニバル」「レッド・ドラゴン」とシリーズ化されてきたトーマス・ハリス原作小説主人公のハンニバル・レクター博士。
有名な博士の、幼少期から青年期にかけての物語。
“人喰い”ハンニバル誕生の謎が明かされます。劇場は満員で、レクター博士は人気者なんだな^^


愛らしい妹ミーシャとシャボン玉で遊ぶレクターは、将来“人喰い”になるとは、夢にも思わない。
リトアニアの名門貴族のレクター家はナチス・ドイツの攻撃を受け両親は死亡。
残された8才のレクターと妹のミーシャは逃げるが、逃亡者グルータス(リス・エヴァンズ)とその仲間によって幼いミーシャは命を奪われる。
レクターはその悲惨な体験によって、その時点で死んだのだ。


青年になったレクター(ギャスパー・ウリエル)は、叔父の未亡人、広島出身レディ・ムラサキ(コン・リー)と出会う。
承知してたとは言え、鎧、日本刀、剣道まで登場の日本テイストは、正直目がテン!でした。。。
レディ・ムラサキと過ごすうち、日本文化の精神世界にレクターは魅せられていくのです。神を信じることができなくなったレクターでもある。

その後、ミーシャを殺した人間たちを、レクターはひとりひとり処刑するのですが、残虐な殺し方(R-15)なのに、あまり衝撃的に感じないのは、こういう映画がたくさん作られて感覚が鈍っているかもなあ。汗


終盤、衝撃の事実がわかり、レクターが涙を流して怒りを爆発させる復讐シーンは、レクターの唯一人間くさいところでした。
レディ・ムラサキとレクターは心を通いあわすけど、彼女には愛があっても、レクターには愛は感じなかった。

「赦せない!」と言い放ったレクターの心はすでに怪物でした。

戦争によって人格を破壊され、人間から怪物へ・・・
“人喰い”は後天的なものだったわけだけど、果たしてそうなのかな?
彼の心の闇を、もう少し踏み込んでほしかったですね。
それと、原作の中に出てきた幼い時から頭脳明晰であることが、ほとんど表現されてなかったのが残念。

続編があるとすれば、いよいよアメリカ大陸上陸で精神科医レクター博士誕生の話かも。次回作が楽しみです。


レクター役のギャスパー・ウリエルは美形俳優ですが、なにげなくアンソニー・ホプキンスの立ち振る舞いを真似するなど、芸達者な俳優さんですね。ニヒルで品があります。
グルータス役のリス・エヴァンズも悪の匂いがプンプンして迫力があったなあ。
コン・リーはきれいでした。少し痩せた?
コン・リーとリス・エヴァンズの衣装はフェンディ提供。

ハンニバルシリーズの他と比べると、落ちるかなという感じです。
まあ、映像的には釘付けになって観てしまうのも確かですけどね^^;


甘めで・・・
★★★☆(5段階☆は0.5)

「ハンニバル・ライジング」公式サイト

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スネーク・フライト

2007-04-21 | サ行の映画
Snakes On A Plane(2006/アメリカ)【DVD】

監督:デビッド・エリス 
出演:サミュエル・L・ジャクソン/ジュリアナ・マーグリーズ/ネイサン・フィリップス/レイチェル・ブランチャード 

奇想天外で、おもしろい!!
数千匹の毒ヘビが、ジャンボジェット機を制圧するのだ!
痛快なパニックアクション大作です。


オープニングはハワイの海岸、ゴキゲンな音楽でつかみはいい。
緑の中をバイクで走っていたショーン(ネイサン・フィリップス)は、恐ろしい殺人現場を目撃してしまう・・・
犯人は凶悪犯のキム。
間一髪でショーンを救ったFBI捜査官フリン(サミュエル・L・ジャクソン)は、裁判所でショーンの証言を得るため、ホノルル発ロサンゼルス行サウスパシフィック航空機に乗る。
だが高度一万メートルの上空で、二人を待っていたのは数千匹の毒蛇だった!!


