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「幻滅のたびに甦る期待はすべて、未来論の一章を示唆する。」(Novalis)

快快「ジンジャーに乗って」のゲネプロを学生は見た

2008年05月17日 | 演劇
元小指値、現在は快快(faifai)と名を改めた彼らの新作「ジンジャーに乗って」が始まりました。当然の事ながら、相当な問題作ですが、それについてぼくがコメントする前に、いまぼくが勤めている大学(首都圏の女子大学)の学生を招いて、本番が始まる前日のゲネプロ公演を見てもらいました、それを見た彼女たちの感想をここに転載したいと思います。

これは「批評」という名にはほど遠いものなのかも知れない。けれども、同時に思うのは、ぼくでは絶対書けない何かがひとつひとつのコメントに絶対にあること。そこにあるのは、ぼくの盲点だとぼくは思いながら読みました。やや大げさかも知れないけれど、その点で彼女たちのコメントはぼくを批評しているようでもある。

ちなみに、ゲネ公演の後、ちょっとしたアフター・トークをしました。あと、セグウェイの試乗コーナーも。

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私は、プロの演劇を見たのがfaifaiが初めてでした。
他に比べるものがないので、良し悪しは言えませんけど、私はfaifaiの劇を気に入りました。
表現力のすごさに驚かされました。
こんな素人の意見は参考にならないかもしれませんが・・
劇終了後の質問タイムのときに、製作者は観客の”?”を解消しようとしてましたが、私は”?”が頭の中に浮かぶことは、この演劇にはあっていいものだとおもいまいした。”?”が心地よいというか・・・
同じ年代の人たちがこんなものを作れるなんて・・と、自分の凡人さも改めて思い知らされました。

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小劇場での公演を観るのは初めてだったので、舞台と客席が地続きなことからまず驚きました。
演者の方と目線が同じなので、こちらが見ているのと同時に、観客の私たちも見られているという
感覚があって、大劇場では無いことなので、どきどきというか、緊張しました。

無駄がテーマということで、会話のぐだぐだっとした感じが、例えるとしたら、
バンドのライブの間のMCを引き延ばした感じかなと思いました。

その感じは好きなので、決着がつかないまま流れていく会話とか、突然話が切り替わったりというのが
おもしろかったです。救命胴衣の方?が話していると、だんだんみんないなくなっていくというのは、
自分にも身に覚えがあって、若干切なくなりました。

一幕と二幕の間が、切れているのかいないのか分からなくて、ちょっと戸惑いました。

衣裳がすごく可愛かったです。

セグウェイの乗り心地は立ち乗りブランコみたいで楽しかったです。

遅くなってすみません。
夜分に失礼致しました。

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昨日はゲネを見学させていただくという機会を設けてくださってありがとうございました。私は劇団四季、東宝、宝塚などのミュージカルしかみたことがなく、演劇を生でみるのは初めてでした。とても面白かったです!ストーリーがどんどん展開して人の環境や心情がかわっていく…というストーリーではありませんでしたが、なにもすることがない空の時間の中でも会話は続き、動き続けているとおもうと不思議な舞台だな、おもしろいなと思いました。同じ会話がたびたび繰り返されていて初めはその会話によって時間の経過の仕方がよくわかりませんでした。しかししばらくたった今なんとなく分かってきた気がしました。やはり最後のお話の(セグウェイに乗っても乗らなくてもかわらなかった)という言葉をきいて時間の経過の流れがひとつにつながった気がしました。
面白い舞台を見させて頂きありがとうございました。またこのような機会がありましたらぜひ参加させていただきたいです。

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 無駄がテーマであるという舞台のコンセプトはとても面白いと思いました。そうした行為を通してさまざまなモノが見えてくるように思います。

 最終的に無駄をして、何が残るというか、感じるのかという問いが私には生まれました。しかし、最後に無駄は何の意味があるのか理解できませんでした。
無駄は無駄だっただけですか。それとも、飲み会の最後に主人公の一人が感じたように、生きていることを実感できる感覚を得るのは、人と人が関係性から生まれ
ることを意味しているのでしょうか。そして、最後にみんなで踊って、無駄だけどやっぱり人といるのはいいよね!ということを伝えたかったのですか。

 この演劇が伝えたかったことは、観客に楽しんでもらえるということだけでなく、「現代社会の私たちがいかに生きているのか」ということを伝えたかったのでしょうか?
若者の日常を内面・外面ともに如実に表していました。人と人とが生きていくには、コミュニケーションは不可欠です。
しかし、主人公二人のやり取りを見ていると関係を築いていくのさえ難しい、面倒だという内面が浮かんできます。
これは、とても変なことだけれど、だれも答えてはくれない。現代は、不安に不安を感じずにはいられない社会になっています。
そして、それは私たちの言葉の中に現れています。今回の舞台のワンシーンでは、役者が口々に「・・・・かもしれない」と言っていました。
まさに、社会や人への不安、自信をもてないことをこの言葉は表しています。そのような背景を含んで演じられていたのでしょうか。

