小部屋日記

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シッコ

2007-08-26 | サ行の映画

Sicko(2007/アメリカ)【劇場公開】

ムーア先生、急患です。
テロより怖い、医療問題。


『ボウリング・フォー・コロンバイン』『華氏911』のマイケル・ムーアの新作ドキュメンタリー。
Sickoとは、ビョーキ(精神病者)という意味とか。
今回はアメリカの保険制度の実態を描いています。
監督、13キロ減量(^^;)して突撃取材スタート!!
ドキュメンタリーなので、ネタばれというかそのまんま書いてますので要注意。

アメリカの実態
仕事で指を2本切断してしまったが、1本しか治療できなかった男性。
病気でも保険会社から保険が下りず、結局亡くなってしまった夫。悔し涙を流す妻・・・
腰痛の薬がなんと2万円!これじゃあ風邪もひけない。


先端医療の国アメリカという印象が強いですが、国民はまず個人で保険に加入しなければならないのです。だからお金のない人は入れない。
保険会社に加入していても高い保険料かつ保険が効かない病気や薬もあって、なんの意味もないこと。
太り過ぎ、やせ過ぎも入れません。。

どうしてこんな制度になってしまったかというと、やはり政治家が絡んでいるのです。
ニクソン時代につくられたシステムですが、政治家と保険会社の癒着。利益重視の保険会社など、黒い関係の存在。
よって弱者、高齢者に冷たい社会となるわけです。


ほかの国のケースが興味深かったですね。
イギリス、カナダ、フランスともに医療費はタダ。
カナダの場合、出産費用はもちろんなしで「これは当たり前だろ!」という夫婦に驚くムーア監督。
フランスの有給制度、育児制度の充実にはへぇ~ですよ。
そのかわり高い税金を払ってると思うけどなあ?
そこのところを深く追求してほしかった。

9.11の時に活躍した救命士たちが治療を拒否され、今も苦しんでいる事実は深刻です。
救命士たちを仮想敵国であるキューバに連れて行き、彼等に治療をうけさせるところはムーア監督らしいアポ無し突撃取材でしたね。
キューバの医師に「感謝してます!」といって涙を流すアメリカ人女性には泣けた・・・

それぞれの国にはいろいろ事情はありますが、人が人を助けるという思いやりの心は忘れてはいけないと思った。
日本も人事ではなく、アメリカの制度に近付いているような気も^^;
身近な問題でもあるので、観て損はないです。

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