アイデアがいい。全米初登場NO.1ヒットを記録したのも納得。
まさか蛇が暗殺者になるとは・・・
ショーンと同じ飛行機に乗った乗客たちはお気の毒だよ。。
フェロモンによって、興奮した毒ヘビたちは人間に容赦なく襲いかかる。
ヘビは嫌いだけど、映像的にはクネクネして美しい^^;
とにかく攻撃的なヘビたちなのですよ。わらわら出てくるし~ひぇ~

ヘビが人間に襲いかかるところは、どう見ても・・B級・・・笑
トイレでいちゃついてた男女には天井からの攻撃、寝てる女性には目に攻撃。
アナコンダ風なえぐいシーンもありなのに、どこかコミカル。。
でも捜査官フリンやショーン、客室乗務員、乗客たちの人間模様もしっかり描かれていて、ひきこまれて観てしまう。


スカイアクションものでは定番なつくりだけど、操縦士がいなくなり飛行機が急降下するところも迫力あり!
毒がまわった乗客たちは、血清が必要となる。
そこでヘビ博士も登場して、地上でも乗客たちを助けるために奮闘するのだ。
はたして飛行機は無事ロスへ着けるのか?!

クソヘビ(捜査官曰く・笑)を外へ追い払うために、残った乗客たちはある強行手段をとる。
ここは痛快だったなー。

何も考えず、楽しめる映画だと思います。
最後もひねりがきいてるところがあるし・・・思わずどんでん返しがあるかと思った~
サミュエル・L・ジャクソン、こんな映画(失礼^^)にひょいと出てしまう身軽さがいい。
客室乗務員は「ER」の婦長さんですね。

ヘビたちのCGはよくできたけど、本物ももちろん登場。

「スネーク・フライト」公式サイト

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エクソシスト ビギニング

2007-04-18 | ア行の映画
Exorcist The Beginning(2004/アメリカ)【WOWOW】


監督:レニー・ハーリン
出演:ステラン・スカルスゲールド/ジェームズ・ダーシー/イザベラ・スコルプコ/レミー・スウィーニー

だいぶ前にWOWOWで鑑賞して、記事が途中になってました。汗

オカルト映画の金字塔「エクソシスト」に登場したメリン神父の若き日の物語。
少女リーガンに取り憑いた悪魔パズズと壮絶な戦いをした神父が、悪魔祓いに目覚めるきっかけとなった25年前のエピソード1。



東アフリカにやってきたランカスター・メリン。
実は神父をやめて考古学者に転職。
どうも神父には隠された秘密があるようです。
小さい彫像を探しに、5世紀頃に建てられた教会を探りにきたのだ。
まだキリスト教が伝わっていない時代。
誰が建てたのか?そこには何があるのか?

以前、そこに入った学者は、気がおかしくなり病院で死亡。
村人も呪われているといって、中に入ろうとはしない。
メリン神父は邪悪な何かを感じ取りながら、秘密を調べていく。
その間に猟奇殺人も発生するし、ある少年に異常が現れる・・

メリン神父の隠された過去というのはナチス絡み。
悪魔=ナチスでもありますが、聖職者である自分がナチスに抵抗できなかったです。
そんな自分を奮い立たせ、神父は悪魔と戦うことを決意する。
悪魔は嘘をつくし、悪魔の前では、隙を見せてはいけない。
神父もやはり隙をつかれるのですが・・・
人間の弱点でもある。


思ったよりも、そこそこ見られました。
しょぼいシーンもあるけど、駄目駄目というわけではなかった^^;
「エクソシスト」の有名なシーンも登場します。
ラストのメリン神父の最後の姿は、まさに「エクソシト」でリーガンの家の前に立つ帽子をかぶったあの姿。
悪魔は25年後、お導き(?)なのか神父と最後の戦いをするのですね。
それにしても教会は結果的に悪魔に敗れるわけで、最大の汚点でした。


地味な配役で、医師役として007「ゴールデンアイ」のボンドガールのイザベラ・スコルプコ、イギリスから派遣された神父役で「プライドと偏見」のジェームズ・ダーシー。メリン神父役のステラン・スカルスゲールドは渋い演技でした。

