小部屋日記

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ブラックブック

2007-08-31 | ハ行の映画

Zwartboek:BLACK BOOK(2006/オランダ=ドイツ=イギリス=ベルギー)【DVD】

監督:ポール・ヴァーホーヴェン
出演:カリス・ファン・ハウテン/トム・ホフマン/セバスチャン・コッホ/デレク・デ・リント/ハリナ・ライン/ワルデマー・コブス

この愛は裏切りから始まる

「氷の微笑」「ショーガール」「インビジブル」のポール・ヴァーホーヴェン監督が23年ぶりに故国オランダに戻り撮り上げた作品。
ナチス・ドイツの戦争ものにしては勝手が違う、サスペンスタッチの娯楽作。
監督らしいエロ、アクションもしっかり描いてあって、力作ではないでしょうか。
2時間20分と長いですが、見応えがありました!

1944年のナチス・ドイツ占領下のオランダ。
若く美しいユダヤ人歌手ラヘルは、レジスタンスの助けによって逃れようとするが、何者かの裏切りによって両親や弟をナチスに殺されてしまう。
復讐のために名を変え髪の色を変え、レジスタンスのスパイとなり、ナチスの謀報部へ色仕掛けで潜入する。


敵であるナチスの人間でも、いい人もいるんです。
ラヘルは謀報部のトップであるドイツ人将校ムンツェを愛してしまう。
切手収集家でもあるムンツェは穏やかな人。
彼も妻子を空襲で亡くしていたのだ。
二人のラブシーンやトイレシーンなど、裸が多いのもポール・ヴァーホーヴェンらしいです^^;


戦争中はみな生きるために必死。敵と味方に分かれていても腹黒い奴もいる。
一番始末が悪いのは、仲間の裏切り行為。
信じていた人が実は密告者だったとか、裏で通じていたとか・・
戦争終結後の人間同士のいがみあいは醜い。
裏切り行為とみなされた者は、魔女狩り、いじめ・・・。
同国人同士だから、懲らしめ方も半端じゃない。
汚物まみれは、映画とはいえリアルすぎ!


そんな過酷な状況でもラヘルは生き抜くのだ。
女性はたくましいです!
誰が裏切り者なのか?誰が助かるのか?ハラハラドキドキの展開、謎解きの面白さもありますね。
ブラックブックの存在よりも、チョコレートがポイントに思えました。

ラヘルを演じたカリス・ファン・ハウテンはヨーロピアン美女。
彼女は007最新作「Bond22」のボンドガールとして交渉中という噂・・

戦争の悲惨さはもちろん、人間の表の顔と裏の顔は恐いね。
人間を信用するな!という台詞は悲しい。
視点を変えた戦争娯楽映画でした。

「ブラックブック」公式サイト

★★★★(5段階☆は0.5)

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