こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2012年8月23日 木曜日 八月・博多よりの帰還にて

2012-08-23 00:44:47 | 写真日和






















■砂原良徳さん 「Welcome To Japan(ようこそ日本へ)」'98■

〔愛聴盤「テイクオフ&ランディング」より〕

「郷土愛」なるコトバと無縁でありたいと願った元少年は、今では、飛行機で東京の街が見えてくるたびに、恥ずかしながら・旅情と共に泣きたいような気持ちが涌いてくる。
東京という都市がいくら汚い物に囲まれた異界の地であろうと、自分にとってはふるさとである糸は切れない。
窓から次第に迫る光の風景を見ながら、よくそんな万感の想いがよぎる。

プリンスにも「一日で世界一周」という素晴らしいアルバムがあるが。。
砂原さんのこのアルバムは、新宿に空港があるという仮想の設定から、世界を一周する。
地平(此岸)と天空(彼岸)を行き交いながら各地を巡り、最後、再度改めて、自分の国・日本へと飛行機は降り立っていく。
「ウェルカム・トゥ・ジャパン」は、このアルバムのフィナーレを飾る曲。
そこにはまるで輪廻転生を感じさせる何かがある。
元々欠損を負って産まれる人間という生き物では無い生き物。
その代替・穴埋めの産物として獲得した「創造」行為の広がり。



飛行機好きでYMOマニアの砂原さん。
「ラヴ・ビート」におけるスケッチショー(細野さん&幸宏)とのFM番組で、2人に「良いっすね」と褒められ、「死のうかなあ」と言い・温かく笑われた砂原さん。
「テイクオフ&ランディング」も細野さんの番組に出演し、細野さんに褒められ、同じように萎縮していた砂原さん。

最後の曲「ウェルカム・トゥ・ジャパン」。
ここでは、かつてYMOが演じた「ナゾの黄色人種(Yellow Magic)」というトリック手法があからさまに振り掛けられている。
海外から見たら「なんとなくアジアの人」というアジアン・オリエンタリズム。
外人の目には中国・朝鮮・日本の違いも分からない中、日本の象徴・古都京都のイメージをカムフラージュとして配置した諧謔。
しかし、ここには、それでも自ら・ふるさと=日本・に帰還していく飛行機。
天空から日本へ。
「ウェルカム・トゥ・ジャパン」には、そんな愛がちらちら見え隠れする。

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