「エクソシスト ビギニング」USサイト

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「恋人までの距離」「ビフォア・サンセット」

2007-04-15 | カ行の映画

監督: リチャード・リンクレイター
出演: イーサン・ホーク/ジュリー・デルピー

セットで観るとより効果的!シリーズものです。
「スクール・オブ・ロック」の監督さんとは知らなかった。
旅先で出会った男と女。会話が全ての知的な恋愛物語。
はじめは退屈に感じられるかもしれないけど、途中から目が離せなくなる。
俳優もすばらしく、なかなかの秀作だと思いました。
ちなみに「恋人までの距離」は1995年ベルリン映画祭銀熊賞(最優秀監督賞)受賞。


「恋人までの距離」
Before Sunrise(1995/アメリカ)【DVD】

ヨーロッパの列車の中で出会ったアメリカ人のジェシー(イーサン・ホーク)とフランス人のセリーヌ(ジュリー・デルピー)
一目見て感じるものがあった若い二人はウィーンで下車し、限られた時間、一夜だけの楽しいひとときを過ごすのです。


二人ともおしゃべり。
幼い時の夢の話、両親のこと、別れた恋人のこと、人生について・・・
国も環境もちがう二人が、会話を理解しあうことでその距離は縮まっていく。

印象的なシーンは、ふたりでレコード店に立ち寄り、試聴するところ。
音楽に耳を傾けながらいいムードになるのに、照れくさいのか、お互い視線をそらすのです。
自分の心を読まれるのがいや。これが恋の瞬間なのかも。

二人の俳優の息がピッタリなんだな、これが!
膨大な台詞の量だと思うけど、芝居かかってなくて、とても自然なのだ。
若い二人の恋のときめきを、ありふれた会話だけで表現してるところがすばらしい。
ウィーンの街の観光めぐりもできますよ。

半年後の再会を約束し、二人は別れるのでした・・・


ビフォア・サンセット
Before Sunset(2004/アメリカ)【DVD】

あれから9年後、ジェシーは作家としてパリでプロモーションをしていた。
そこでセリーヌと再会する。ジェシーが旅立つ時間はあとわずか。二人は空白の9年を埋めようとする。


実は二人は半年後の再会を果たせなかった。
お互いのさぐりあいが可笑しい。本当の気持ちがいえないのは誰でも経験あるのでは!

再会の時間が85分というリアルタイムで進行するので、二人の行方に自然にひきこまれる。
前作とちがうのは、9年という時間。

会えなかった理由は?仕事は?結婚してるのか?
またも長い会話が続くのですが、二人は出会った頃の二人に戻ろうとしてるよう。
後悔といいわけをしながら、でも忘れられない人を思い続けてきたことを告白する二人。

パリという街がまた似合う。二人の時間がすこしでも長く続いてほしいと思いました。
ラストも余韻を残すつくり。
ジュリー・デルピーのギターの弾き語りがとても心地いい~
オープニングの歌も彼女ですかね?サントラ探してみるか・・
イーサン・ホークはこんなにいい俳優だとは思わなかった^^ゞ

《総括》
さりげなく、アドリブのようなリアルな台詞にはまる。
同じ俳優を使って描いているので、年月を感じさせる部分があって、これも好作用。
監督とスタッフ、キャストのこの映画に対する思い入れがわかる。
恋という魔法にかかった二人の、短くも長ーい(?)物語でした。

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サンシャイン2057

2007-04-14 | サ行の映画
Sunshine(2007/イギリス)【劇場公開】


監督:ダニー・ボイル
出演:キリアン・マーフィ/クリス・エバンス/ローズ・バーン/ミシェル・ヨー/真田広之

評価が難しいSF大作かなあ。^^;
地球にとって、生命の源である太陽が死滅しようとしている50年後の近未来のお話。
人類の滅亡の危機に立ち向かう、宇宙船イカロス2号にのった8人のクルーたち。
予期せぬ事態に、彼等はどう立ち向かうのか?



