対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

新刊棋書情報「『手抜き』の基本戦略」

2012-03-01 20:55:55 | 棋書
MYCOMの2月の新刊は「『手抜き』の基本戦略」。

偶々、今年に入ってから手抜き定石を意識して打っていて、
それを見越したかのような出版に楽しみにしていた。

しかし実物を手にとってみたところ、
ちょっと私の思い描いていたのと違っていてガックシ。

著者は黄翊祖。
構成は朴道純。

私としてはは定石書では中々取り上げられない、
手抜き定石の考え方や定石の枝道を詳細に解説してくれる
いわば「手抜き定石事典」みたいなものを期待していた。



例えば上の定石はプロの碁で最近良く見かけ、
この後、白の「手抜き」に対してAかBの2通りが打たれているが、
アマチュアにこれを使うと不思議とCが多い。

また黒Bは兎も角、黒Aは定石とされている手順を踏んでも、
ちょっと自信のないことが多く、
その辺りをスッキリさせてくれる本を探していた。

しかし本書では上の定石について一応紹介しているものの、
1ページ半ほどで既知の知識ばかり。



一方で上の流行定石がかなり詳細に紹介されている。
この定石は他でも散々解説しているし、
広義でみれば黒5がちょっと離れていて
「手抜き」といえない事もないだろうけれど、
私のイメージする手抜きとはちょっと違う。

本書は定石ばかりではなくもっと全局的な
「手抜き」の考え方を説くというのが狙いのようで、
例えば3連星のカカリに手抜きとか
そういったシチュエーションまで含まれている。
かなり「手抜きの周辺」ではなく、
「手抜き後」を延々と解説している印象。

盤面図も全局図を1ページ2図配した構成。
いつもの朴流の通り、章末に「まとめ」を収録。
序章で手抜きの概念的な解説がある。
目次が索引となっているが、ちょっと事典的に使うのは難しそうだ。