 また、間によく、天気の話が出てきますが、これは何もないときによく天気の話を持ち出す・・・つまり無駄話?ということでしょうか。
または、富士山という象徴があるように、日本人の特性(天気の話しをよくする)ことを含んでいるのでしょうか。
そして、人は自然によって大きく左右されていくものであるという見解があるのでしょうか。

変な質問ばかりになってしまい、申し訳ありません。
ジンジャーやアスレッチクのような舞台は、観客を引き付け、とても面白いと思いました。
激しいダンスは、舞台ならではの迫力があり、とても楽しむことができました。舞台が現代の社会をこのように訴えかける場でもあるという新しい発見ができました。
ありがとうございました。
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ジンジャーに乗っての感想を送ります。

ダンスがすごく楽しかったです。
確かに、「ジンジャーに乗っても何も変わらなかった」ということを
言ってくれたら、とても分かりやすくなる気がします。

あと、これはすごく書いていいのか悩みますが・・
私は学校で人権を勉強するゼミに入っています。
人権といってもいろいろな問題がありますが
自分のテーマはホームレスです。
ゼミに入る前からホームレスに興味があり
その頃からホームレスへの夜回り(パトロール)に参加していました。

私の場合、ホームレスはさすらい人というイメージが強かったです。
たしかに、夏は野宿がしやすく
ブルーシートでテントを張るホームレスに自由や幻想を見た気がしました。
しかし、冬場になるにつれて
ホームレスの生活はとても厳しくなります。
さすらい、自由など
そうした憧れを表面部分だけ見ていた自分がとても情けなくなりました。

そして、何よりも思うのが
ホームレスは社会のゴミでは決してありません。
現在の社会の問題、あるいは社会構造が生んだ
私たちと同じ普通の人であって、被害者なのです。

そうしたゴミとか普通じゃないものが、社会一般の常識なのかもしれません。
「社会のゴミだから殺してもいい」というのが
ホームレスを襲撃する子どもの言い分であることが多いです。
けれど、それが当たり前となっている部分があるからこそ、変えたい
そんな風に思い、ホームレスをテーマに卒論へ取り組んでいます。

ホームレスがいい人ばかりではもちろんありません。
怒鳴りつけてくる人、アル中の人・・いろいろいます。
さすらい人もいます。
ゴミをあさる人もいるでしょう。
けれど、それは本当に仕方がないんです。
死ぬわけにはいかないのです。

快快さんの劇の発言に、私は悪意を感じません。
しかし、悲しくはなります。
ホームレスの人は劇を見に来ないでしょう。
だから問題ないかもしれません。
けれどもし、ホームレスの支援団体や人権にかかっている人がきいたとしたら
問題となる発言だと思います。
同時に深く傷つくかもしれません。

とても生意気ですみません。
あまり劇の感想ではないので、役に立たないのですが。
快快さんの劇自体にはメッセージがあって、とても考えさせられます。
何より、表情が生き生きとしていて大好きです。
明日からの公演も頑張ってください(といっても今日ですね)
今日はありがとうございました。

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 今日の快快の公演は想像より(失礼かもしれませんが...)かなり面白かったです。小劇場系の劇団というと、なんの意味もなく、何も考えず、ただの自己満でやっているというイメージがありましたが、今回はいくつかのテーマがあり、面白いと思いました。
 凄いなと思ったのは、まずデモのシーンです。手を広げてウヲォーと言うだけで大勢の人々が行進して押し寄せてくる感がありました。また、特に2幕目では、ただしゃべっているだけでなく、体で表現している事で、観せるという点でかなり楽しかったです。あまり変化のなく、普通のセリフだけでは面白くない所をあのように体を動かしてやると、観ていても面白かったです。次どのように動くのかある意味スリリングで、緊張感と脱力感が交互に来ることで面白かったのだと思いました。
 しかし、いくつか気になった点がありました。
 �劇場でも言ったのですが、最後の質問タイムで「ジンジャーに乗っていても乗っていなくても結局何も変わらない」ということを言いたかったと聞いて、やっと芝居後に1幕目と2幕目が繋がりました。ずっと2幕目は「どうやって1幕目ができたか」という説明だと思っていたので...だから、一番最初に何を伝えたいか遠まわしに言ったらどうでしょうか。例えば、劇の内容とかぶるような歌を流したりするとか...(←これはあまりいいアイデアではないですが。涙)それか、幕間か最後に主人公(?)以外の他の子達に「結局何も変わらないじゃん」みたいな事を言わせるとか...あまりいいアイデアは出せないのですが、テーマが伝わりにくく、それだけで面白みに欠けてしまい、残念だと思いました。
 �いまいち、いつから劇が始まって、2幕目はいつ始まって、最後はいったいいつ終わったのかメリハリがつかなく、劇がすこし締まりが悪かったと思いました。どっから真剣に見ればよいのか戸惑って、最初は内容に入れなかったのが残念です。
 �最初のダンスですが、「無駄」というのがテーマなら、もっと振りを崩して、もっと馬鹿馬鹿しい感じでやった方が面白いんじゃないかと思いました。先生のダンスの授業で見た、路上で素人がダンスしてて、MTV か何かに取り上げられた人達のダンスっぽくすれば良いと思います。あれこそかなり無駄であり、でも面白いから、その要素を取り入れてみたらどうでしょうか...?意外と皆、ダンスが揃ってたり、上手い人もいるので、逆にいまいち無駄というものは感じられなかったです。
 �「ゴドーを待ちながら」を参考にしているのなら、パンフレットか何かに、あらすじを載せておくとかしたら、それを基盤にして見るからより面白く、伝わりやすくなるのではと思いました。
 �何度か同じ事を繰り返しているとこがありましたが、もうちょっと最初と二回目を同じにすると面白いのではないでしょうか?特にヤンキーが出てくる所で、赤い子が「あぁーー」って叫ぶことがありましたが、あれが最初と二回目が長さが全然違い、「?」と思いました。そこで、一気に引いてしまいました。でも、同じセリフを繰り返すという意味によって、まったく同じにするべきかしないべきか変わってくるので、その辺は明確にしとくと分かりやすいなと思います。
 �あれだけのセットがあるから、もっと活用したらどうかと思いました。逆さまにぶら下がるとか。...でも、それが無駄という事で、テーマに沿っているから良いのかも...とそこは分からないのですが。笑