登場人物はクルー8人だけの密室劇。
危険なミッションに乗組員同士がけんかをしたり、ストレスからミスしたり(バックアップシステムはないのがおかしい・・・)、人間どおしのいがみあいが描かれる。
そこに生と死がからみあうのです。
キャプテンカネダ(真田広之)と物理学者キャパ(キリアン・マーフィ)が船外で活動するシーンは力が入りますが、真田広之の登場シーンが少ないのが惜しい・・・。

50年後の宇宙船の中は、無重力じゃないんだよね。
普通に生活できるんだなあ。
バーチャルで自然を体感できたり、宇宙船の中などビジュアルはよくできている。
乗組員たちは、死を覚悟で任務を遂行しようとしますが、誰かを犠牲にしなければいけない究極の選択を迫られる場面もありで、人間の本性が見え隠れするサスペンスものでもある。
後半、意外な人物?の登場で、ここからSFアクションものがホラーにかわっていくんです。汗
この人物の必要性がわからない。 (-_-;)


クルーのひとりが、太陽に魅せられるシーンがある。
太陽はどんな生物、物質を寄せつけない神聖なものですね。
台詞にもでてくるけど、宇宙の中では人間は塵。
偉大な太陽に立ち向かった、人間の挑戦でもあった。

でも50年後といっても、太陽にいける宇宙船ができるとはおもえないけど。
はたして人間たちは太陽を復活することはできるのか!?


国際色豊かなキャスト。
キリアン・マーフィーは、快演なしのフツーな学者してました。
キラキラ輝く太陽の光を背にしたキリアンは、崇高で美しかった。
沈着冷静なクルーの中で、一人だけ熱血してた「ファンタスティック・フォー」のクリス・エバンス、なかなかいい男☆

せっかくの見応えのある視覚効果だったのに、後半のホラーが台無しにしてしまったのかなあ。
キリアンは不死身な男でもありました・・・ぼそっ
サブミリナル効果を使ってるシーンがあり。

俳優たちが楽しめたので☆追加で
★★★☆(5段階☆は0.5)

「サンシャイン2057」公式サイト

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「ハンニバル・ライジング」読了

2007-04-12 | 

上、下巻 トマス・ハリス (著), 高見 浩 (翻訳)


ハンニバルシリーズ第4弾。前作から7年ぶりの最新作。
「羊たちの沈黙」が傑作だったので、それ以降シリーズはかかさず読んでます。
『ハンニバル』のラストはとても衝撃でしたねえ(映画では残念ながら変更されてました)
前作に比べて短いので、ボリューム感がなくどんどん読めてしまいます。
深く味わいながら読みたかった。

リトアニアの貴族の末裔として生まれたハンニバル・レクターの8歳から18歳までのお話。
いかにして「人間」から「怪物」になったのか。
第二次大戦によって家族を奪われ、特に妹のミーシャへの想いは強く、彼女の命を絶った人間たちへの復讐物語。

レクターの幼少期はかなり悲惨・・・
怪物になったのもわからなくはないが、もうひとつこちらに伝わってこない。
復讐される人間たちも、地獄におちるような人間ばかりでしたね。
レクターは、まだ人間らしい感情もあり序章にすぎない。
本格的な怪物になるのは、もっと後かも?

レクターの後見人、初恋の相手ともされる日本人女性紫夫人との心のつながり、レクターをおいつめようとする警部、大戦後のヨーロッパの殺伐とした様子など、アメリカが主な舞台だった過去のものと趣がちがいます。
特徴としては日本趣味があちこちに出てきます。
トマス・ハリスは日本文化をよく勉強してますねえ。
まさか和歌がでてくるとは思わなかった・・・

でもなぜ日本なのか・・・という気も^^;。
欧米人からみると、マイナーな事柄がでてくるので、原書では注釈があるのでは?
映像化すると、かなりキテレツなものを想像しますが、映画は大丈夫かな?汗
脚本をトマス・ハリス自身が担当してるせいか、プロダクションフォト、トレーラーを観ると、原作に忠実みたいです。

レクターの頭の中にある“記憶の宮殿”の成り立ちも出てきます。
青年になり、優秀な医学生で人体解剖に異常なこだわりを持つ。人間の体が美しく思えるのね。
絵心があり、いろんな分野に興味があるのはダ・ヴィンチを思い起こさせる。
天才と狂気は紙一重なのかもしれない。

全体に言葉足らずな印象でした。
寡作家のハリスなので、何年後になるかわからないけど、次回作に期待したいと思います。
映画はもうすぐ公開。
レクターを演じるフランス人俳優ギャスパー・ウリエルくんは熱演してるとのこと。
母国語でない英語にチャレンジしてます。楽しみ~♪



「ハンニバル・ライジング」公式サイト

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