私は普段あまり小劇場系は観ないので、これらの意見が間違っていたり、失礼に当たりましたら本当に申し訳ありません。

最後に質問なのですが、
・何で「無駄」というテーマになったのですか?
・演劇というのは例えば「何かを人々に伝えよう」とかインドの演劇なら「神への祈り」や「伝統継承」など色々な思いがあると思います。今回の芝居では、今まで私が考えていた「演劇」という定義というか常識とはまったく違うものだったので、疑問を持ったのですが、今回の芝居は何の為の演劇なのでしょうか?「何かを伝える」という点が今回の芝居に当たるのかとも思ったのですが、「無駄」ということを伝えて受ける側として何を感じてほしいのか?正直、見終わった後、何を感じたのかいまいち分からず終わってしまって...例えば「何も感じない」で良いとしたら、演劇であるべきじゃなくて良いのではないか。極端に言えば劇場がなくても客がなくて照明がなくても良いのではないか。そこで、じゃあなんで芝居にするべきなのか?と思ったのですが、そこの所はどうなのでしょう...?(こんな事を考えている事自体「何かを感じた」という事になるとは思うのですが。笑)

自分の考えを文章にするのはとても難しいと今回、この感想を書いていて思いました。また、明日も公演があるようなので、早めに送らなければと思い、いまいち考えがまとまっていない所もあって・・・意味不明な所が多々あると思いますが、大目に見てください。

それでは。

PS・ジンジャーに乗れたのはかなり楽しかったです。小泉さんが乗っていたのをテレビで見たときから、憧れていたので・・・笑

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今日はお疲れさまでした。

わたしは最初の「ムダなこと」っていう言葉を聞いて、すんなり劇をみれました。

後半のも、ジンジャーがなくても、仲間がふえても相変わらずな感じで、ステキでした。


みんなで共食い?からどんどんといつめあってたシーンとか、ホームレスのところとか、がなんかいいなと思います。

実際の出来事の入れ方もよかったです。
あと、鉄の骨組みとか、タイヤのセットに登ってるときの雰囲気がすごく好きです。
それに、映像がながれるのも、映像とかとても好きで、興味があるので、不調だったみたいですけど、でも好きです。

みた感想というか、どう思ったかとか、何がのこったとかが、まとまってないというか、はっきりとはいえないんですけど、何かはしっかり感じたし、残りました。

演劇をちゃんとみたのは初めてで、でも初めてみれたのがこんなおもしろいと思える作品でよかったです。
ありがとうございました、明日からの公演もがんばってください。

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一番わかりやすかったのは、2幕で「なんで?」って鬼ごっこしているところ。

全体的に「よくわからない」という印象を与えるのは悪い事では無いと思うけれど、わからないまま放棄されないためのお土産というか時限爆弾を見に来た人に渡せたらいいと思います。

テーマである「無駄」の印象を最後まで強く残せたらもっと良くなるのではないでしょうか。


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劇団員の人はわかりやすい方が親切だからと言っていましたが、分からないままの方が私は面白いと思います。観劇後、色々と考える事ができるからです。自分なりの解釈を楽しむのも観劇の魅力の内だと思います。(演出家的には微妙でしょうか?)私は今日でた質問によっての変更はいらないと思います。
…でもビデオの音量はあった方がいいかもですが。


後先ほどは言うタイミング逃しましたが、焼酎ナイトぐらいは理解しました。説明は不要ですし、あるとむしろ微妙です。


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